英語リスニング・ディクテーションチャレンジ! 〜「ミッフィーのぼうけん」6月17日放送分〜
こんにちは。
1歳10ヵ月になる娘・おタマがエレベーターに乗ったとき、「閉」マーク(▶|◀←こういうの)を指さして「ちょうちょ!」と言っていて、不覚にも癒されてしまったマミです。
こどもの発想ってほんと、自由でいいですよね。「ちがうよ」などと言わず、おタマならではの視点をきちんと受け入れてあげられる親でありたいものです。
さて、今日は毎週恒例「ミッフィーのぼうけん」アニメの英語ディクテーションをお送りいたします。今回の主役は、ぶたのグランティ。牧場のペンキ塗りを手伝うようですが、何が起こるのやら…?
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
「グランティのはっけん」6月17日放送
今回の舞台は、ジョンおじさん(スクリプトではFarmerと表記)の牧場。ミッフィーとグランティも来ています。
Farmer: Thank you for offering to help paint my fence, girls.
(柵のペンキ塗りを手伝うと申し出てくれてありがとう、君たち。)
Mify: That's OK, we love painting.(いいのよ、私たちペンキ塗り大好きだもの。)
Farmer: Here's a brush for you, Grunty.(君のハケだよ、グランティ。)
Grunty: Oh, thank you.(わあ、ありがとう。)
Farmer: And one for you, Miffy.(それと君にもひとつ、ミッフィー。)
Mify: Thank you.(ありがとう。)
"offer to do"で「〜することを申し出る」。
何を申し出たのかというと、"to help paint my fence"「私の柵を塗るのを手伝うこと」。
ここは本来ならば"to help to paint ..."となるべきところですが、"to"が省かれるのはよくあることだそうです。
おじさんの牧場の柵を白いペンキで塗るお手伝いをするのですね。ミッフィーは前回もパパと一緒にペンキ塗りをしていました。楽しいよね〜。
Grunty: Little bit here, little bit there... Oh, missed it(?). Oh, and a bit more there.
(こっちを少し、あっちを少し…。あ、ここも。ああ、こっちももう少し。)
グランティも、はりきってあちこち塗りまくっています。小さな声でブツブツつぶやいているところですので、ディクテーションが合っている自信はあまりありません。
Grunty: I'm too great at painting. I once painted Aunt Poppy's whole house in just one minute.
(私、ペンキ塗りがとっても得意なの! 前にポピーおばさんの家を、1分でぜんぶ塗っちゃったのよ。)
Mify: Wow!(わあ!)
Farmer: Really, Grunty?(本当かい、グランティ?)
Grunty: No, it's just my little joke.(ううん、ただの冗談。)
Mify: Oh, Grunty.(もう、グランティったら。)
Grunty: Actually, it took two minutes. One to paint the inside, and one the outside. Ha-ha-ha!
(本当はね、2分かかったの。内側を1分と、外側を1分でね。ハハハ!)
Farmer: Oh, Grunty.(おやおや、グランティ。)
Grunty: Just my...(ただの…)
Grunty&Farmer&Mify: Little joke. Ha-ha.(ちっちゃな冗談だね! ハハハ。)
「〜が得意」は"be good at ..."という表現がおなじみですが、「ものすごく得意」な場合は"be great at ..."となるのですね。グランティは更に"too"をつけて「超得意すぎるんだけど!」感を出しています。
そのあと「2分で家を全部塗っちゃった! まあ冗談なんだけどね」と、お茶目なグランティ。関西人みたいですね。
Grunty: Look out, horse! Wet paint!(気をつけて、お馬さん! ペンキ塗りたてよ。)
"look out"は「気をつける」という意味のイディオム。"watch out"と同じです。
その次の"wet paint"というのは直訳すると「濡れたペンキ」ですが、「まだペンキが乾いてないから気をつけてね」という意味の決まり文句。日本語だと「ペンキ塗りたて!」となりますね。
お馬さんにも注意喚起をしながら頑張る二人ですが、ふと見渡すと長い長いフェンス。ぜんぶ塗るには、だいぶ時間がかかりそうですねー。
Mify: Oh...(ああ…)
Grunty: This is a big job.(たいへんな仕事ね。)
Farmer: Well, all this hard work is making me thirsty! Who'd like some juice?
(さて、ハードな仕事で喉が乾いたな! ジュースを飲みたい人は?)
Mify: Me, please!(私、お願い!)
Grunty: Yes, please, me!(はい! 私も!)
Farmer: I'll be back soon.(すぐに戻るよ。)
Mify: Let's paint!(ペンキを塗ろう!)
"who'd (=who would) like ...?"で「〜が欲しいのは誰?」という決まり文句。手伝いの差し入れにジュースがもらえると知って、がぜん頑張る二人です。
Grunty: I'll paint the other side now.(裏側も塗るわね。)
Mify: Farmer John's been a while, maybe he needs some help.
(ジョンおじさん、戻ってこないね。手伝いが必要なのかしら。)
Farmer: Oh, ha-ha. Here we are.(おお、ハハハ。どうぞ。)
Mify: Hmm, carrot juice is my favorite.(うーん、キャロットジュース大好き。)
ミッフィーの"Farmer John's been a while"がちょっと引っかかりました。確かにこう言っているようだし、意味も「行ってしまってしばらく経つ」という意味で間違いないと思いますが、こんな表現があるのかどうか…?
"It's been a while."で「しばらく会っていなかったね、久しぶりだね」という定型表現がありますが、その応用でしょうか。
また、辞書の"been"の項には「(すでに)来ている、訪れている」という意味があり、以下の例文のような使い方があるようです。
Has the milkman been yet?(牛乳配達はもう来たか?)
The postman hasn't been yet.(郵便屋さんはまだ来ていません。)
この場合の"been"には「既にここにいる」という意味があり、「席をはずしているジョンおじさんが帰ってこない」というミッフィーのせりふとは真逆の意味になりますが、「(既に)ジュースを取りに行っている」状態からしばらく(a while)帰ってこない、というような使われ方をしているのだ、と解釈することはできそうです。どうも歯切れが悪い言い方ですみません。
おじさんを迎えに行ったミッフィー、にんじんジュースにありつけて幸せそう。
そこへグランティが勢い込んでやって来ます。
Grunty: Miffy, we have a guest. I just saw a zebra!(ミッフィー、お客さんよ。今、シマウマを見たの!)
Mify: A zebra?(シマウマ?)
Farmer: Are you sure, Grunty? There's no zebras on my farm.
(本当かい、グランティ? シマウマなんて私の牧場にはいないぞ。)
Grunty: But I-I did see a zebra!(でも、私、私、本当にシマウマ見たのよ!)
Farmer: Ha-ha, this is another your little joke, Grunty.
(ハハハ、また君の小さな冗談かい、グランティ。)
Grunty: No, I definitely saw a zebra. It was over there!
(違うわ、絶対にシマウマを見たのよ。あそこにいたの!)
Mify: Let's go and see.(見に行ってみましょう。)
なんと、牧場にシマウマがいたというのです。そんなアホな。ここはヨーロッパやで。
ヨーロッパといえば、名詞"zebra"の発音はアメリカ英語とイギリス英語で異なりますね。
アメリカ英語では[ziːbɹə]、カタカナで書くと「ズィーブラ」に近い発音。
イギリス英語では[zɛbɹə]となり、カタカナで「ゼブラ」という感覚に近いです。
娘の持っている英訳つき「こどもずかん」の「しまうま」の項目でも、"zebra ズイーブラ"と御丁寧に「イー」を強調して書かれていますが、ふつうに日本語発音で「ぜぶら」とローマ字読みしてもきっと通じるんでしょうねー。
話が逸れました。
シマウマがいるなんてウソだろう、と笑い飛ばすジョンおじさんに、「本当にいたんだもん!」とグランティはご立腹。
我らがミッフィー、ちゃんと友だちを信じて探しに行くことにしました。
Mify: Um, I can't see it.(うーん、見あたらないね。)
Grunty: It was here. But now it's gone.(ここにいたのよ。でも、もういなくなっちゃった。)
Farmer: Ha-ha, very good joke, Grunty.(ハハハ、とても面白い冗談だね、グランティ。)
Grunty: It wasn't a joke, it was here. I promise!
(冗談じゃないのよ、シマウマはここにいたの。絶対に!)
Mify: We should go and look for it.(探しに行ってみるべきね。)
ジョンおじさんは、まだグランティを疑っているみたい。
グランティは"I promise!"と言っています。この場合の"promise"は「約束する」というよりは、「〜と請け合う、断言する」という意味で使われています。
Mify: Only ducks here. No zebras.(ここにはアヒルだけ。シマウマはいないわ。)
Grunty: Hmm, maybe it stopped here for a drink(?), and it went this way. Come on!
(うーん、たぶんここで止まって水を飲んで、それからこっちに行ったのよ。来て!)
シマウマを探しに池まで来たミッフィーとグランティですが、当然のごとく、シマウマなんて見当たりません。
グランティのせりふは、こう言っているような言っていないような…。でも意味はこれで合っていると思います。
"stop for ..."は「〜のために立ち止まる」。「昼食をとりに(レストランなどに)寄る」なら"stop for lunch"などとなります。
Grunty: I still can't see zebras. Can you?(まだシマウマは見つからない。あなたは?)
Mify: Hmm, no.(うーん、だめみたい。)
Grunty: Oh, well, we did try.(うーん、まあ、私たち努力はしたわね。)
シマウマさんは、どこへ行ったのやら…?
グランティが言っている"we did try."というのは、動詞"try"を助動詞"did"で強調して「(シマウマ探しはあきらめるけど)私たち頑張ったよね」みたいなニュアンスを含んでいるように思います。
Farmer: Oh, did you find him? Did you see him?(あっ、見つけたかい? 彼を見かけた?)
Mify: No, we looked everywhere but we didn't find any zebras.
(いいえ、あちこち探したけどシマウマは見つからなかった。)
Farmer: Oh no, not zebras, I meant my horse. Someone's let the gate open and now he's run away!
(ああ、いや、シマウマじゃないんだ、私の馬だよ。誰かがゲートを開けっぱなしにしていて、逃げてしまったんだ!)
牧場に戻ってきた二人ですが、こんどはジョンおじさんがオロオロしています。
さっきも出てきたお馬さんが行方不明なんですって! なんだかオチが見えてきたような感じですが…?
Mify: No, we didn't see a horse. Did you, Grunty?
(いいえ、馬は見なかったわ。見た、グランティ?)
Grunty: No, I'm no good at spotting anything.(ううん、私は何を見つけるのも下手だから。)
Mify: Look out! Grunty, wet paint! Ha-ha, you're all stripy, Grunty.
(気をつけて! グランティ、ペンキ塗りたてよ! ハハハ、グランティがシマシマになっちゃった。)
グランティ、シマウマが見つからなかっただけで「私は何も見つけられない…」と大げさです。さっきの「私、ペンキ塗り上手すぎ!」発言とは対照的ですね。
落胆してフェンスに寄りかかるグランティ、服にペンキがべったりとついてしまいました。
"stripe"(しましま)が形容詞化して"stripy"(しましまの)という語が使われていますね。
そこへ、茶色と白の斬新な模様の馬が登場します。
Grunty: My zebra!(私のシマウマさん!)
Mify: Huh?(えっ?)
Farmer: My horse!(私の馬だ!)
Mify: Oh, it must've lent against the wet gate! Just like you, Grunty.
(ああ、きっと乾いてないゲートに寄りかかったんだわ。あなたみたいにね、グランティ。)
Grunty: Oh, yes!(あっ、そうか!)
やっぱり、牧場の馬とグランティの言うシマウマは同一人物(同一馬物?)だったようです。
ミッフィーのせりふ" it must've lent against the wet gate"が少し複雑なので、細かく分析。
"must've"は"must have"の省略形。動詞の過去分詞形をつなげて「〜に違いない」という意味をあらわします。
(この"must have +過去分詞"についての詳しい解説はこちらの過去記事をどうぞ)
"lent"は動詞"lean"の過去分詞形。"leant"と綴ることもあります。
"lean against ..."で「…に寄りかかる」。
合わせて、「それ(馬)は、濡れた柵に寄りかかったに違いない」となります。
「誰かが柵を開けっぱなしにして…」というのも、柵に寄りかかったお馬さんが犯人だったわけですね。柵板の形に白い縦縞模様がついたお馬さん、確かにシマウマに見えなくもないかしら…?
Farmer: I'm sorry I didn't believe you, Grunty. He does look like a zebra.
(君を信じなくてごめんよ、グランティ。彼は確かにシマウマに似ているね。)
Grunty: That's OK. He looks like both. Hello, zebra.
(いいのよ。彼はどっちにも見えるもの。こんにちは、シマウマさん。)
Mify: Ha-ha, hello, horse.(ハハハ、こんにちは、お馬さん。)
Grunty: Hello, zebra-horse!(こんにちは、シマウマウマさん!)
冗談だろうとグランティを疑ってかかったジョンおじさん、反省しきり。
グランティは、シマウマのようなウマのような不思議な動物となったお馬さんに"zebra-horse"と、これまた不思議な名前をつけちゃいました。
Farmer: We'd better take that zebra for a wash now. And you too, Grunty, ha-ha!
(さて、このシマウマを洗ってあげなくちゃね。君もだよ、グランティ。ハハハ!)
Mify: Look out, Farmer John!(気をつけて、ジョンおじさん!)
Mify&Grunty: Wet paint!(ペンキ塗りたて!)
Farmer: Oh!(あ!)
"had better ..."で「〜するのがよい、〜すべきだ」。お馬さんをすぐに洗ってあげなくちゃ、ということですね。でも、ペンキってどうやったら落ちるのかなぁ。
ちなみに、仕事でペンキ塗りをしたときの私のジャージは黒い生地なのに白い斑点模様になって二度と取れなくなり、結局捨ててしまいました(遠い目…)。
「君もペンキを落とさなきゃね」なんて言いながら、ジョンおじさんもペンキがべったりついた柵に寄りかかって、二の舞ならぬ三の舞。
みんなで思いっきり笑って、おしまい。
(ところで、ミッフィー達はペンキ塗りを途中で放り出してシマウマを探しに行ったはずなのに、戻って来るとペンキ塗りはすっかり完了していましたね。結局ジョンおじさんが全部塗ったのかしら…?)
さて、今週は「ミッフィーのぼうけん」の放送がお休みなので、次回は予告どおり5月に受けたTOEICの公開反省会をいたします。
「ロシア語の部屋」のほうもぼちぼち更新しておりますので、よろしくお願いしますね〜。
では、また近いうちにお会いしましょう。