かあさんは雨女

語学と育児、その他いろいろ。

「ミッフィーのぼうけん」で英語リスニング&ディクテーション! 5月13日放送「ミッフィーのカート」

こんにちは。語学大好きかあさん、マミです。

今日も元気に、Eテレの英語アニメ「ミッフィーのぼうけん」のせりふを聴き取って解説するディクテーション企画をお送りいたします。

 

初夏の日差しが爽やかな今日この頃ですが、今回の「ミッフィー」はなぜか冬のお話。

ミッフィーたち、手押し車を持ち出して遊びに行くようです。

 

※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。

英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜

 

Miffy's Go-Cartミッフィーのカート) 

 

ミッフィーとグランティが、取っ手のついた木製の車を運びながら丘を登っていきます。

タイトルにもある通り、この車は"go-cart"といいます。

この"go-cart"という語、辞書には「乳母車、手押し車、歩行器」とありますが、ここでは子どもの外遊びにも使える手押し車のこと。農作業なんかにも使いそうな見た目をしていますね。

日本で「ゴーカート」というと、遊園地なんかで子どもが操縦して走る車を想像してしまいますが、元の英語は少し意味が違うんですね。

スペルは"cart"となったり"kart"となったりするようです。使い分けの基準はあるのかしら…?

 

Miffy: Hurry up, Grunty! It's freezing.(急いで、グランティ! 寒いんだから。)

Grunty: I'm going as fast as I can. This go-cart is heavy.
(ものすごく急いでるよ。このカート重いんだもん。)

Miffy: And I think I know why.(なんで重いか、わかるわ。)

Grunty: Snuffy!(スナッフィー!)

 

グランティが一生懸命カートを引っ張って運びますが、どうも前に進まないと思ったら、犬のグランティがカートに乗っかっていたのでした。

そこへ、もう一人の友だち、ダンが登場します。何か、そりのようなものを運んでいますね。

 

Miffy: Oh, look! It's a new boy from school. Can you remember his name?
(あ、見て! 学校に新しく来た男の子よ。名前覚えてる?)

Grunty: Come on, Flopear!(おいで、たれみみくん!)

Miffy: Grunty! You shouldn't call people names.(グランティ! そんな悪口言っちゃだめよ。)

Grunty: But his ear is so floppy.(でも、あの子の耳って本当に垂れてるんだもん。)

 

これまでのエピソードに何度も登場したおなじみのダンですが、実はこのエピソード、ダンが初登場する回なのです(※再放送なので)。

どうやら、ミッフィーたちの学校に来た転校生ということらしいですね。この設定は元祖「ミッフィー」シリーズ(日本語版では「うさこちゃん」シリーズ)の絵本の内容と同じです。

そして、ダンの片耳が垂れていることから、みんなに"flopear"というあだ名をつけられているというのも絵本と同じ。

"flop"は「バタバタ動く、倒れる、落ちる」など様々な意味をもつ動詞で、ここでは「片耳(ear)がパタンと折れ曲がっている状態」を表現したものと思われます。

ちなみに、この"flop"を形容詞化した"floppy"という語は、あの「フロッピーディスク」(若い人は知らないかも?)の語源になっています。これは「薄くて壊れやすい素材でできている」というニュアンスからきていて、それに相対する概念として登場したのが「ハードディスク(hard disk)」という語だとか、なんとか(←これはWikipediaに書いてあった情報なんですが、ホントかなあ…)。

 

話を戻しまして、ダンのあだ名"flopear"の和訳「たれみみくん」は、元祖絵本版の日本語訳より拝借いたしました。

転校生のダンに対して、遠慮のかけらもなく「たれみみくん!」と言い放つグランティ(吹き替えでは「たれみみ!」と呼び捨てにしていました…)。

対するミッフィーは、「そんな言い方しちゃダメ!」という意味で"You shouldn't call people names."とたしなめます。

"call ...(人) names"で「…の悪口を言う、…を罵倒する」という意味のイディオムになります。"name"という語は複数形で"names"にすると「蔑称、悪口」というネガティブなニュアンスをもつようになるのです。

 

 

Miffy: Hello, I'm Miffy. And this is Snuffy.
(こんにちは、私はミッフィー。それで、この子はスナッフィーよ。)

Dan: Hello, Miffy. Hello, Snuffy. My name is Dan.
(こんにちは、ミッフィー。こんにちは、スナッフィー。僕はダンっていうんだ。)

Miffy: Hello, Dan. And this is Grunty.(こんにちは、ダン。それと、こっちはグランティよ。)

Grunty: Hello, Flopear.(こんにちは、たれみみくん。)

Miffy: Grunty. Dan just told you his real name.
(グランティ。ダンがいま本当の名前を教えてくれたじゃない。)

Dan: It's all right. People call me that a lot. It's because of my ear.
(大丈夫だよ。みんな僕をそう呼ぶんだ。こんな耳をしているからね。)

Grunty: Why are you carrying your go-cart? Everyone knows it's easier if you pull them.
(どうしてカートを持って運んでいるの? 引っ張るほうが簡単だってみんな知ってるよ。)

 

今回のグランティ、ちょっと意地悪というか、子どもの残酷さを絵に描いたような態度をしていますね…。

ダンは「みんな僕をたれみみって呼ぶんだ、もうしょうがないよね…」みたいな諦めモードで、見ていてちょっと切なくなります。

 

最後にグランティが言っている"Why are you carrying your go-cart?"について。

"carry"は「運ぶ」という意味の動詞ですが、ここではダンがカートらしきものを「手にもって運んで」いることを指しています。

グランティは車輪付きのカートを引っ張っているので、「あなたも手で運んだりしないで、こうやって引っ張ればいいのに」と主張しているわけです。

 

Dan: I can't pull it. It doesn't have any wheel, see?
(これは引っ張れないんだ。タイヤがないんだよ、ほら。)

Grunty: Flopear's go-cart is broken.(たれみみくんのカート、壊れてる。)

Miffy: Grunty! His name is Dan.(グランティ! 彼の名前はダンよ。)

Grunty: OK. But he's wasting his time carrying a broken go-cart.
(わかった。でも壊れたカートを運ぶなんて、時間の無駄ね。)

 

グランティの意地悪はまだ続きます。

ダンが持っているのは もはやカートではないように思うのですが、「タイヤのついてないカートなんて、へんなの!」とでも言いたげなグランティ。

 

Dan: Hmm, maybe. You'll see.(うーん、どうかな。じきにわかるよ。)

Grunty: Miffy, hurry up!ミッフィー、急いで!)

Miffy: I'd better go. See you later, Dan!(行かなきゃ。後でね、ダン!)

Dan: Bye, Miffy!(バイバイ、ミッフィー!)

 

ダンが言っている"You'll see."というのは、「今に見ていろ」「じきにわかるさ」という意味をもつ定型表現。

グランティにカート(?)を馬鹿にされたことに対し、ダンは感情的にならず冷静に対処していますね。

ミッフィーが言っている"I'd better go."というのは「もう行かなきゃ」という意味。"had better ..."で「…すべきだ、…するのがよい」という意味の構文ですね。

 

さて、ダンと別れて丘の頂上に着いたミッフィーとグランティ。そこへ、ちらちらと雪が降ってきました。

 

Miffy: It's snowing! I love snow!(雪が降ってる! 雪、大好き!)

Oh, of course. That's why the sky is so gray.
(ああ、なるほどね。だから空がこんなに灰色なんだわ。)

 

グランティはカートに乗り込もうとします。ここからカートに乗って丘を下るのですね。

 

Grunty: Come on, Miffy! Let's go!(おいで、ミッフィー! 行こう!)

Miffy: Wait, we can't leave Dan on his own if it's snowing. We should go back and help him.
(待って、ダンを雪の中で一人にしておけないわ。戻って手伝わなきゃ。)

Grunty: Oh, OK.(ああ、わかったわ。)

 

ミッフィーは優しい子だなあ。

"on one's own"は「ひとりで、単独で」という意味のイディオム。

確かに、雪の中で子どもが立ち往生してしまったら大変!

 

Miffy: This is fun!(楽しい!)

Grunty: Look! There he is.(見て! あそこに彼がいる。)

 

ミッフィーとグランティ、カートに乗り込んでダンのところまで下っていきます。

 

Miffy: Hi, Dan.(ダン、来たわよ。)

Dan: Miffy! Grunty! You came back.ミッフィー! グランティ! 戻って来てくれたの。)

Miffy: Of course we did. We thought you might need some help.
(もちろん。あなたが困ってるんじゃないかと思って。)

 

ミッフィーとダンは、ダンが運んでいたカート(?)をミッフィー達のカートに積み込みます。このまま上まで運ぶのですね。

 

Grunty: Hurry up. When we get back to the top, it's my turn to drive.
(急いで。頂上に戻ったら、今度は私が操縦する番ね。)

 

ミッフィー達のカートは、ちょっとしたブレーキがついていて動きを多少制御できるようなので(一体どういう機構なんだ…)、"drive"という動詞を用いることができるみたいです。"drive"って、エンジンつきの車に対してでなくても使えるんだなあ。

 

さて、ミッフィーたちは再び頂上に到着しました。

 

Grunty: My turn at last!(やっと私の番だ!)

 

グランティが嬉々としてカートに乗り込みますが、カートは何故か前に進みません。

 

Miffy: There's too much snow. The wheels are stuck!
(雪が多すぎるわ。タイヤが止まっちゃった!)

Grunty: Oh, now we can't drive go-cart. All our fun is ruined.
(ああ、これじゃカートが操縦できない。楽しみがぜんぶ台無しだわ。)

Dan: Well, maybe we could play something else. Look!
(うーん、他のもので遊べるかもしれないよ。見て!)

 

"stuck"は動詞"stick"の過去分詞形。"stick"には「動かなくさせる」という意味なので、ここでは「タイヤが動かなくなった」ことを意味しています(日本語でもこういう状況のことを「スタックした」といったりしますね)。

「楽しみが台無し!」と絶望するグランティ("ruin"はそれくらい強く「ぶち壊す」という意味を表す動詞)。

そこへ、ダンが自分のカート(?)を動かしてみせます。タイヤが無いので、雪の中でもへっちゃらで動きます。

 

Grunty: Oh.(わあ。)

Miffy: So, your go-cart isn't broken after all.
(それじゃ、あなたのカートは壊れてなんかなかったのね。)

Dan: No, just because something looks a bit different doesn't mean it's broken.
(そうだよ、見ためが少し違うからって、壊れているとは限らない。)

Which is why this isn't a go-cart.
(だってこれは、カートじゃないんだもの。)

 

ダンが言っている"just because something looks a bit different doesn't mean it's broken."という長い文について、ちょっと分析してみましょう。

この文は二つの部分に分けることができます。

 

just because something looks a bit different / doesn't mean it's broken.

 

まず前半部分。"just because 〜"で始まる節は「〜だからといって…」という意味の構文をつくります。

"just because something looks a bit different"で、「何かがちょっと違って見えたからって…」という意味になりますね。

そして後半。"doesn't mean it's broken"で、「壊れているという意味にはならない」となります。

合わせて、「(他のものと)少し違って見えたからって、壊れているということにはならない」という意味の文になるわけです。

 

これと同じ構造の例文が辞書に載っていたので、引用しておきますね。

 

Just because he doesn't like her doesn't mean he should treat her so badly.

(彼は彼女が好きではないからといって、そんなにひどく扱ってよいという理由にはならない。)

 

"doesn't"が二つあって初見では混乱してしまいそうですが、"he doesn't like her"の後で文を前後に分けられることがわかれば、文の構造が見えてきますね。

 

見ためがちょっと変わっているからって、バカにしていい訳じゃない。

そんなダンの主張が、見た目だけで「たれみみ」というあだ名をつけられたダンの不本意さを表現しているようでもあります。

 

さて、話を元に戻しましょう。

"Which is why this isn't a go-cart."というダンのせりふ。

"Which is why ..."は、前の文を受けて「それが…の理由だ」という意味ですね。ここでは「そういうわけで、これはカートじゃないんだよ」とでも訳せましょうか。さきほどグランティに「壊れたカート」とバカにされたことを踏まえた発言ですね。

 

ダンは「カートのようなもの」に乗って、雪の上を軽快に滑っていきます。

 

Grunty: It's a sledge!(そりだ!)

 

ダンが持っていたのはカートではなく、"sledge"(そり)だったのですね。

(まあ最初から、見た目的にも そり以外の何物でもなかったわけですが…。)

 

Dan: Pretty cool, eh?(クールだろ?)

Grunty: Wow! Your sledge is amazing! Can I have a go, flopear?
(うわあ! あなたのそりってすごいね! 私もやってみていい、たれみみくん?)

Miffy: Grunty, that's not his name, I told you.
(グランティ、それは彼の名前じゃないって言ったでしょ。)

Grunty: Oh, I'm sorry. I didn't think. Can I have a go please, Dan?
(あ、ごめんなさい。考えなしだったわ。私もやってもいいかな、ダン?)

Dan: I'd love you do(?). In fact, I thought we could all have a go!
(もちろんだよ。っていうか、みんなやったらいいと思うよ!)

 

グランティ、ようやく「たれみみ」呼ばわりをやめてくれましたね。

ダンの最後のせりふは聴き取れませんでした。「もちろん」みたいなことを言っているのは間違いありませんが、絶対こうは言っていない…。むむむ。

"in fact"は「実は」とか「要するに」という意味のイディオムですが、ここでは「実は僕、こう思ってるんだよね」くらいの意味でしょうか。

 

Dan: Three, two, one, go!(3、2、1、ゴー!)

 

ダンのそりが、ミッフィーのカートを引きながら坂道を下っていきます。うーん、楽しそう。

 

Dan: Great steering(?), Grunty!(うまいね、グランティ!)

 

ここも音楽がかぶっていて、よく聴き取れませんでした。

"steering"という名詞が「かじを取ること、操縦」という意味なので採用してみたけど、いまいち自信なし…。

 

Miffy: That was so much fun. Thank you, Dan.
(とっても楽しかった。ありがとう、ダン。)

Grunty: Yes, can we go sledging again, Dan?
(そうね、またそりで遊びに行こう、ダン?)

Dan: Of course we can.(もちろんだよ。)

Miffy: But first, Let's go inside for some chocolate milk.
(でも、先に中に入って、チョコレートミルクを飲みましょ。)

Grunty&Dan: Chocolate milk! Yummy!(チョコレートミルク! おいしそう!)

 

グランティ、ダンのことを自然に名前で呼ぶようになって、すっかり仲良しになることができました。

3人は仲良くミッフィーの家に入っていきます。

新しい友だちができて良かったね。おしまい。

 

さて、毎度ギリギリでお送りしていますディクテーション企画。

来週(もう今日放送ですが)のエピソード「ミッフィーとすなのおしろ」は既に当ブログでディクテーション済みなので、次回はお休みです。

 

次は、スペイン語ライティングを久々にお届けできるかなあ…。

ともあれ、また近いうちにお会いしましょう〜。

 

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