かあさんは雨女

語学と育児、その他いろいろ。

「ミッフィーのぼうけん」で英語リスニング&ディクテーション! 3月3日放送「ミッフィーとおそらのくも」

こんにちは。語学大好きかあさん、マミです。

 

 2歳6ヶ月になった娘・おタマ、いよいよ母語の習得も佳境に入ってまいりまして、私が小言を言うと何かしら言い返すようになってきましたよ。

 

先日はティッシュを延々と出して遊んでいたおタマを「もったいないよ!」と叱ると、

「もったい、ある!!」

と力強く反論してきました。

 

他にも、遊んでいたおもちゃを「もう、おしまい」と片付けはじめると

「おしまいく、ない!!」

とプンスカ怒りながら言ってきたり。

 

何かしら私の言葉を否定形にしようと考えに考えて言葉をひねり出し、果敢にトライ&エラーを繰り返して日本語を身につけていく姿勢には感服しきりでございます。

 

しかし、こうやって子どもが四苦八苦しながら母語を獲得していくさまを観察するにつけ、

「聞き流すだけで英語をマスター!」

「たった◯◯日で英語がペラペラに!」

みたいな英語教材の売り文句が、いかに空虚なものかがわかりますね。

(まあ英語に限ったことではないのですが、日本には英語教材の数が圧倒的に多いので…。)

 

言語習得とは、それこそ子どもが母語を獲得するプロセスのように、周りの大人(話者)たちの言葉のシャワーを浴びて浴びて浴びまくり、そうして聴いた内容をもとにしゃべってしゃべってしゃべりまくって、犯した間違いを大人(話者)に笑われたり訂正されたりブログのネタにされたりしながら、それでもひたすら間違えまくることで少しずつ軌道修正し、何年もかけてやっと一人前に話せるようになるものですよね。

 

第二言語以降の言語習得も、同じように一朝一夕に果たせるものではなく、何年も何十年もかけた年月の分だけ果てしなくレベルアップしていくものなんですよ。「たった1ヵ月で英語ペラペラになろう」なんて魂胆で身に着けた英語は、それなりに使える場面もなくはないでしょうけれど、たった1ヵ月分の薄っぺらでペラペラなものでしかないわけで。

言葉の力を分厚くしていくためには、とにかく「読む」「聴く」「話す」「書く」経験とトライ&エラーを膨大に積み重ねていくしかないんですよね。

 

と、子どもを産む前にもなんとなくそのように思ってはいたのですが(大学で言語学専攻したしね)、娘の母語獲得の様子を目の当たりにして、その思いを強くした私なのでした。

 

さて、そんな私が第二(英語)・第三(ロシア語)・第四(スペイン語)言語習得をがんばるブログ。(いつも前置きが長い☆)

英語学習歴は20年以上になりますが、まだまだやること、覚えることがたくさん!

というわけで、毎週恒例企画「ミッフィーのぼうけん」英語ディクテーションで、今日も英語の経験値を積み上げてまいります〜。

 

※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。

英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜

 

Miffy and the Cloudsミッフィーとおそらのくも)

 

Miffy: Grandma, are you still asleep? Are you awake?
(おばあちゃん、まだ寝てるの? 起きてる?)

 

ミッフィーとおばあちゃん、デッキチェアでひなたぼっこをしています。

気持ち良さそうに目を閉じるおばあちゃんですが、ミッフィーはなんだか落ち着かない様子。

"asleep"(眠っている)、"awake"(起きている)はともに、動詞の頭にa-をつけることで形容詞の形になった単語ですね。"alive"(生きている)なんかも同じ形です。

 

Grandma: Yes, Miffy. I'm awake.(ええ、ミッフィー。起きてるわよ。)

Miffy: Me too. I can't sleep!(私も。寝られないの!)

Grandma: You don't have to sleep. You can just rest.
(眠らなくていいのよ。ただ休んでいればいいの。)

Miffy: But I can't get comfy. And the bees are too buzzy.
(でもリラックスできないわ。それにハチがブンブンうるさいし。)

 

"comfy"は"comfortable"の略で「快適な、くつろいだ」という意味の形容詞。

私も、お日様の下で何もせず寝ているのが無上の幸せ…と感じる年頃になってきましたが、ミッフィーみたいにエネルギーの有り余った若者(笑)には退屈なのでしょうね。

ミッフィーは何かして遊びたくて仕方がないようです。

 

Grandma: Then why don't you try watching the clouds, Miffy?
(それじゃあ、雲を見つめてみるのはどう、ミッフィー?)

Miffy: Watching the clouds? Why?(雲を見るの? どうして?)

Grandma: It's my favorite game. It's very relaxing. It might help you rest.
(私の好きなゲームなの。とてもゆったりした気分になるのよ。休む助けになるかも。)

Miffy: A game? I love games! How do we play?(ゲーム? ゲーム大好き! どうやって遊ぶの?)

Grandma: Well, we just lie back, look at the sky, and try to spot shapes in the clouds.
(そうね、ただ仰向けに寝て、空を見て、雲の形を当てようとするの。)

 

"relaxing"は形容詞で「くつろがせる、のんびりさせる」。雲を見る遊びが心を落ち着かせ、くつろいだ気持ちにさせてくれる、というわけです。

"lie back"は「(休むために)仰向けになる、もたれる」という意味のイディオム。

"spot"は色々な意味をもつ動詞ですが、ここでは「見つける、言い当てる」という意味です。スポットライトを当てて、ものの形がハッキリ見えるようにするイメージですね。

 

「ゲーム」と聞いて、がぜんテンションが上がるミッフィー。さっそく雲の形当てに挑戦するようです。

 

Miffy: There's the cloud. That one's shape is like... cloud. Are you sure this is your favorite game, Grandma?
(雲だわ。あの形は…雲みたいな形。これって本当にお気に入りのゲームなの、おばあちゃん?)

Grandma: You just need patience, Miffy. You'll see.
(ただじっと待っていてごらん、ミッフィー。じきにわかるわ。)

 

「雲の形を見ていても、雲にしか見えない!」とミッフィー

"are you sure ...?"は「本当に…なの?」と疑いの気持ちをあらわすときのフレーズですね。

まだゲームの面白さがわからないミッフィーに、おばあちゃんは"You'll see."とコメント。これは「そのうちわかるよ、じっと待っていてごらん」と相手を促すときの決まり文句です。

"patience"は名詞で「忍耐、根気」。

いい形の雲が現れるまで、時間をかけてじっと待つことが大事なんですね。

 

二人で寝転がって空を見ていると、おばあちゃんが何か見つけたようです!

 

Grandma: Ah! There! I can see a hat!(あ! あれだわ! 帽子が見える!)

Miffy: And I can see a bell!(私にはベルに見えるわ!)

Grandma: It's a bell-shaped hat. Or it's a hat-shaped bell?
(ベルの形の帽子ね。それとも、帽子の形のベルかしら?)

Miffy: Grandma, look! There, Snuffy!(おばあちゃん、見て! スナッフィーがいるわ!)

Grandma: Snuffy? Really? Where?(スナッフィー? 本当に? どこ?)

 

ベルにも帽子にも見える形の雲。

"bell-shaped"は「ベルの形の」、"hat-shaped"で「帽子の形の」ってな具合に、"shaped"を使ってどんな形かを言い表すことができます。

次にミッフィーが見つけたのは、仲良しの犬のスナッフィー。

おばあちゃんは近くにスナッフィーが来たのかと思って探しますが、ミッフィーが言っているのは雲の形のことでした。

 

Miffy: No, up there. In the sky.(違うわ、上よ。お空にいるの。)

Grandma: Oh, yes. So it is. Hello, Snuffy.
(ああ、本当だ。スナッフィーね。こんにちは、スナッフィー。)

Miffy: Oh, she's floating away.(ああ、スナッフィーが流れていっちゃう。)

Grandma: Bye-bye, Snuffy.(バイバイ、スナッフィー。)

Miffy: I think she wants me to follow her.(私たちについて来てほしいみたい。)

Grandma: Really? Then she must want me to follow her too.
(本当に? それなら、私にもついて来て欲しいはずだわね。)

 

"float"は動詞で「浮かぶ、漂う」。そこに副詞の"away"(去って、遠くへ)がくっつくことで「浮かんだまま流れて行ってしまう」という意味のイディオムになります。

流れていく雲に「バイバイ」と手を振るおばあちゃんですが、ミッフィーは雲を追いかけていくみたいです。慌てておばあちゃんもついて行きます。

 

Miffy: Hurry, Grandma! Before Snuffy cloud gets away!
(急いで、おばあちゃん! スナッフィーの雲が行ってしまう前に!)

Grandma: It is my best hurrying.(もう精一杯急いでるのよ。)

 

おお、これはきつい…。

全力で走っていく5歳児(推定)に、おばあちゃんがついて行けるはずがありません…!!

 

Miffy: Sit, Snuffy cloud, sit! Stay! Oh my, she's so high up she can't hear me.
(雲のスナッフィー、お座り! 待て! ああもう、高いところにいるから聞こえないのね。)

Hurry, Grandma, Snuffy's getting away!(急いで、おばあちゃん、スナッフィーが流れていっちゃう!)

 

"sit"(お座り)、"stay"(待て)は、どちらも犬に命令するときに使われる語。

 

そのあとにミッフィーが言っている"she's so high up (that) she can't hear me."というのは、中学校英語でおなじみ、懐かしの「so that構文」ですね(thatは省略されていますが)。

so that構文とは、"so+形容詞/副詞+that ..."で「あまりに(形容詞/副詞)だから、...だ」という意味になる形のことです。

例文を載せておきます。

I was so surprised that I didn't know what to say.

(私はあまりに驚いたので、何を言っていいかわからなかった。)

 

これと同じように、「あまりに空高くにいる(so high up)から、私の言っていることが聞こえない(she can't hear me)」と言っているのが、上のミッフィーのせりふ。

ただ、今回のように、口語英語では関係詞thatを省略することが多いようです。

 

さあ、雲のスナッフィーはミッフィーの命令も空しく、いよいよ流れて行ってしまいそうです。

反対に、おばあちゃんは息切れしてもう走れそうにありません。ミッフィー、どうする?

 

Miffy: Come on!(もう!)

Narration: Miffy.ミッフィー。)

Miffy: Yes?(なあに?)

 

"Come on!"というイディオム、元の意味はもちろん「来い」ですが、ここでは「もう、いいかげんにしてよ〜」という苛立ちや呆れを表現しています。

他にも「しっかりして!」と相手をけしかけたり、「その調子!」と励ましたりする時にも"Come on!"を使うことができます。語調を変えることで、色々な意味で使い分けられるようになりたいものです。

 

さて、スナッフィーに追いつけないことに苛立つミッフィーですが、見るに見かねてナレーション氏が声をかけてくれました。

 

Narration: Snuffy cloud's very fast, isn't she?(雲のスナッフィーは、とても速いよね?)

Miffy: Yes. And I want to catch up with her.(そうよ。私、追いつきたいの。) 

Narration: But Grandma's not very fast, is she?(でも、おばあちゃんはそんなに速く走れないよね。)

Miffy: No, and I don't want to leave Grandma behind.
(うん、私、おばあちゃんを置いていきたくない。)

Narration: So, what are you going to do, Miffy?
(それじゃあ、どうすればいいのかな、ミッフィー?)

Miffy: Uh...um... I'm going to wait for Grandma.(うーん…おばあちゃんを待つわ。)

 

"catch up with ..."は「...に追いつく」という意味のイディオムです。

逆に、 "leave ... beind"は「...を置き去りにする」という意味。

ナレーション氏、"Snuffy cloud's very fast, isn't she?""Grandma's not very fast, is she?"と付加疑問文をうまく使って「スナッフィーはとても速いけど、おばあちゃんは速く(走れ)ないよね?」と現状を確認しています。

 

そして"what are you going to do?"(君はどうする?)とミッフィーに問いかけ。

あくまでも「君はこうするべきだ」なんて押しつけがましい言い方をしないで、ミッフィー自身に解決策を考えさせるスタイル。うーん、育児にも教育にも参考になります…。見習おう!

 

Grandma: I'm sorry Snuffy cloud floated away, Miffy.
(雲のスナッフィーが流れていってしまって残念ね、ミッフィー。)

Miffy: I told Snuffy to sit and wait, but she didn't.
(スナッフィーにお座りして待ってって言ったのに、聞いてくれなかったの。)

Grandma: But you did, Miffy. Thank you. Now we can look for some clouds together!
(でもあなたは待ってくれたわ、ミッフィー。ありがとう。それじゃ、雲を一緒に探しましょう。)

 

おばあちゃんが言っている"I'm sorry"について。

"I'm sorry"には「ごめんなさい」という謝罪と「残念だ」とただ悔しさを述べるだけの意味と二通りあるので、ここではどちらの意味ともとることができますね。つまり、おばあちゃんが「私のせいで雲に追いつけなくて、ごめんね」と言っているのか、「雲が流れて行ってしまって残念ね」と残念がっているだけなのか。

日本語吹き替えでは「ごめんね」と言っていましたが、英語話者の感覚だと、こういう場面で謝罪というのはちょっとそぐわないような気も…? と思ったりしました。

「速く走れないこと」はおばあちゃん自身の努力ではどうにもできないことなので、個々の能力の違いを自然に受け入れる欧米文化の中では、こういうとき「ごめんね」と謝るのは考えにくいような気がしたのです。それよりも「私と一緒にいたことで雲に追いつけなくて残念だったわね」と、客観的に状況の不遇さを述べる方がしっくり来ます。

逆に日本ではこういうとき、自分の努力でどうにもならないことでも、とりあえず場を丸くおさめるために謝ったりしますよね。そういう意味では吹き替えが「ごめんね」になっていたのも、翻訳担当の方がそこまで飲み込んだ上で、日本の視聴者向けに敢えてそういう訳にしたのかもしれません。(考えすぎかしら…?)

 

さて、話をもとに戻します。

ミッフィーとおばあちゃん、気を取り直してゲームを再開することにしました。でも、たくさん走ったので、おばあちゃんはちょっと疲れたみたい。

 

Miffy: Are you tired, Grandma?(疲れたの、おばあちゃん?)

Grandma: Well, I do love cloud watching, but I think cloud chasing is a little bit too energetic for me these days.

(そうね、雲を見るのは好きだけど、雲を追いかけるのは今の私にはちょっと大変だったわ。)

Miffy: Don't worry, Grandma. Snuffy cloud was a very speedy cloud.
(大丈夫よ、おばあちゃん、雲のスナッフィーはとっても速い雲だったから。)

 

"energetic"は「精力的な、エネルギッシュな」という意味の形容詞。

おばあちゃんは「寝転がって雲を見つめる遊び」が大好きなだけなので、「雲を追いかける遊び」はちょっとエネルギッシュすぎたんですね。

さて、二人は空を見上げて再び雲を探します。

 

Grandma: Look! Miffy! A sheep!(見て! ミッフィー! 羊よ!)

Miffy: And there's Snuffy!(それにスナッフィーも!)

Grandma: No, it's definitely a sheep.(いいえ、あれは絶対羊の形だわ。)

Miffy: No, I mean, it really is Snuffy. The real Snuffy.
(違うわ、つまり、本当にスナッフィーなの。本物のスナッフィーがいるってこと。)

 

さっきは「スナッフィー(の雲)だ!」と言われて「え、どこどこ?」とリアルスナッフィーを探していたおばあちゃんですが、今度は「雲だと思ったらリアルスナッフィーだった」という逆の現象が起きてしまいました。

 

Miffy: Snuffy! That's why Snuffy cloud wanted us to follow her. So she could take us to real Snuffy.
(スナッフィー! 雲のスナッフィーがついて来て欲しがった訳がわかったわ。本物のスナッフィーのところに連れていくためだったのね。)

Grandma: Of course! What a clever cloud! Ah!(そうだったのね! なんて賢い雲かしら! あらまあ!)

 

"that's why ..."で「それが…の理由だ」となります。

雲のスナッフィーが「ついておいで!」とばかりに流れていった先に、本物のスナッフィーがいたんですねえ。だから、「雲のスナッフィーが私たちについて来て欲しがった理由は、本物のスナッフィーのところに連れていくためだ」とミッフィーは分析しているわけです。

スナッフィー、おばあちゃんにも容赦なくじゃれつくので、おばあちゃんはちょっとびっくりしちゃってます。

 

Miffy: No, Snuffy. Sorry, Grandma.(だめよ、スナッフィー。ごめんね、おばあちゃん。)

 

そこへ、にわかに雨雲がやってきました。

 

Miffy: Uh-oh, Grandma. I think that's what Snuffy wanted to tell us.
(大変、おばあちゃん。スナッフィーはこれを報せに来たんだわ。)

Grandma: A rain cloud. Let's hurry home.(雨雲ね。急いで帰りましょう。)

Miffy: Grandma, wait for me!(おばあちゃん、待って!)

 

"that's what Snuffy wanted to tell us"(これがスナッフィーが私たちに伝えたかったことだ)の主語"that"は、「"rain cloud"(雨雲)が近づいてきている」ということ。「速く家に帰ったほうがいいよ〜」と言いに来たのかしら。賢い犬だなあ。

 

雨雲を見たおばあちゃんは家路へ急ぎます。今度はミッフィーがおばあちゃんを追いかける番ですね。

 

Miffy: Look, Grandma. Now Snuffy's chasing us.
(見て、おばあちゃん。今度はスナッフィーが私たちを追いかけてる。)

Grandma: Come on, Miffy, come on!(おいで、ミッフィー、急いで!)

 

おばあちゃん、ミッフィー、スナッフィーと、さっきとは逆の順で家に走ることになっちゃいました。

雲探しの続きはまた今度、ですね。

なんとか3人で家まで駆け込んで、おしまい。 

 

 

さて、次回もまた「ミッフィー」ディクテーションをお送りすることになるかな?

「ロシア語の部屋」の方でも、今夏に受験を決めたТРКИ(ロシア語版TOEFL)の準備でライティングの練習をしたり、ロシア語アニメの文法解説をしたりとマイペースに色々やっております。

無理のないように、どちらの部屋も楽しんで更新してまいりますので、ゆったりお付き合いいただければ幸いです〜。

では、また近いうちにお会いしましょう〜。

 

 

※当ブログはランキングサイトに参加しています。クリックしてくださると嬉しいです〜。

にほんブログ村 英語ブログ 英語学習法へ
にほんブログ村

にほんブログ村 英語ブログへ
にほんブログ村