かあさんは雨女

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英語リスニング・ディクテーションチャレンジ! 〜「ミッフィーのぼうけん」7月8日放送分〜

こんにちは。語学大好き新米かあさん、マミです。

 

娘・おタマは現在1歳10ヵ月。いわゆる「イヤイヤ期」もとい第一反抗期はこれくらいの時期から始まると言われていますが、おタマにもついにやってまいりました。

ただ、おタマの場合は、「イヤイヤ期」ではなく「イヤなん期」。彼女が何かに拒否反応を示したとき、私がいつも「おタマちゃん、◯◯イヤなん?」と関西弁で聞いていたために「イヤなん」という言葉を覚えてしまったようです。

 

「ごはん、イヤなん」

「ねんね、イヤなん」

「ぼうし、イヤなん」

 

といった具合。

とにかく、なんでもまず「イヤなん」と言ってみる。そんなにイヤでなくても言ってみる。

そういう時期みたいです。

まだ初期段階だからか、おタマの気質なのか、この「イヤなん」はそんなにしつこいわけではなく、「そうは言っても、やるで」とこっちが始めてしまうと、案外「そうかいな」といった感じであきらめてくれることが多いです。まあ全力で泣いて反抗することもありますが。これからどうなっていくのでしょうね。

 

それはさておき、今日の本題です。

毎週恒例「ミッフィーのぼうけん」英語ディクテーション、先週分をお届けいたします。

 

※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。

英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜

 

 「グランティのタルト」7月8日放送 

 

ここはミッフィーの友だち、グランティの家のそば。荷台付き自転車が停めてあるのをミッフィーが不思議そうに見ていると、くまのボリスがやって来ました(というか、ぶつかって来てますね…)。

 

Boris: Hi, Miffy.(やあ、ミッフィー。)

Miffy: Boris? What are you doing here?(ボリス? ここで何してるの?)

Boris: Poppy's grown so much fruits and veggies to share(?), she wondered if she could sell some in Barbara's shop. So I came over to pick it up.
(ポピーが果物や野菜をたくさん作ったから、いくつかバーバラの店で売れないかと聞いてきたんだ。それで僕が取りに来たんだよ。)

 

ポピーというのはグランティの伯母さんで、バーバラはボリスのガールフレンド。ボリスとバーバラは二人で商店を経営しています。

ボリスのせりふは長かったので聴き取りに少し自信がありませんが、"veggies"は"vegetables"の略称。

"wonder if ..."「〜ないだろうかと思う」が使われていて「ポピーは育てた野菜や果物を、バーバラのお店で売れないだろうかと考えている」という内容です。

 

それで、果物や野菜の出荷("pick it up")をボリスが請け負ったのですね。しかし慌てんぼうのボリス、トマトをいくつか地面に落としてしまいます。

 

Boris: Oh...(おっと…)

Miffy: And now I'm picking it up. Here you go.(こんどは私が拾う番ね。どうぞ。)

Boris: Thanks, Miffy. That's the last load, so off I go. Bye, Miffy!
(ありがとう、ミッフィー。これが最後の積荷だから、もう行くよ。じゃあね、ミッフィー!)

Miffy: Bye, Boris!(さよなら、ボリス!)

 

ミッフィーが言っている"pick up"は、先ほどボリスが「果物や野菜を集めて運ぶ」という意味で使っていました。こんどはミッフィーが、落ちたトマトを文字通り「拾う」という意味で掛詞的に使っていますね。

 

ボリスが走り去ったところへ、こんどはグランティがやって来ます。

 

Grunty: Hi, Miffy! Guess what! I baked a scrummy tart all by myself. With a bit of help from Poppy.
(こんにちは、ミッフィー! ねえ、聞いて! おいしいタルトを一人で焼いたの。ポピーおばさんにちょっと手伝ってもらったけど。)

Miffy: Oh, Grunty, that's brilliant!(わあ、グランティ、すごいわ!)

Grunty: Come and see.(見に来て。)

 

"scrummy"は"scrumptious"(とてもおいしい、すばらしい)という形容詞の略。

そういえば、私の好きなミュージカル映画"Chitty Chitty Bang Bang"(邦題は「チキチキバンバン」)に"Truly Scrumptious"という名前のヒロインが登場します。この女性はお菓子工場の経営者の娘で、「とっても美味しくって、すてき」という意味をもつ名前なのです。かわいらしいですね。

グランティ、「タルトを一人で作ったの! …ちょっとだけ手伝ってもらってね」と相変わらずのおトボケぶり。でもグランティの身体中が粉で真っ白になっているので、きっとがんばって作ったのでしょうね。

 

Grunty: It's right over... oh!(ここよ…あっ!)

Miffy: Uh, where is it?(えっと、どこにあるの?)

Grunty: I don't know. I left it right here. It's disappeared!
(わからない。ここに置いたのに。消えちゃった!)

 

家に入り、"It's right over here!"(ここにあるわ!)と言おうとしたグランティ、途中で絶句してしまいました。あったはずのタルトがなくなっています!

慌てて外に探しに出た二人。

 

Miffy: Hey, look! What's this red splat?(ねえ、見て! この赤い汁は何?)

Grunty: It's juice! Red juice! And my tart is a red strawberry tart.
(果汁よ。赤い果汁だわ! 私のタルトは赤いイチゴのタルトなのよ!)

Miffy: There's another splat!(そこにもある!)

 

"splat"という語はミッフィーのパーティードレスの回でも出てきました。「(何か液体状のものが)ピシャッとはねた跡」という意味です。

ミッフィーは地面に赤い水たまりのようなものを見つけたのですね。何やら事件の予感…(意味深)!!

赤い水たまりは一つだけではないようです。水たまりをたどると、その先にいたのは…?

 

Miffy: It's Snuffy!(スナッフィーだわ!)

Grunty: Snuffy! Give me back my... tomatoes?(スナッフィー! 返して、私の…トマト?)

 

犬のスナッフィーでした。

あなたが犯人ね! と言わんばかりに詰め寄るグランティ。ところが、赤い水の中に沈んでいる果実の残骸は、イチゴではなくトマトなのでした。

 

Miffy: Oh, Boris dropped some tomatoes earlier. We must have missed one!
(あっ、ボリスがさっきトマトを落としてたわ。ひとつ拾い忘れたのね!)

 

なんと、ボリスがトマトを落としただけだった、というオチ。

そのトマトにスナッフィーがじゃれついて、水たまりを作ってしまっていたのですね。

"earlier"は「(話し手の発話の時点より)前に、先ほど」。さっきボリスが自転車に荷物を積み込んでいたときのことを言っています。

"must have +動詞の過去分詞"で「〜したに違いない」という構文が使われていますね。

 

しかし、グランティのイチゴタルトはどこへ?

困った二人は、ポピーおばさんのもとへ向かいます。

 

Miffy&Grunty: Poppy!(ポピーおばさん!)

Poppy: Oh, hello, girls. How did the tart turn out?
(あら、こんにちは、お二人さん。タルトはどうなったの?)

Grunty: We don't know. It's vanished!(わからない。消えちゃったの!)

Poppy: Vanished? Really?(消えた? 本当に?)

Miffy: Uh-huh.(うん。)

 

"turn out"は「〜であることがわかる」という意味をもつイディオム。転じて、ポピーおばさんが言っているように「いいタルトができたのかどうか」「焼け具合はどうだったか」など「どのような結果になったか」という意味でも"How did ... turn out?"の構文が使われます。

"vanish"は「消滅する」という意味の動詞。"disappear"よりも堅い語で、「魔法のように突然消えてしまう」というニュアンスを含んだ語であるように思います。

 

Poppy: How?(どうやって?)

Miffy: We're not sure. But we're going to find out.(わからない。でも見つけてみせるわ。)

Poppy: Grunty, do you remember what sort of tart you made?
(グランティ、あなたどんなタルトを作ったか覚えてる?)

Grunty: Strawberry.(イチゴのタルトよ。)

Poppy: Strawberry and?(イチゴと?)

Grunty: Strawberry and... cinnamon! It had a really lovely smell.
(イチゴと…シナモン! とってもいい匂いがしたわ。)

Miffy: See if you can smell it, Grunty. Your nose is amazing.
(匂いで探してみよう、グランティ。あなたは鼻がきくから。)

 

なるほど、シナモンの香りは強いので、鼻を使えば探しやすそうですね。

さすがポピーおばさん。そしてグランティは鼻がきくのですね。ブタだもんね。

 

Grunty: I can't smell it anywhere.(匂いはどこにもしない。)

Poppy: Which means wherever it's got to, it's nowhere close. What a mysterious mystery!
(ということは、どこへ行ったにせよ、近くにはないということね。なんて謎めいた謎なのかしら!)

Miffy: And I know who can help us solve it. Someone with an even better nose than you. Come on!
(それなら、誰に手伝ってもらえばいいかわかるわ。あなたより鼻がきく誰かさん。来て!)

 

ポピーおばさんの言っている"which means..."というのは、その前のグランティの言った文を受けた関係代名詞…と考えると少しややこしいのですが、単純に「…ってことは〜」と説明を付け加えるときによく使われる表現です。

グランティのよくきく鼻でも、シナモンの匂いは嗅ぎあてられないので、きっとタルトはもっと遠くへ言ってしまったんだろう…ということがわかりました。

ミッフィーは「グランティより鼻がいい人(?)にタルト探しを頼もう!」と言っています。

 

Miffy: I hope you don't mind, Snuffy. We'd like to borrow your nose.
(もしよかったら、スナッフィー、あなたの鼻を借りたいの。)

Grunty: Here you go, Snuffy. Take a good sniff with these.
(いくわよ、スナッフィー。これの匂いをよく嗅いで。)

Miffy: Not too much cinnamon, Grunty. Snuffy will get the sneezes.
(シナモンを入れすぎないで、グランティ。スナッフィーがくしゃみしちゃう。)

Grunty: OK, Snuffy. Find that smell.(オッケー、スナッフィー。この匂いを見つけて。)

Miffy: She's on the trail! Come on!(探しはじめたわ。こっちよ!)

 

スナッフィーのことでした。

まあ生物学的にはイヌよりブタのほうが鼻はいいらしいですけどね。

それにしてもミッフィー、飼い犬に対しても"I hope you don't mind..."とは、たいへんていねいな態度ですね。礼節を忘れぬ姿勢、見習いたいものです。

 

"take a good sniff"の"sniff"は名詞で「鼻で吸う・嗅ぐこと」という意味。動詞としても「匂いをくんくん嗅ぐ」という意味で使われます。スナッフィーの名前のもとになっている"snuff"という語も似た意味ですが、現代では"sniff"の方がよく使われるようです。

そういえば少し前に、すぐれた嗅覚をもつ捜査官が匂いを頼りに事件を解決するドラマ"The Sniffer"(邦題は「スニッファー」)が世界中でヒットして、日本でも阿部寛さん主演でリメイクされましたねー。

 

"on the trail"は「手がかりを得て、跡を追って」という意味のイディオム。スナッフィーはさっそく匂いの跡を探しあてたようです。

 

Grunty: Must be in here.(ここにあるはずね。)

Miffy: Um...(うーん…)

 

辿りついたのは、バーバラのお店の前。なんだかオチが見えてきました。

グランティは、前に停めてあるボリスの自転車の荷箱を調べています。

 

Grunty: It's empty.(空っぽだわ。)

Miffy: I think I know what's happened. And I know where to find your tart.
(私、何が起こったのかわかっちゃった。あなたのタルトがどこにあるかも。)

Grunty: Huh?(えっ?)

 

この店の付近からシナモンの香りがするということは、どうやらタルトは店の中に運ばれてしまったようです。

ということで中に入ってみると、ありました、イチゴのタルト。レジの横に鎮座しています。他のものを買いにきたのに、レジ前にあるとつい手に取って買っちゃうやつですね〜。無印良品だと「ひとくちバウム」とかが置いてあるあのポジションです(知らんがな)。

 

Grunty: My tart, my missing tart!(私のタルト、探してたタルト!)

Barbara: Hello, girls. What are you up to?(こんにちは、あなたたち。どうしたの?)

Miffy: We're looking for this tart. Grunty made it.
(私たち、このタルトを探してたの。グランティが作ったのよ。)

Grunty: And Boris took it!(それで、ボリスが盗っちゃったの!)

 

"missing"は「あるべき所にない、行方不明の」という意味の形容詞。行方不明のタルトをついに探し当てたグランティの歓喜の叫びです。

"What are you up to?"は「どうしたの?」「何をしているの?」と訊くときの定型表現ですね。

タルトが見つかったのは良かったですが、グランティは"Boris took it!"とご立腹。この場合の"take"、意味はもちろん「取る」なのですが、どちらかというと「盗る」とか「持ち去る」というニュアンスを含んでいますね。

 

Boris: What!? I mean... Poppy said "take it all", so I... I'm so sorry, Grunty. I thought Poppy's made it to sell in the shop.
(えっ!? いや、僕は…ポピーが「全部持っていって」って言うから…ごめんよ、グランティ。ポピーがお店で売るために作ったと思ったんだ。)

Grunty: You thought it was good enough to sell in the shop? 
(お店で売れるくらい、いい出来だと思ったってこと?)

Barbara: Well, yes. We both did. It smells lovely, Grunty. And it looks delicious.  Maybe when you're older, you can open your own bakery. And sell your own tarts!
(ええ、そうよ。私たち二人ともね。いい匂いだし、グランティ、それにおいしそうだもの。きっとあなたが大きくなったら、ベーカリーをひらけるわ。それで作ったタルトを売るの。)

Grunty: And pies, and cakes, and buns! Oh, yes, please.
(それにパイも、ケーキも、パンも! そうね、そうしよう。)

 

犯人にされてしまったボリスはアタフタ。ポピーおばさんの「全部持って行って」という指示の「全部」にタルトも含めてしまったのですね。

「私のタルト、商品になるクオリティなの!?」と、怒っていたのも忘れて喜ぶグランティ。すかさずバーバラの「お店開けるんじゃない?」というナイスフォローが入り、グランティはすっかり有頂天です。タルト以外にも色々作れちゃうんじゃない!? と想像が広がります。

"bun"は多義語で、辞書によるとアメリカでは「ロールパンやハンバーガーのバンズ」、イギリスでは「菓子パン」のことなんだそうです。スコットランドでは「黒パン」なんだとか。ぜんぜん違うものを指すんですねえ。

ミッフィーの世界はイギリス英語が使われてます。グランティのせりふでも、一緒に羅列しているものから考えて"buns"は「菓子パン」のことで間違いなさそうですね。

 

Miffy: There's one very important thing left to do.
(あと一つ、とっても大事なことが残ってるわ。)

Grunty: What do you mean?(どういう意味?)

Miffy: We used our eyes to look for the tart, our ears to listen for the tart, and our noses to smell for the tart.

(私たち、タルトを探すのに目を使って、タルトのことを聞くのに耳を使って、タルトの香りをかぐのに鼻を使ったでしょ。)

Grunty: So now it's time to use our mouths to taste the tart! Mystery solved!
(だから、こんどはタルトを味わうのに口を使う番ね! 問題、解決!)

Miffy: Hurray!(やったあ!)

 

タルトを探すのに五感を駆使してきたんだから、最後は「味覚」の番ね! とミッフィーがうまいことを言って、グランティたちはようやくタルトにありつくことができました。おしまい。

それにしてもこのタルト、一切れいくらの値段がついたのでしょうね…?

 

 

さて、今日のディクテーションはここまでです。

次回はまた英語をやるかスペイン語をやるかわかりませんが、マイペースで更新していきますね。

では、また近いうちにお会いしましょう〜。