英語リスニング・ディクテーションチャレンジ! 〜「ミッフィーのぼうけん」12月10日放送分〜
こんにちは。
本格的な冬がやってきましたね。北陸は現在、雪に閉ざされています。
北陸に移り住んで3年になりますが、関西出身の私としては、雪が積もると未だに気分がウキウキしてしまいます(こちらの人には「雪なんか珍しくも何ともないのに…」と毎年呆れられます)。私の地元だと、積雪なんて2、3年に一度くらいしかなかったような気がするので、雪の中をザクザク歩いていくだけでなんか楽しい気分になっちゃうんですよね。
ただ、1歳4ヵ月の娘・おタマがまた見事に風邪を引いてしまい、今週はずっと雪なのに一歩も外に出られず…。
よく食べよく眠る手のかからない娘なので、あまり育児にストレスを感じることのない私ですが、こういう時ばかりはちょっと気が滅入ってしまいますね。
こんなときは、温かいコーヒーでも飲みながらリラックスして過ごすのが一番。まだ歩かないおタマですが、外に出て一緒に雪合戦ができるようになる日も近いはず…!! と未来に思いを馳せながら、最大の趣味である外国語学習に今日も精を出しております。
さて、今日は「ミッフィー」の英語ディクテーションをお送りします。
諸般の事情により次回放送分のディクテーションはお休みするので、「ミッフィー」シリーズの更新は今年最後となります(再来週以降は年末特番で放送お休みです)。
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
「ミッフィーとテニス」12月10日(日)放送分
ミッフィーとメラニーがテニスウェアを着ています。二人ともサンバイザーがよく似合っていますね。でも、人間と違ってサンバイザーの上に髪の毛がある訳ではないので、頭の上半分だけ日焼けしちゃうんじゃないかな? と余計な心配をしてしまう私(笑)。あ、毛があるから大丈夫なのかな。
Melanie: Hey, Miffy.(こんにちは、ミッフィー。)
Miffy: Hi, Melanie. Ready to play?(こんにちは、メラニー。準備はいい?)
Melanie: Yes!(うん!)
Miffy: Hi, Snuffy. Have you come to watch us play tennis?(こんにちは、スナッフィー。私たちがテニスをするのを見に来たの?)
ここで、知覚動詞watchに関する構文が出てきていますね。
watch+人+動詞の原形/ing形
で、「人が〜するのを見る」という構文です。
ここでは"watch us play tennis"で「私たちがテニスをするのを見る」となっていますが、"watch us playing tennis"と-ing形を使っても問題ありません。ただ、"watch us to play tennis"とto不定詞を使ってしまうと、誤りになるので注意が必要です。
さて、目の前で飛び交うボールを見つめる犬のスナッフィー。じっとしていられず、ボールを追いかけテニスの邪魔をしまいます。
Miffy: No, Snuffy. We need that ball!(ダメよ、スナッフィー。そのボールが必要なの!)
Melanie: No, Snuffy! That's not how you play tennis!
(ダメ、スナッフィー! テニスはそうやって遊ぶんじゃないでしょ!)
そりゃそうだよ、犬なんだもの。
Miffy: Come back!(戻ってきて!)
Melanie: Stop, Snuffy!(止まって、スナッフィー!)
Miffy: Stop it, Snuffy!(やめて、スナッフィー!)
この二人の"stop"の使い方、微妙に異なっています。
メラニーは「止まる」という意味の自動詞としてstopを使っていますが、ミッフィーは目的語itをとることで「〜をやめる」 という意味の他動詞として使っていますね。
Miffy: Stop it! Thank you.(やめて! ありがとう。)
話せばわかる、かしこいスナッフィー。 ミッフィーにボールを返してあげました。
Miffy: I know, Melanie. Let's hit five in a row.
(わかった、メラニー。5回連続で打つゲームをしましょう。)
Melanie: You start, and I'll count.(あなたから始めて。私は数えるわ。)
この"hit five in a row"という言い回し、テニスの遊び方として一般的なフレーズなのかどうかはわかりませんが、「ボールを落とさずに5回連続で打つ」という意味かと思われます。
"in a row"は「連続して」という意味のイディオム。"three days in a row" で「3日連続で」などというふうに使いますね。
Miffy: One!(1!)
Melanie: Uh! Two!(えい! 2!)
Miffy: Look! Snuffy can't reach the ball.(見て! スナッフィーはボールに追いつけないわ。)
スナッフィーに邪魔されずに、調子よくゲームが続いていきますが…。
Miffy: Three! Keep hitting it high, Melanie.(3! 高く打ち続けて、メラニー。)
Melanie: Good idea, Miffy. Four!(いい考えね、ミッフィー。4!)
Miffy&Melanie: Uh-oh…(あーあ…)
こんどは強く打ちすぎて、ボールが森の中に飛んでいっちゃいましたね。
Melanie: Look! There's our tennis ball in that bush.
(見て! あの茂みの中に私たちのボールがあるわ。)
Miffy: Oh… it's not a ball, just a flower. Look! In that tree.
(ああ…これはボールじゃなくて、ただの花よ。見て! あの木の中だわ。)
Melanie: No, it's not a ball. It's just a pear.(ううん、これはボールじゃない。ただの梨ね。)
Miffy: We can't play tennis with a flower, or a pear. (花や梨ではテニスはできないわ。)
ボール、なかなか見つかりませんね。そこへスナッフィーが現れます。
Miffy: Snuffy, there you are. We need our ball back.
(スナッフィー、そこにいたの。ボールが必要なの。)
Melanie: No, Snuffy. Let go! Oh! Tennis is not a game for dogs. She spoiled our game.
(ダメ、スナッフィー。離して! ああ! テニスは犬がするものじゃないわ。私たちの試合をダメにしたのよ。)
スナッフィーはメラニーをどこかに連れていきたいようですが、メラニーはすっかり怒ってしまいました。
"spoil"は「だめにする、台無しにする」という意味の動詞。私は「子どもを甘やかしてダメな人間にする」という意味しか知らなかったのですが、こういう時にも使えるのですね。
Narration: You're looking glum, Miffy. What's wrong?(元気がないね、ミッフィー。どうかしたの?)
Miffy: Melanie's not looking for a ball and Snuffy's not looking for the ball. I have to find it by myself.
(メラニーはボールを探さないし、スナッフィーも探してくれない。私ひとりで見つけなきゃ。)
Narration: Are you sure Snuffy wasn't trying to help? What does Snuffy like doing best?
(本当にスナッフィーは手伝おうとしてなかったの? スナッフィーがいちばん好きなことは?)
Miffy: Oh, fetching ball!(あっ、ボールを取ってくること!)
ここでイケメン(?)ナレーションの登場。
"You're looking glum."という表現、初めて聞いたのですが、"glum"は「つまらなそうな、憂鬱な」という意味の形容詞なのですね。なかなか便利に使えそうなフレーズです。
続いて、ミッフィーの言った"I have to find it by myself"という表現。"by myself"で「ひとりで、独力で」という意味です。aloneを使わなくても「ひとりぼっちで」というニュアンスを表現できるフレーズ。そういえば、セリーヌ・ディオンの名曲で"All By Myself"というのもありましたね。
スナッフィー、ボール取るの得意だったよね? ということは…、と、スナッフィーの真意に気づいた様子のミッフィーです。
Miffy: Snuffy, do you know where our ball is? You do!? Go, Snuffy, fetch!
(スナッフィー、私たちのボールがどこにあるか知ってる? 知ってるの!? さあスナッフィー、取っておいで!)
ミッフィーの言葉もきちんと理解して、やっぱりかしこいスナッフィー。メラニーはまだ半信半疑なようですが…。
Melanie: Where is our ball? Snuffy hasn't found it. I can't see it anywhere!
(私たちのボールはどこ? スナッフィーは見つけてないのよ。どこにも見えないもん!)
Miffy: Snuffy's trying to tell us it's here somewhere. I'm sure of it.
(スナッフィーはこのあたりのどこかにあるって、教えようとしてくれているわ。私にはわかるの。)
ミッフィーはスナッフィーのことを信じているようです。
"it's here somewhere"という表現、"here(ここ)"と"somewhere(どこか)"をつなげちゃうのは不思議なようにも思えますが、「このあたりのどこかにある」という意味でよく使われるフレーズです。探し物をしていて「このへんにあったはずなんだけどなー…おかしいなー」というときに、呟いてみるといいかもしれませんね(?)。
Miffy: Here it is! There!(あった! えい!)
Melanie: You did know where it was, Snuffy. Well done, good Snuffy.
(本当にどこにあるか知ってたのね、スナッフィー。すごいわ。いい子ね、スナッフィー。)
Miffy: Come on, Snuffy. Come and play tennis.(おいで、スナッフィー。来てテニスをしよう。)
Melanie: But, Miffy, dogs can't play tennis.(でもミッフィー、犬はテニスをできないでしょ。)
Miffy: Dogs can play tennis. If they play it my way.
(犬だってテニスができるわ。私流のやり方ならね。)
見事にボールが見つかり、メラニーもスナッフィーのことを見直したみたいですね。
最後のミッフィーとメラニーのやり取り、 "can't"と"can"の発音の違いを比べてみると面白いです。この二つを聴き分けるのはネイティブスピーカーでも難しいとよく言われますが、イギリス英語では両者を区別するために"can't"を「カント」に近い発音で言うことがよくあります。ここでもメラニーは「カント」、ミッフィーは「キャン」と言っているように聞こえますね。「できなくなんかない、できるよ!」ということを強調するために"can"をとりわけ強く発音しているのもポイントですね。
蛇足かもしれませんが、アメリカ英語でも恐らく同じ使い分けをするんだろうな…? と考えたとき、私の好きなブロードウェイミュージカル"Producers"のサントラ(映画版)の中に興味深い例があったのを思い出しました。
問題となるのは劇中の"We Can Do It"という曲の一節で、強気な人物が"We can do it! We can do it!"と繰り返したあと、弱気な人物が同じ旋律で"I can't do it. I can't do it."とたしなめる、という構成になっています。ここでは、2番の"can't"の発音は「カント」ではなく「キャント」となっていましたが、"can"との違いを強調するために"t"の音をはっきり聞こえるよう、かなり不自然なくらい目立たせて発音していました。ただ、やはり不自然な発音であるためか この「強調」は最初の1回だけで、あとに何度も繰り返される"I can't do it."は全て"I can do it."と区別のつかない発音になっています。1回言えば充分、ということでしょうか。それに加えて、「できないよ〜」というような感情を込めた言い方も大切なのでしょうね。
参考までに、"We Can Do It"のyoutubeのリンクを載せておきます。問題の"I can't do it."の箇所は2分37秒あたりです。
https://www.youtube.com/watch?v=HPOFl80hclU
この「プロデューサーズ」、私は弱気な会計士役のマシュー・ブロデリックが可愛らしくて思わずDVDを購入した口ですが(笑)、英語の勉強のために全ての台詞を分析し、歌は歌詞を覚えるまで何度も繰り返し口ずさんだ思い出のある作品です。ミュージカル映画は歌もストーリーもノリが良くて覚えやすいので、英語学習にオススメですよ!
さて、ずいぶん横道に逸れてしまいました。ミッフィー達、スナッフィーを仲間に加えてテニスをしようということでしたね。
Miffy: Oops!(あっ!)
Melanie: No, Snuffy! Ruining the game again.(ダメよ、スナッフィー! また試合を台無しにして。)
Miffy: Wait and see. (待って。)
メラニーが言った"ruining the game"の"ruin" は「破滅させる、崩壊させる」。"spoil"よりぶち壊し感が強い語で、やはりスナッフィーにイラついているようです。
ミッフィーが言った"Wait and see"は定型表現で「待って成り行きを見る」という意味になります。このフレーズを聞くと、心の中で宇多田ヒカルが歌いだしちゃうのは私だけでしょうか?(笑)
Melanie: Oh, Snuffy's helping. Thank you, Snuffy.
(あっ、スナッフィーは手伝ってくれていたのね。ありがとう、スナッフィー。)
飛んでいったボールを拾ってくれたスナッフィー。メラニーも納得の仕事ぶりです。
Melanie: Good girl, Snuffy.(いい子ね、スナッフィー。)
ボールが遠くに飛んでいったときの球拾い役として、しっかりと試合を支えるスナッフィー。3人が仲良くテニスを楽しむ姿が描かれて、おしまいです。
今日はなんだか趣味に走った内容になってしまいましたが、難しい言い回しも特になく、登場人物も少なかったため、聴き取りやすい内容だったと言えるかもしれません。
冒頭でお伝えした通り、今年の「ミッフィー」ディクテーションシリーズは今回で終わり。次は1月7日放送分から再開いたします。
次回の更新は「チェブラーシカ」ロシア語解説の続きになるかな?
年末年始は帰省等もあってバタバタするかもしれませんが、いつものように、気長にお待ちいただけると幸いです。
では、またお会いしましょう。