「ミッフィーのぼうけん」で英語リスニング&ディクテーション! 1月13日放送「ボリスのプレゼント」
こんにちは。語学大好きかあさん、マミです。
前回、新年早々「ディクテーションに必要な録画予約を忘れる」という大ポカをやらかしてしまったこともあり、今年一発目の「ミッフィー」英語ディクテーションは いつもより少し早い更新となりました。
今回の主人公は、くまのボリス。「ボリスのプレゼント」というサブタイトルが付いていますが、原題は"Boris Bear's Big Bouquet"(くまのボリスの大きな花束)です。
各単語の頭文字が"B"でそろえられていて、声に出して読んでみるとなんとなく楽しいリズムです。これは"alliteration"(頭韻)といって、英語のスローガンやキャッチコピーなどでよく使われる技法なのです。頭文字がそろえてあると口になじみやすいのですね。
ちなみに、日本語では「脚韻」(各行の終わりの語の音を揃えること。ラップの歌詞でよく使われるやつ)に比べると今ひとつなじみの薄い「頭韻」ですが、古典和歌にはよく出現するようです。
百人一首にも収められている有名な和歌、
「滝(たき)の音は絶(た)えて久しくなりぬれど名(な)こそ流(なが)れてなほ聞こえけれ」
も、「た」の音、「な」の音で句の頭文字がそろえてあって、美しいリズムが生まれていますね。
おお、なんだか突然、国語教師らしい記事になってしまった…!
いやいや、私の本業は国語教師ですが、今日は英語ディクテーションをする回なのですよ!!
さて、くまのボリスは、どんな活躍を見せてくれるのか!(←唐突…)
さっそく内容を見てまいりましょう〜!
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
Boris Bear's Big Bouquet(ボリスのプレゼント)
ここはボリスの作業場。大工仕事の得意なボリスが、ミッフィーの自転車を修理しています。
Boris: There you go, Miffy. Good as new.(どうぞ、ミッフィー。新品みたいに元通りになったよ。)
Miffy: Oh, thank you, Boris.(わあ、ありがとう、ボリス。)
Boris: Happy to help. Now, I'll just give the handlebars a quick polish.
(役に立てて嬉しいよ。さて、ハンドルをさっと磨くからね。)
Miffy: That's OK, Boris. You don't need to.(大丈夫よ、ボリス。必要ないわ。)
Boris: Now, where did I put my polishing cloth?(ええと、磨き用の布をどこに置いたかな?)
"good as new"は直訳すると「新品のように良い(状態)」ということ。ミッフィーの自転車を、新品と見まごうばかりにピッカピカに直してくれたのですね。
自転車などの「ハンドル」は、一語で"handlebar"。左右二つあるので複数形で使われます。
直してくれたばかりか、"polish"までしてくれるというボリス。"polish"は動詞で「磨く」、名詞で「磨くこと」という意味です。ミッフィーは「そこまでしなくても…」と言っていますが、ボリスには聞こえていないようですね。
そこへ、ボリスの恋人バーバラがやって来ます。
Miffy: Hello, Barbara.(こんにちは、バーバラ。)
Barbara: Hello, Miffy. Hello, Boris.(こんにちは、ミッフィー。こんにちは、ボリス。)
Boris: Eh? Oh, hello, Barbara.(え? ああ、やあ、バーバラ。)
Barbara: You haven't forgotten anything, have you, Boris?(何か忘れてない、ボリス?)
Boris: How did you know? I completely forgot where I put my polishing cloth.
(どうしてわかったの? 布切れをどこに置いたかすっかり忘れちゃって。)
Barbara: No, I mean, you forgot what day it is?(違いわ、つまり、今日が何の日か忘れてない?)
Boris: Um... Thursday?(うーん…木曜日?)
Barbara: It's my birthday.(今日は私の誕生日よ。)
あーあ。ボリス、やっちゃいました。
彼女から「今日が何の日か知ってる?」って聞かれたら、そりゃ誕生日か記念日の二択しかないでしょう。
しかも「付き合って4ヵ月記念日」とかではなく、彼女の誕生日!! 絶対に忘れたらあかんやつ!!!
最初にバーバラが「何か忘れてない?」と聞くと、「そうそう、布切れの場所をね」と余りにトンチンカンな答えを返すボリス。
優しいバーバラは、そのあと"you forgot what day it is?"とわかりやすく聞き返しますが、この"what day it is"という表現は、慣用的に「今日は何曜日か」とたずねる意味もあるのですね。だからボリスは、その質問の意味を勘違いして「木曜日」なんて答えてしまったわけ。
さすがにイラっとした様子でバーバラが「今日は私の誕生日」と言うと、ボリスは息を呑みます。このリアクションだけで「すっかり忘れてたんやな…」ということがわかりますね。
Boris: I totally forgot. Ha-ha, I started fixing Miffy's bike, I-I got carried away.
(すっかり忘れてた。ハハハ、ミッフィーの自転車を修理し始めて、それで没頭しちゃったんだ。)
Barbara: You always do once you start working on something.
(あなたって、何かやり始めたら、いつもそうなるのね。)
恋人の誕生日を忘れるなんていう大失態を犯しておいてまだヘラヘラしているボリスに、バーバラは怒って帰ってしまいましたね。そりゃそうだ。私ならもっとプンプン怒ってるぞ…。
"be carried away"は前回も出てきました、「(洪水などで)押し流される」という意味から転じて、「夢中になって我を忘れる」という意味をもつイディオムです。
"work on ..."は「(問題など)に取り組む」という意味のイディオム。
ボリスは夢中になると周りが見えなくなっちゃうタイプなんですね。
Boris: Oh dear.(ああ、大変だ。)
Miffy: Umm... Maybe you could make it up to her with a nice present.
(うーん…たぶん、すてきなプレゼントを渡せば仲直りできるんじゃないかな。)
Boris: Oh... That is a good idea.(ああ、それはいい考えだね。)
Miffy: And I know just the thing.(私、ちょうどぴったりなものを知ってるわ。)
"make it up"で「仲直りする、償いをする、埋め合わせをする」という意味のイディオム。
ミッフィーはボリスとバーバラを仲直りさせるために、いい作戦を思いついたようですよ。
Boris: Where am I going to find a present for Barbara here?
(このあたりで、バーバラへのプレゼントがどこにあるの?)
Miffy: There, of course.(ここよ、もちろん。)
Boris: Flowers? I-I'm not sure that's a good idea. Flowers always make me...
(花? そ、それはあんまりいい考えじゃないかも。花があると僕はいつも…)
Miffy: But Barbara loves flowers.(でも、バーバラはお花が大好きよ。)
ミッフィーの考えたプレゼントは、花束。確かに、お花をもらって嬉しくない女性はあんまりいないかもしれませんね。
でもボリスは何だか戸惑っているようですが…?
ミッフィーはお花を摘みながら、うっとりと歌いはじめます。
Miffy: I love flowers, pretty flowers(お花大好き、きれいなお花)
I can look at them for hours(ずっと見ていられるわ)
I love flowers, red and blue(お花大好き、赤い花に青い花)
Barbara will love them too(バーバラもきっと気に入るわ)
各行の終わり、"flowers"と"hours"、"blue"と"too"でそれぞれ脚韻が踏んであって、響きが心地よいですね。
Boris: You really shouldn't have picked them...(摘まなくてもよかったのに…)
Miffy: Mommy won't mind if it's for Barbara's birthday. Smell how nice they are!
(バーバラの誕生日プレゼントってことなら、ママも怒らないわ。とてもいい香りよ、嗅いでみて!)
ボリスが言っている"you really shouldn't have picked them"というのは、当ブログでも何度か扱ったことのある、"should have+過去分詞"の構文を応用したもの。以下にちょっと詳しく説明しますね。
"should have +過去分詞"は「(実際には しなかったことに対して)〜すべきだった、〜すればよかったのに」という意味です。
ただ、これの否定形、"shouldn't have +過去分詞"の形は注意が必要。上の肯定文の意味をひっくり返して「(実際にしてしまったことに対して)〜すべきでなかった、〜しなければよかったのに」というふうに相手をたしなめる意味もある一方で、「(相手がしてくれたことに対して)〜しなくても良かったのに」と、相手への恐縮や感謝の意を表すニュアンスでも使われるのです。
例を挙げます。
"You should have knocked before you came in."(あなたは入ってくる前にノックすべきだった)
これは、相手が「ノックをしなかったこと」に対して、相手を非難している文。
この文を否定文にすると、こうなります。
"You shouldn't have knocked before you came in."
ところが、この否定文には二通りの意味があります。
①「あなたは入ってくる前にノックをすべきではなかった」と、ノックをした相手を非難する意味
②「入ってくる前にノックなんかしなくてもいいのに」と、礼儀正しくもノックをしてくれた相手に対して恐縮する意味
まあこんな紛らわしい否定文を見かけることはあまりないかもしれませんが(ちょっと不自然な例文ですみません)、迷うことなく②の解釈を採用できるシチュエーションとしては、相手に思いがけず豪華な贈り物をもらったときなどでしょうね。
私がむかし観たアメリカのドラマで、サプライズでプレゼントをくれた友だちに対して
"You shouldn't have done this..."
と言っている場面がありました。当時、上の例文でいうと①の意味しか知らなかった私は「プレゼントなんかしないでよ!」と相手を非難しているのかと思ってたいへんビックリしたのですが、この表現で「まあ、わざわざこんな…、お気遣いをどうもありがとう」というニュアンスを表すことができると後でわかって腑に落ちたのを覚えています。
話を本題に戻すと、なんらかの理由で「花束を贈るのはイヤだ」と考えているらしいボリスは、花を摘んでくれたミッフィーに対して「わざわざそこまでしてくれなくても…」という意味(②のニュアンス)で"you really shouldn't have picked them"と言っているわけなのです。
ミッフィーは、"Mommy won't mind"(ママなら気にしないわ、大丈夫よ)と言っていますが(ここはミッフィーママの花壇だったのだなあ)、どうやらそういう理由でもなさそうです。
ボリスはミッフィーに勧められて花の香りを嗅ぎますが、とたんに大きなくしゃみが出てしまいました。
Boris: Oh, sorry, Miffy. That's why I didn't think it's a good idea. Flowers always make me sneeze.
(ああ、ごめんよ、ミッフィー。だからこれには賛成できなんだ。花があると、くしゃみが出ちゃうんだよ。)
Miffy: But you're not sneezing now.(でも、もうくしゃみをしなくなったわ。)
Boris: I can look at flowers. It's only when I smell them that I sneeze.
(花を見ることはできるんだ。嗅いだときだけ、くしゃみが出るんだよ。)
ボリスが言っている"flowers always make me sneeze."は、直訳すると「花がいつも僕をくしゃみさせる」となります。ボリスは重度の花粉症だったのですね。
Miffy: What a shame. Barbara loves flowers. We'll have to think of something else.
(残念ね。バーバラはお花が大好きなのに。何か他のものを考えなきゃ。)
Boris: The only thing I'm good at is making things in my workshop.
(僕がただひとつ得意なのは、工房でものを作ることだよ。)
Miffy: Of course! We can make Barbara a present. And I know just what.
(そうね! バーバラへのプレゼントを作ればいいのよ。何を作ればいいか、わかるわ。)
バーバラの大好きなお花がプレゼントにできないとわかったミッフィー、残念そう。
「残念ですね」と遺憾を表明したいときには、ここに出てきた"What a shame."や"That's a shame."などの表現を使うといいですね。
お花がダメなら、ボリスお得意のDIYでプレゼントを作っちゃおう!
二人はボリスの"workshop"(工房、作業場)へ向かいます。
次の場面は、またミュージカルパート。ボリスとミッフィーが大工仕事をしながら、息ピッタリに歌い上げます。
ところで、ボリスとミッフィーが歌っているこの歌、なんと過去回で出てきた歌とまったく同じものなんです!
その回とは、昨年5月20日放送の「ダンのスケートボード」。ちゃんとディクテーションもしました(←サブタイトルをクリックするとその記事に飛びますよ)。
歌を聴いた瞬間すぐにピンと来た私、過去にディクテーションしてあるなら楽勝…と小躍りを始めそうになったのですが、しかぁし!! 人生は甘くないですね。その時どうしても聴き取れなかったフレーズがあったのですよ。もちろん今回も挑戦はしてみたのですが、やはり同じところがサッパリでした。
同じところを2回も諦めるのはとっても悔しいような気もしますが、まあわからないものはどう転んでもわからないので、今回も(?)マークをつけてお送りいたします。
Boris: A hummer here, a polish there(ハンマーはこっち、磨き粉はあっち)
You need a building (?)(??)
I love to make things all day long... achoo!(一日中だって作っていられる…ハクション!)
Miffy: And sometimes Boris gets it wrong.(ボリスだって、間違えることがあるのね。)
Boris: Making things is so much fun(ものを作るのは楽しいな)
Miffy: Come on, Boris, get it done!(さあ、ボリス、仕上げて!)
細かい文法解説は、上のリンク先にも書いたので割愛しますね。
さて、プレゼントが仕上がったようですよ。ミッフィーとボリスは、バーバラの家に向かいます。
Miffy: Ready?(準備はいい?)
ミッフィーが扉をノックすると、バーバラが出てきました。ミッフィーに対してはにこやかな挨拶をしますが、ボリスにはまだちょっと怒っている様子のバーバラ。
Barbara: Oh, hello, Miffy. Hello, Boris.(あら、こんにちは、ミッフィー。こんにちは、ボリス。)
Boris: I-I'm so sorry I forgot your birthday, Barbara.
(ご、ごめんよ、バーバラ、君の誕生日を忘れてしまって。)
Miffy: But he only forgot because he was mending my bike. Boris is the best.
(でも、忘れたのは私の自転車を直してたからなの。ボリスって最高なのよ。)
Boris: And, to make it up to you, I made you a present.
(それで、仲直りのしるしに、プレゼントを作ったんだ。)
そう言って、ボリスはバーバラに花束を渡します。
Barbara: Oh, Boris! How beautiful.(まあ、ボリス! なんてきれいなの。)
Boris: Happy birthday, Barbara.(誕生日おめでとう、バーバラ。)
Barbara: I love flowers. And this is the first time you've given me any.
(お花って大好きなの。それに、あなたが私にお花をくれるのは初めてね。)
Boris: I-I wanted to, but flowers make me sneeze.
(あ、あげたかったんだけど、くしゃみが出ちゃうからさ。)
Barbara: Then why aren't you sneezing now?(それじゃあ、どうして今はくしゃみしていないの?)
Miffy: Because they're made of wood!(だって、この花束、木でできているんだもの!)
あれ、ボリス、お花平気なの…? と思いきや、なんと木でできた手作りのお花なのでした(でも「本物と見間違えるほどの木彫りのお花」って、ボリス、DIYレベル高すぎない…?)。
ミッフィーは"they're made of wood"と言っていますね。"be made of ..."は「…で出来ている」と原材料を示すときに使う表現です。
ちなみに、同じように原材料を示す表現には"be made from ..."というものもあります。
例:Cheeze is made from milk.(チーズは牛乳から作られる)
両者の使い分けとしては、作られたものをぱっと見て、材質などから原材料が判断できる場合(木や石でできたものなど)には"be made of"、加工などを経てもとの形状を留めなくなった場合(加工食品など)には"be made from"が使われます。
なんだか今日は、文法解説が横道に逸れがちですね。本題に戻りますよ。
Boris: And because they're made of wood, they won't ever wilt. So, you can keep them forever.
(それで、木でできているから、ずっとしおれないんだ。だからずっと持っていられるよ。)
Barbara: Oh, Boris! Come here, you the lovely bear!
(まあ、ボリス! こっちに来て、すてきなクマさん!)
"wilt" は「(草花などが)しおれる、(人が)しょげる、弱る」という意味の動詞。
木で出来たお花だから、ずっと同じ形を保っていられるのです。ボリスはたぶん無自覚ですが、"forever"という単語がなんだかロマンチックですね。
バーバラもすっかり機嫌を直し、ボリスのほっぺにキス! ラブラブですね。
Boris: I promise, I'll never forget anything ever again! Now, how about a(?) picnic?
(約束するよ、もう二度と何も忘れないって! さあ、ピクニックでも行こうか。)
Miffy: Wait! You have forgotten something.(待って! 何か忘れてるわ。)
Boris: What?(何だい?)
Miffy: My bike! Can I have it back, please?(私の自転車! 返してもらってもいい?)
Boris: Ah, ha-ha.(ああ、ハハハ。)
"I'll never forget anything ever again"って、「そんなん絶対ウソやろ!」とツッコミたくなるせりふですが、きっとボリスはそれくらい反省してるってことですね。
このせりふのあと「さ、気を取り直してピクニックでも行こうか」的なことをボリスは言っていますが、声が小さかったので全文は聴き取れませんでした。
そして、「もう二度と何も忘れないよ!」と誓ったそばから、ミッフィーから「私の自転車返してもらってない!」と手痛いツッコミ。お花作りも手伝ってもらったし、ボリスはミッフィーに頭が上がりませんね。
ミッフィーは無事に自転車を返してもらい、帰っていきました。
Miffy: Thanks, Boris. You're the best. Bye!(ありがとう、ボリス。あなたって最高ね。バイバイ!)
Barbara: Bye, Miffy.(さよなら、ミッフィー。)
Boris: Bye!(さよなら!)
Barbara: Miffy's right. You are the best. (ミッフィーの言う通りね。あなたって最高だわ。)
バーバラがもう一度ボリスの頬にチューをして、幸せそうな二人に私までニヤニヤしちゃったところで、おしまい。
今回は、ちょっと頑張って細かいところまで解説を入れてみました。
でも無理をするとまた続かなくなっちゃうので、こういう回もありつつ、忙しい週は少し解説を減らしつつ、今年もマイペースに学習を進めてまいります。
ただいまスペイン語ライティング企画の一環で「今年の抱負」をやってみようと画策中なのですが、そちらが記事の形に仕上がるのと、次回放送の「ミッフィー」ディクテーション記事をアップするのと、どちらが先になるかはわかりません。
ともあれ、近いうちにまたお会いしましょう〜。
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