英語リスニング・ディクテーションチャレンジ! 〜「ミッフィーのぼうけん」12月3日放送分〜
こんにちは。
先日、スーパーの店内放送で「当店ではオススメの散弾銃を取り揃えております!」という宣伝文句を耳にし、「日本もなかなか物騒になったな…」と思っていたら「三段重」の間違いでした。
おせちを用意する季節ですね。マミです。
さて、今日は毎週恒例、Eテレアニメ「ミッフィーのぼうけん」英語ディクテーションをお届けいたします。
前回の難易度が高かった分、今週は割と聴きやすい内容でした。ミッフィーが「農場をつくりたい!」と、何やら行動を起こしているようですよ。
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
「ミッフィー、はたけをつくる」12月3日(日)放送分
なぜかいきなり牛さんと触れ合っているミッフィー 。
いつものナレーションが、視聴者の代わりにミッフィーに問いかけてくれます。
Narrator: Hello, Miffy. Have you found a new friend?
(やあ、ミッフィー。新しい友だちを見つけたのかい?)
Miffy: Oh, yes! I'm at a farm with Daddy. Look, it's a cow! Moo, moo!
(うん、そうよ! パパと牧場に来ているの。見て、牛よ! モー、モー!)
Miffy: Daddy's over there. With the chickens!(パパはあっちにいるの。ヒヨコたちと一緒!)
牧場に来ていたんですね。
ミッフィーと一緒に来ているパパは、なぜかヒヨコ達にびびってよろめいています。
Father: Oh! I am sorry.(ああ! すみません。)
Farmer: Don't worry. I see my little chicks taking a shine to you. Do you like my farm, Miffy?
(いいんですよ。私の小さなヒヨコたちは、あなたに一目惚れしたようです。私の牧場を気に入ったかい、ミッフィー?)
Miffy: I love it! I want to take all the animals home and be a farmer too!
(気に入ったわ! 私、動物をみんな連れて帰って、私も牧場(農場)主になりたい!)
Farmer: Some farms just grow crops.(作物を育てるだけの農場もあるよ。)
take a shine to 〜で、「〜を(ひと目で)好きになる」というイディオム。
ここで"farm"という言葉が何度も出てきていますが、日本語に訳すとき「牧場」というか「農場」というかで揺れるところですね。
おじさんが経営している「牧場(家畜の飼育場)」は厳密には"stock farm"、または"pasture"というそうです。
単に"farm"という場合は、作物を育てる「農場」を指す場合が多いようです。
ところが、ここではこれら両方の意味を"farm"で表してしまっているので、訳も入り乱れています。ご容赦くださいませ。
Miffy: I could be a farmer that grows crops.(私、作物を育てる農場主になろうかな。)
Farmer: Tell you what. I might have something here to get you started.
(いいことを教えてあげよう。ここにある何かを使って、(農場を)始められるかもしれないよ。)
Miffy: Oh…(うーん…)
Farmer: Don't worry, Miffy. Sometimes the biggest farm start by planting a tiniest seed.
(心配いらないよ、ミッフィー。巨大な農場が、小さな種ひとつから始まることもあるんだから。)
Miffy: Thank you, Mr. Farmer. Come on, Daddy, come on! I'm going to be a farmer too!
(ありがとう、牧場のおじさん。パパ、早く来て! 私も農場主になるのよ!)
農場のおじさんの"Tell you what."というのは、
"I'll tell you what I think/suggest."
が省略された形。「これから、いいことを教えてあげよう」というときに口語でよく使われるフレーズです。
また、その直後の"I might have something here to get you started."は少し複雑な文なので、分解して考えてみましょう。
"I might have"は「私は持っているかもしれない」。
"get you started"は、「君に始めさせる」。
get+人+形容詞(また動詞の過去分詞)…「人を〜の状態にする」
という構文ですね。
※余談ですが、辞書に載っていた例文も一つ引用しておきます。
She got everyone excited. (彼女はすべての人を興奮させた。)
このgetの使い方、とても重要なのですが、学校ではあまり習わないような気がしますね。
何を始めるのか? が省略されていますが、話の流れから「農業を」となるわけですね。
で、上の文を直訳すると「私はここに、君に農業を始めさせるための何かを持っているかもしれない」となります。
おじさんが取り出したのは、植物の種。この種一つで、農場を始められるかもしれないよ…と言っているのですね。
また、ここで"farmer"という語がたくさん出てきています。一般的には「農家」と訳すべきところなのでしょうが、ミッフィーが目指すのは牧場も兼ねるような大きな農場なので、ここでは多少不自然ながら「農場主」と訳すことにいたしました。
さて、意気揚々と家に帰り、さっそく種を植えるミッフィー。歌を歌いながら作業していきますよ。
Dig, dig, dig, I'm planting a seed(掘って、掘って、掘って、種を植えよう)
Dig, dig, dig with everything I need(掘って、掘って、掘って、必要なことを全てやろう)
Pat, pat, pat it, pat it with my hands(トントン、トントン、両手で叩いて)
Pat, pat, pat and water from the can!(トントン、そして、じょうろで水をあげよう!)
各行の最後を見ると、seed/need、hands/canと脚韻を踏んでいることがわかります。
"can"というのは「缶」の意味だとばかり思っていましたが、「液体を入れる取っ手つきの缶」を広く指す語であり、じょうろのことも"watering can"と呼ぶのだそうですよ。
さて、そこに友だちのメラニーとグランティが登場します。
Grunty: Hello, Miffy.(こんにちは、ミッフィー。)
Melanie: Hi, Miffy. Where have you been?(こんにちは、ミッフィー。どこに行っていたの?)
Miffy: Hi, Grunty, hi, Melanie. I've been to the farm. And now I'm going to a farmer too. Look! I planted a seed.
(グランティ、メラニー、こんにちは。牧場に行っていたのよ。それで、私もこれから農場主になるの。見て! 種を植えたのよ。)
Melanie: I can't see anything.(何も見えない。)
Miffy: Well, it takes time to grow. Come back tomorrow and we'll see. I'll have the best crops ever! Come on, you two, race you!
(そうね、育つには時間がかかるの。明日来ればわかるわ。史上最高の作物が獲れるはず! さあ二人とも、競争よ!)
Melanie&Grunty: Coming!(今行く!)
"take"という動詞には「(時間が)かかる」という意味があるので、"it takes time"で「時間がかかる」ということ。
"we'll see"の"see"は、ここでは「わかる、理解する」ということ。明日見てみれば、きっと成長しているのがわかるはずよ…ということですね。ちなみに、けんかして「今に見てろよ、こんちくしょう!」というときに"You'll see!"と言ったりもしますね。
最後にミッフィーが言った"Race you!"は、「競争しよう!」というときの決まり文句です。
そして次の日。畑からは、まだ何も芽生えていません(そりゃそうだ)。
Melanie: Hm, you said your farm will be ready by now, Miffy?
(うーん、あなた、今頃畑が出来ているはずだって言ってなかった、ミッフィー?)
Grunty: Hmm… I still don't see anything. Come on, let's play skipping!
(うーん…まだ何もないみたいね。おいで、縄跳びしよう!)
Miffy: In a minute...(すぐ行く…)
"skipping"というのは"skipping rope"の略で「縄跳び」のこと。
せっかく植えた種が成長してくれないので、ミッフィー、しょげちゃってます。
Narrator: What's the matter, Miffy?(どうしたんだい、ミッフィー?)
Miffy: My seed didn't grow. Maybe I'm not a good farmer after all.
(私の種が育たなかったの。たぶん、結局私はいい農場主じゃなかったってことね。)
Narrator: Well, I think you should give your seed a little bit more time. And maybe a little bit more water?
(ええと、種にはもう少し時間をあげた方がいいんじゃないかな。それと、もう少し水を。)
Miffy: All right, then.(わかったわ。)
Narrator: There, you'll see they grow now. I just know it.
(さあ、これできっと育ってくれるよ。僕にはわかる。)
Miffy: OK.(うん。)
Grunty: Miffy! Are you going to play, Miffy?(ミッフィー! 遊ばないの?)
Miffy: Coming!(今行く!)
いつになく諦めの早いミッフィーですが、ここでナレーション氏がいい仕事をしてくれていますね。
"I just know it."は「推論なんかでなく、そうなることってが僕にはわかる」という強い確信を表すフレーズです。日本語吹き替えでは櫻井孝宏氏が演じているだけあって(?)、イケメンなナレーションですね〜。
元気を取り戻し、諦めずに世話を続けることにしたミッフィー。そしてついに、小さな芽が顔を出します。
Miffy: Yes!(やった!)
来る日も来る日も、甲斐甲斐しく畑仕事を続けるミッフィー。芽は双葉になり、茎が伸びて、とうとう立派なひまわりが咲き誇りました。
Father: Oh, well done, farmer Miffy!(おお、よくやったね、農場主のミッフィー!)
Grunty: Wow! How did it get so big?(わあ! どうやってこんなに大きくなったの?)
Miffy: A little bit of time and a lot of watering.(少しの時間と、たくさんの水ね。)
Melanie: I could never grow sunflowers as big as yours, Miffy.
(こんなに大きなヒマワリ、私には育てられないでしょうね、ミッフィー。)
Miffy: Yes, you could. Daddy, lift me up and I'll pick some new seeds. Now, it's your turn to be farmers.
(できるわ。パパ、私を持ち上げて。新しい種を採るから。さあ、こんどはあなた達が農場主になる番よ。)
Grunty: Wow, thanks, Miffy.(わあ、ありがとう、ミッフィー。)
Melanie: Come on, Grunty. Let's go and grow them.(おいで、グランティ。この種を育てよう!)
Grunty: Let's go!(行きましょう!))
パパや友だちに褒められて、得意げなミッフィーです。
メラニーとグランティも、新しい種をもらって嬉しそう。
Father: Well, you make a great farmer, Miffy.(うーん、君は素晴らしい農場主だね、ミッフィー。)
Miffy: So, now can I have some farm animals too? Some cows and maybe some little chicks?
(じゃあ、もう牧場の動物達を飼ってもいい? 牛と、小さなヒヨコたちはどう?)
Father: Ah, chicks? No, no thank you. I think you could have some a cow to look after though. Moo!
(あー、ヒヨコ? いや、遠慮しておくよ。でも、牛の世話をするのはいいんじゃないかな。モー!)
Miffy: Moo! Come on, Daddy cow, this way!(モー! パパ、こっちよ!)
パパの"You make a great farmer."ですが、"make"という動詞には「作る」のほかに「(発達・訓練の結果)〜になる」という意味もあるのですね。
牧場を作るという壮大な夢には反対しないパパですが、なぜかヒヨコだけはやめて欲しいそうです。本当になんでなんだろう…(笑)。
最後は親子で牛のモノマネ、ほっこり和んで、おしまい。
さて、次回はまた「ミッフィー」になるかな?
年の瀬も迫ってまいりましたので、来週あたりからまた身の周りが慌ただしくなるかもしれません。
ま、いつものように、マイペースで進めてまいります。また近いうちにお会いしましょう〜。