大腸の内視鏡検査を受けてきました。
こんにちは。
これまでの記事でも少し触れたのですが、先日、大腸の内視鏡検査を受けてまいりました。
なんでかっていうと、健康診断で引っ掛かったからです。夏に健診を受け、結果をもらって受診→精密検査という流れの中で、帰省やら子どもの預け先探しやら色々あって冬までかかってしまいましたが、ようやく終わって少しホッとしています。
というわけで、今日はいつもの語学や育児の話題はお休み。
「育休中の30代教員女子が大腸内視鏡検査を受けた結果www(画像アリ)」
をお送りしたいと思います。
こんな内容のことを書くのは初めてですので、当ブログに急遽「医療・健康」というカテゴリを創設いたしましたが、今後もこのカテゴリを活用していくかどうかは大いに疑問でございます(だって語学と育児のブログだしね)。
しかし、まあ自分の大腸の中を見られるなんてそうそう得られる体験ではありませんし、数日がかりの事前準備や当日の流れなど、押さえておくべきことも色々とありましたので、もしかしたらどこかの誰かにこの情報を役立てていただけることもあるかなと思い、ブログにまとめることにしました。
というわけで、いつもの語学オタク的記事を期待して開いてくださった方は、ごめんなさい。
今回は、大腸と、うんちのことしか書きません。
お食事中の方は是非、食べ終わってからお読みいただくことをお勧めいたします。
うんちの話題なんてイヤだという方は、速やかにブラウザの「戻る」ボタンをお押しくださいませ。
さて、これだけ言えば、もう大丈夫だろう。
かなり詳しく赤裸々に書こうと思いますので、ご覚悟くださいね。
長くなりますので、目次にまとめました。お好きなところからお楽しみくださいませ。
- プロローグ 〜あの夏の日の健康診断〜
- とりあえず、受診 〜娘をどこへ預けよう〜
- 検査2日前と前日 〜嗚呼、哀しみの検査食〜
- 検査当日、午前 〜若いって、すばらしい!?〜
- 検査本番 〜まさかのOJT〜
- まとめ 〜元気なお腹に感謝して〜
プロローグ 〜あの夏の日の健康診断〜
昨年夏のある日、いつものように穏やかな育休ライフ(2年目)を満喫している私のところに、1本の電話が入りました。番号は勤務校のもの。
「まさか、1年越しの引き継ぎ不備…?? ひょっとして、実はもう育休終わってて、今日から勤務ってことになってたりして…」
いつになっても、勤務校から電話があるとビクビクしちゃうものです(しちゃいませんか? そうですか…)。
電話は、養護(保健室)の先生からでした。
「マミ先生、今年の健康診断どうします?」
「…え?」
ポカーンとしちゃう私。
「健康診断、私、受けれるんですか!?!?!?」
知らなかった。
だって、おタマを出産したのは去年(現在からすると一昨年)の夏。健診が実施される期間中が見事に出産前後とかぶっており、おそらく健診どころじゃないから知らせがこなかったのでしょうが、このときになるまでこの事実を知らずに「いま病気になったらどうしようかしら…」なんて思っておりました。
3年間の育休中でも、健康診断はタダで受けられるんだ!
ブラック長時間労働問題のせいで、教員の仕事なんてキツいばっかりだと思っていましたが、こういう待遇はやはり手厚いですね。ちなみに、健康保険料の支払いも育休中は免除されますが、保険証はバッチリずっと有効でございます(だから健康診断も受けられるというわけ)。ありがたいことだなあ。
日頃から自分の健康状態にはわりと関心の高い私、二つ返事で「受けます!!!」とお伝えし、スキップしながら健診会場へ向かいました。
※このとき、「大腸検診」と「女性検診(子宮頸がんと乳がん)」は任意となっていましたが、せっかくタダなんだから、受けられるものは全部受けちゃおうということになりました。
検尿と2日分の検便を提出し、血液検査、胸部X線、胃部X線(バリウム飲んで機械にはりつけられ、タイムショックみたいにくるくる回転させられるやつ)などひとおおり検査を受け終わったのが、夏の終わり。
一ヵ月ほどして、また養護の先生から「健診結果がでたので、いつでも取りに来てくださいねー」とお電話がありました。いつも御丁寧にありがとうございます。
しかし、健診を受けてすっかり安心してしまった私、おタマとのめくるめく育児ライフに没頭するあまり、そのことを晩秋になるまですっかり忘れておりました(バカ!!)。
で、思い出したのは11月。職員写真撮影(育休中でも入れてもらえました〜)のためおタマをくっつけてヘラヘラと登校した私、すぐさま養護の先生に捕獲され、無事に健診結果を手に入れることができたのでした(本当に、お手数をおかけしてすみませんでした…)。
まあ、なんだかんだ言っても私すごい元気だし、どうせ問題なしなんだろうな。
そう高をくくりつつ結果を読んでいきます。
血液、肝機能、血圧も問題なし、むしろ馬車馬のように働かされていた2年前より健康体になっているもよう。
さてさて、大腸は…。
ちょっと! 赤で書かないでよ!
怖いじゃないのッ!!
はい、大腸の項目が見事に引っ掛かっておりました。
同封されていた書類には、「検査結果に異常が認められますので、医療機関を必ずご受診ください」との旨が書かれていました。
なんだか、仰々しいことになってきましたねえ…。
で、会社から帰ってきた夫・ナコ太氏にさっそく「健康診断で引っ掛かったったwww」と報告(←不謹慎…)。
すると、たちまち真っ青になって心配するナコ太氏。何を隠そう、彼は「全宇宙心配性選手権」みたいなものが開催されれば、準優勝くらいはしちゃうんじゃなかろうかと私が踏んでいるくらいの心配性なのです。
彼は目にも留まらぬ早さでパソコンを開き、「健康診断 大腸 精密検査」と検索バーに入力し、私の代わりに色々と調べてくれました。夫が心配性だと、こういうとき楽ちんだなあ。
ナコ太さんが調べてくれたことをまとめると、
- 大腸検査では、大腸がんやポリープ、大腸炎などの有無を調べることができる
- 提出された便に血が混じっているときは「便潜血」といい、上の病気である可能性があり「要精密検査」となることが多い。
- しかしながら、痔であったり、女性ならば月経血が混じっていた場合にも引っ掛かることになるため、実際に上の病気である可能性は低く、精密検査を受ける人の割合も低い。
- 精密検査には内視鏡検査などがあるが、受ける前に腸を空っぽにするために食事制限をしたり下剤を飲んだりせねばならず、時間的にも身体的にも負担が大きい。
とのことでした。ありがとう、ナコ太さん。
ふむふむ、まあ精密検査を受けるほどではないと考える人が多いんだな。
しかし、私は育休中の身。おタマをどこに預けるかという問題はありつつも、時間的には自由のきく身分ですし、「要精密検査」とまで言われて放置しておいては健康診断を受けた意味がないような気もします。
それに加え、私はガンの家系に産まれていて、父親と祖母をガンで亡くしています。医療保険には興味がありませんが、たぶん自分もいずれガンになるんだろうなと日頃から考え、ガン保険にだけは加入しているくらいです。
ここで、低い確率であれ、もしガンなどの病気が見つかればラッキー。自覚症状がないうちに早期治療をすることができます。
しかも内視鏡って、自分の腸の中をダイレクトに見られるわけでしょう? 食事制限があれば、ダイエットにもなるかもしれないし。一度お腹を空っぽにしてうんちを出しきってしまうなら、お肌にだって絶対いいはず。
きっと、色んな意味で得難い経験になる。
というわけで、まじめな動機と不純な動機が複雑に絡み合った結果、内視鏡検査を受けることを決断いたしました。
とりあえず、受診 〜娘をどこへ預けよう〜
健診結果票には、「要精密検査となられた方へ」と書かれた紙と、市内で精密検査を受けることのできる病院のリストが添えられていました。どこまでも御親切に、ありがとうございます。
ひとまず、地元でもない場所で病院の善し悪しもわかりませんので、いちばん大きそうな総合病院を選び、電話で検査までの流れを聞いてみました。
説明していただいたことをまとめると、
「とりあえず外来で受診してください。初診の方は紹介状がないと受診できませんが、健康診断の精密検査は紹介状を持っているのと同じ扱いになります。このときに検査の説明を受け、別日程で検査を受けることになります」
とのことでした。
なんか、検査に辿り着くまでに何段階もありそうだな…。
とりあえず、受診する日と検査を受ける日、2回おタマをどこかに預けなきゃならないわけだ。
我が家は夫婦とも実家が遠方のため、自分たちの親に預けるという選択肢は存在せず、保育園の一時保育を利用することになりそうです。
この一時保育、私はときどき自分の自由時間を確保するために利用していますが、いつも予約がいっぱいで「空いている日、数時間でいいので入れてください」と言ってねじ込んでもらっています。
今回も、検査の日を少し先にしてもらったり、保育園の予約開始日、いの一番に電話したりと気合いを入れましたが…。
なんと、一時保育!
予約することができませんでした!!
さすが、待機児童大国、ニッポン!!
予約開始日(毎月ついたち)に、次の月の予約を真っ先にお願いしても、利用できないとは! たまげたもんです。
しかも、断りの電話を入れられたのは、その月の終わり頃…。他の保育園はもういっぱいです。
「保育園落ちた日本(以下略)」の言い回しを使いたくなるのも、なんか、わかっちゃう気がするなあ。
まあ私も、いつも利用している保育園に電話しただけ(だって予約取れると思ったんだもの…)で、市内の保育園に片っ端から電話をかけたりはしていないので、仕方ないと言えばそれまでですが…。
もう少し、なんとかならないかなあ。と思ってしまいました。
※当たり前ですが、保育士さん方への恨み言ではありませんよ! ギリギリの体制でいつも回さなきゃならないほどに逼迫する保育の現状、改善されることを願ってやみません。。。
ま、無理なものは、ごねても仕方ありませんね。
ここは潔く(?)、ナコ太さんに有給休暇をとってもらうことにしました。
こういうときに「いいよー」と休暇願をすぐ出してくれるナコ太さんも、二つ返事で受理してくれる会社も、とってもステキです。いつもお世話になっております。
というわけで、受診。
大きな病院なので、初診受付から内科受診、検査説明、下剤や検査食を手に入れるといった流れを終えるまでに4時間かかりました。うち3時間半くらいは待ち時間でした。
が、事前に「きっとたくさん待つことになるんだろうな…」と思い、ロシア語や英語やスペイン語の雑誌、教科書、Kindleなどあらゆる教材をモリモリ持ち込んでおりましたので、待ち時間はずっと勉強していました。ええ、たいそうはかどりましたとも。こういうとき、読書や勉強を趣味にしていると、待ち時間が苦にならなくてステキです。
内科を受診した際には、お医者様と話をすることになるんですが、だいたい事前に調べたこと(上に箇条書きにしたこと)以上の情報はありませんでした。持病はあるのかとか、服用している薬はあるか、前にも同じ検査で引っ掛かったことはあるかなど訊かれました。検査の日程もこのとき決めました(わりと自由に選ばせてもらえましたよ)。
続いて、看護師さんより検査の説明。
検査2日前の夜から、下剤を飲み始めること。
検査前日は、売店で販売されている「検査食」を食べること。(これについては後述)
当日は朝から絶飲食。朝いちばんに来院し、午前中は下剤を飲むなどの準備をし、午後から検査。1日中かかることもあり、身体の負担もあるので、その日のスケジュールは空けておくこと。
だいたい、こんなかんじでした。
アイテム「検査食」と「下剤」を入手し、この日は帰宅。
時間は進み、いよいよ検査です。
(ここまで、長い前置きでございました…)
検査2日前と前日 〜嗚呼、哀しみの検査食〜
検査2日前になりました。
この日は飲食は自由ですが、夜9時に下剤を飲むよう指示されています。
下剤、こんなのです。甘くてトロっとしていました。
あまり下剤経験(?)が豊富ではないので何とも言えませんが、「飲んですぐお腹がゴロゴロピーになる」ことを想像していたものの、そこまで効力は強くありませんでした。
夜中にちょっと、お腹、ゆるくなりましたけれども。
そして、検査前日。
この日は、病院で買った検査食意外は食べてはいけないことになっています。
大腸内視鏡検査専用検査食。
その名も、「ダルムスペースファイン」。
必殺技みたいですね。
おねだんは、1600円くらい。もちろん自費です。
大腸内視鏡検査に向けて、消化によい食事が、3食分レトルトで納められています。
献立は、こちら。
この「ダルムスペース」シリーズ、調べてみると色々種類があるようだったのですが、私はなぜかこの「ファイン」を買うよう指定されていました。
この献立を見て「けっこうたくさん食べれるんだな…」と思うか、「す…少ないっっ」と思うかは、日頃の食生活と食欲しだいでしょうねー。
私は後者でした。
何しろ、我が家は3人揃って(1歳の娘も)大食い家族。
(このあたりの事情については、こちらの記事をどうぞ…って、これ娘が下痢になった時の記事だわ。定期的にうんちの話してる、私…)
私の日常における至上の喜び、それは、食。
そんな私にとって、特に昼食の「クラッカーとミネストローネだけ」というのは、なかなか堪えるものがありました。
しかし、文句を言っても仕方あるまい。こんなふうに「食べてもいいもの」が清潔にパッケージされて売られていること自体、たいそうありがたいことなのですから。これがなかったら、ひょっとして「前日から絶食」なんてことになったかも知れませんものね(専門知識がないのでわかりませんが…)。つくづく医療環境の整った国に住んでいるものだなあ、と思いましたよ。
ちなみに、飲み物は自由に飲んでもいいそうですが、乳製品はダメとのこと。コーヒーや紅茶、スポーツドリンクはOK。ミルクは入れられないけれど、砂糖なら入れてもいいそうです(アメもOKだそうですよ〜)。
でも私は、砂糖入りの紅茶なんかガバガバ飲むと余計になんか食べたくなっちゃいそうなので、ほどほどにしておきました。
ただ、この前の日から飲んでいる下剤がこの時ゆるゆると効いてきていて、既にトイレに行く頻度がかなり多くなっていました。食べるそばから出てしまっているような感じもします。まあ実際にはもちろん、食べてから消化し終わるまでにタイムラグがあるのでしょうが。
それにつけても、この飢餓感…。
飽食の時代、豊かな日本に住んでいて「お腹が減って辛い」などということは滅多にない暮らしのなかで、不謹慎かもしれないけれど、ときどきはこういう思いをしておくのもいいかもしれない…と少し思いました。世界には、日常的にこういう思いをして、私たちより(それこそ今日の検査食なんかよりもずっと)少ない食糧で日々を生きている人もたくさんいるんだろうなあ…と。
1日3回、お腹いっぱいごはんが食べられる生活。小腹が空いたら、ちょっとお菓子をつまんだりできる生活。それって、どれだけ幸福なものかと。
少しだけ実感いたしました。
さて、食事制限ごときで甘ったれたことを申しておりますが…。
あんまり夜更かしするとお腹も空くし、この日は早めに床に就くことにしました。寝る前に昨日と同じ下剤を服用します。
普段は、まだ時々夜泣きをするおタマと私が一緒に寝て、ナコ太さんは別室なのですが、この日はナコ太さんがおタマの部屋で眠ってくれましたよ。
で、私は夜中に何度も起きて、下剤の効果を実感しながらお手洗いと寝室の間を往復する夜でありました。
検査当日、午前 〜若いって、すばらしい!?〜
さてさて、ついに検査当日です。
この日は食べ物はもちろん、飲み物を飲むのも禁止。朝いちばん(診療受付開始時刻)に病院へ集合とのこと。
あ、その前に「飲み物を1リットル用意して来るように」と指示があったので、コンビニに寄ってお茶と水を買ってから向かいます。
病院に着くと、通されたのは待合室のような部屋。既に何人もの人が集まっていて、席に着いて待つように指示されます。
「全員揃いましたら、説明を始めますのでー」
おお、なるほど。本日、大腸内視鏡検査を受けるメンバーが、ここで一同に会するわけだな。
なんとなく互いの様子を伺うような、そわそわした空気が漂っています。「みんな下剤飲んで来てるんだよなぁ…」などと余計なことを考えるのはやめよう。
集まった顔ぶれを見てみると、ご高齢の方が多くって、なんだか場違いなかんじ…。
席に着くと、机の上には巨大な透明の袋に入った液体。と、紙コップ。どちらも人数分、用意されています。
すぐにピンと来ました。
「ああ…これを飲まなきゃなんないんだろうなぁ…」
説明の紙には、「2時間かけて腸管洗浄剤を2リットル飲みます」とあります。
腸管洗浄剤、つまり下剤です。(画像つきで説明しているサイトを見つけました→こちら)
そんなにたくさん、飲めるもんかしら…? とドキドキしながら、説明を待ちます。
(注:ネットで調べてみると、この「腸管洗浄剤を飲んでお腹をきれいにする」段階まで、家でやってくるように指示されるケースも多いようです。)
ほどなくして検査を受けるメンバー全員が揃い、看護師さんによる説明が始まります。
しかし、、、ほんとにご高齢の方ばかりだわ。10人以上いましたが、見たところ30代前半の私が最年少…というか、おそらく40代の人もいないような様子。やっぱり働く世代の人は、こういう時間も労力もとられる検査は敬遠しちゃうんだろうな。受けとくに越したことはないんだけどな。
と、ごちゃごちゃ考えている私を尻目に、説明が始まります。
まず、目盛りつきの紙コップに腸管洗浄剤を250cc注いで、ゆっくり飲みます。15分経ったらまた250cc。そんな調子で、1時間かけて1リットルを飲みきります。で、その合間に、持ってきた水分を500cc必ず飲むこと。腸管洗浄剤の水分は腸に吸収されず、そのままお尻から出てきてしまうので、脱水症状になるのを防ぐためだそうです。
飲んだら、なるべく腸を動かすために、運動すること。病院内を自由に歩き回っても構わないとのことでした。
で、この部屋を出たらお手洗いの個室がたくさんあるので(大腸内視鏡検査のためにあるトイレ達…)、便意を感じたらどんどん出していくこと。
何度も出していくうちに、どんどんうんちが透明になっていくので、完全に透き通ったら看護師さんを呼んで検査着に着替えること。
腸管洗浄剤は2リットルありますが、1リットル飲んだ時点で一旦区切りをつけ、続けるかどうか判断します。それ以上飲む必要がないことも多いそうです。
説明が終わったので、さっそく腸管洗浄剤を飲んでいきます。うーん…ポカリスエットに塩をざばっと溶かしたような味。美味しくはないですが、まずくて飲めないほどでもありません。
しょっぱいので、持ってきたお茶がぐいぐい飲めます。でもペース配分があるので、飲み過ぎないように気をつけて…。
飲む合間の時間に、病院の中を散策したり(大きい病院なので売店や食堂を冷やかすだけでも楽しい)、持ってきたロシア語の教材で勉強したり。
腸管洗浄剤、飲んですぐ効いてくるかんじかと思いきや、最初の40分くらいは特に何も起こりませんでした。
4杯目を飲んだあたりで、お腹がなんだかムズムズ…。下痢をしたときのように痛むのではなく、「うーん…出そう?」というかんじ。
お手洗いに行くと、ふつうに軟便が出ました。
これを皮切りに、5分くらいおきにお手洗いに行きたい感覚に襲われ、お腹の中身をどんどん出していく段階に入りました。
おお、これは気持ちいい。怖れていたような「ずっとお腹をくだしている感じ」では全くなく、ただただおもしろいようにお腹の中身がジャバジャバと排出されていきます。説明通り、最初は「便」というかんじだったのがどんどん透き通っていって、最後には完全に水分だけが出て、食べ物のカスは全く出てこない状態になりました。
これなら大丈夫かな…と看護師さんを呼び、トイレの中身を見てもらいました。
(ほとんど水分とはいえ、他人のうんちを日々確認しなきゃいけないお仕事って、ほんとに大変だろうなぁ…)
OKがもらえましたので、用意されていた検査着に着替え、これまでと同じ部屋で待ちます。腸管洗浄剤は、結局1リットル飲んだだけでした。
若さからか、どうやらOKが出たのは私が一番乗りだったようです。私だけ検査着で席に着いているのも、なんだか気恥ずかしいというか…いや、恥ずかしがる必要は全くないんだけれども…(笑)。
隣のマダムが「まあ、あなたもう合格したの? すごいわねえ」と褒めてくださり、何と返したものやらわからず「いやあ、えへへ…」と微妙な笑みを浮かべる私なのでした。
検査本番 〜まさかのOJT〜
さて、しばらく待ち時間があり、ようやく検査となりました。
検査室に入り、用意されていたパンツに穿きかえます。お尻がパカっと開けられるようになっている、専用の紙パンツ。こんなのあるんだなあ。
で、担当のお医者様とご対面。私と同世代くらいの兄ちゃんでした。うーん、やっぱりちょっと恥ずかしい。
とか思いつつ指示通りベッドに横たわっていたら、奥から更にもう一人、お医者様らしき人影が…?
「僕が検査を担当させていただきます。よろしくお願いします」
わ…若い!
まぶしい!!
大学を出たばかりのような、ピッカピカの新人さんではありませんか!!!
いや、この時点ではまだ新人さんかどうかなんて、ハッキリしないんですけどね…。
横向きに寝転がった私のお尻から内視鏡の管を入れ、お腹の中をぐりぐり探りながら奥へ進んでいく手つきがですね…。なんとも、たどたどしいというか…。
そして「うーん、進まないなあ。ちょっと引っ込めてみて」やら「ここはこういうふうに(身振り)」などなど、先輩(さっきの同世代さん)からのアドバイスがちょいちょい飛んできているあたり…。
私…新人さんの練習台にされている…??
(たぶん、今日いち若い、活きのいい患者だから…???)
これはつまり、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、略してOJTというやつなのでは…???
いやいや、いいんですよ。どんな名医にだって、駆け出しの時代はあったでしょうし。
教師だって、最初からぶっつけ本番で授業しなきゃならないわけだし。誰にでも「最初」はあるでしょう。
だから私、心の中で、一生懸命応援しましたよ。
大腸って、小腸のまわりをぐるーっと巡っているわけで、内視鏡を入れるにあたって幾つか「曲がり角」があるわけなんですね。で、たぶん、その曲がり角をうまーく曲がっていくために、熟練の技が必要なんでしょうね、きっと。
そして曲がり角を曲がるときに、ボコっと大腸の壁にぶつかって、うまく進めなかったりするんですよね。うーん、ぐりぐり、ボコボコ。私は横向きに寝転がっているわけなんですが、お腹の内側から内視鏡がボコボコ蹴ってくるのがわかって、なんだかもう…。
胎動を思い出しました。
あっあっ、蹴ってる!
おタマがお腹にいたときの! あの感じ!!
懐かしい〜♪
なんて思いながら、「がんばれ! 新人さん、がんばれ!」って、心の中で応援してました。
「ずいぶん余裕やな」と思われるかもしれませんが、これ、余裕なんてありませんよ。
痛いですよ。尻の穴から管入れられて、腹を内側からグリグリされてんですから。
吐き気もこみあげてきますよ。脂汗ダラダラですよ。
(これは医師の熟練度には関係ないのかもしれません…)
ただ、出産を経験していたことは、良かったかもしれません。
お腹の内側で何物(者)かが暴れている状態に既視感というか、親近感を覚えて、心に余裕が少しできたように思いますので(ま、こちらの心に余裕があろうがなかろうが、検査は進んでいきますが)。
検査の途中からは、横向きから仰向けになり、私も内視鏡の映像を一緒に見ることができました。内視鏡はどうやら難所を越えたようで、私も安らかな気持ちになっています。
大腸の中って、ピンク色で、ツヤツヤしています。
そうか、絨毛があるのは小腸だから…。大腸の中はこんなにツルツルなのかー。けっこう、きれいだなあ。なんだか一安心です。
内視鏡、最後の曲がり角(?)でまた作業が難航したようですが、「ここからは代わりますねー」と先輩にバトンタッチするが早いか、ものすごい勢いでカメラがぐいぐいと進んでいきます。そりゃもう、さっきの5倍速くらいです。やっぱり、経験値で差が出るのかしら…。
小腸の入り口までたどり着いたところで、引き返しながら大腸の隅々まで見ていきます。ぷーっと空気を入れて、風船みたいに膨らませてから観察していきますよー。
この「大腸に空気が入る感じ」って、まさにオナラをするときの感覚と同じなので、下手をすると穴からプス〜っと出してしまいそうで気が抜けません(いや、出してもいいんでしょうけれど…)。
ひとしきり大腸の様子を観察し、変わらずツヤツヤピンクの光景が続く中、スルスルと内視鏡は元来た道を戻っていきます。
最後にお尻からポンと出て、無事に検査は終了となりました。
素人目で見たかんじ、何も異常はないような気がしたけど、どうだったんだろう…。
と思っていたら、先輩医師の方から、こんなコメントが。
「軽い痔ですねー」
は…はい。
何事もなくて良かったです☆
こんなオチがついて、おしまい、となりました。
時刻は11時30分。下剤を飲む時間が短く済んだので、思ったよりも早い解散でした。
検査が終わってすぐは、お腹が張っているかんじ(空気をたっぷり入れたので)と、さっきグリグリされたときの吐き気がまだ残っていて、ちょっとグッタリしていました。立って歩いたり着替えたりすることはできたのですが、「少し休んでいかれますか?」との看護師さんのお言葉に甘え、回復室でしばらく横になることにしました。
何しろお腹に残っている空気が、気を抜くとプス〜、プス〜と出てきて、こんな状態で外を歩くわけにはいきません。ベッドに転がりながら少しずつ、音が出ないように気をつけて(笑)ガスを出していきつつ、吐き気が遠のくのを待ちました。元々そこまでダメージが大きかったわけでもないので、10分も休めばすっかり回復し、お会計を済ませに行くことができました。
費用は、健康保険適用の3割負担で5000円台でしたよ。
健康診断で必須の項目なら、精密検査の費用も出してもらえることが多いのでしょうが、大腸は上にも書いたとおり任意の検査なので、自己負担となりました。
この日、実はナコ太さんが「検査のあと回復が遅いかもしれないから…」と心配して車で送り迎えをしてくれたのですが、検査後に自分で運転するのも全く問題ないくらいでした(まあ自分で運転して来る人も多いでしょうしね)。
ただ、しばらくはガスと下剤がお腹に残っていて、トイレにも何度も行くことになりましたけれど。
事前にもらった説明書きには「検査後、2時間は飲食禁止」と書かれていたのですが、検査のあと特に何も言われなかったので、紅茶をゆっくり飲んだりして少しリラックスしました。
いちおう昼食は2時間経ってから、軽めのおそばを食べることにしましたが、食べ始めてしばらくするとお腹が「ぎゅるぎゅる、ぐぎゅるるーん」とフル稼働! きっと久々の食べ物に胃腸がビックリしたんでしょうねー。でもお腹が痛くなったりすることはなく、元気に活動を再開してくれたようでした。
まとめ 〜元気なお腹に感謝して〜
さて、ここまで詳しく振り返ってきました。
終わってみて感じたことを、ざっくりと箇条書きにします。
- お腹の中がすっきりキレイになって、気持ちいい。腸管洗浄剤、おうち用に欲しいくらい(ダメかなぁ)。
- デトックスの効果か、食事制限が良かったのか、ほんのちょっと痩せました。正月太りしていただけに、これは嬉しい。
- その後のお通じも、なんだか前より好調。
- 受けてみて、大きな病気も何もないことがわかって安心。やっぱり受けてよかった。
- 若手医師の経験値を積むお手伝いもできてよかった。これからもがんばってください。
受けない人が多いというこの大腸内視鏡検査ですが、年齢が若かろうが仕事が忙しかろうが、病気の可能性がゼロになるわけではありません。病気は早期発見・早期治療が要! 食事制限と検査というたった数日間の労力を惜しんだために、病気の発見が遅れてもっと辛い思いをするようなことがあってはなりません。
それに、こんなに医療環境が整っていて、低コストで高精度な検査を受けることができる日本は、やはり恵まれていると思います。病院での対応もとても親切で丁寧でした。大腸内視鏡検査に限らず、必要な検査はどんどん受けなきゃ損ですよ!
というわけで、当ブログ始まって以来の長大な記事(12000字超え!)となりましたが、少しでもどこかの誰かの役に立てれば…と思って書いてまいりました。
いつもの当ブログ読者様が、こんな長い記事を最後まで読んでくださっているかはわかりませんが…。
え、読んでくださいましたか!? わお! ありがとうございます!! うんちの話ばっかりで、どうもすみません(でも予告したもんね)。
では次回予告です。
次はまたまた「ミッフィー」英語ディクテーション、今週分をお送りしたあと、今度こそ「チェブラーシカ」ロシア語解説を再開したいと思っております。
今度は! 予告倒れにならないように! がんばりますよ!!
では、また近いうちにお会いしましょう。