かあさんは雨女

語学と育児、その他いろいろ。

近況報告&合格報告。

こんにちは。たいへん長らくごぶさた致しました。

8月ということで、ひょっとするとお察しいただいていたかもしれませんが、実家に帰省しておりました。

ということで、今日はちょっとした近況報告回です。ロシア語関連のお話はまた後日。

スペイン語の話は、最後のほうにちょこっとあります)

 

さて、帰省準備に取り掛かる前にもう一回くらいブログ更新できるかな? と思っていた私ですが、どうにもバタバタしてしまい…。というのも、私どもが現在住んでいる北陸地方から、まずは私の故郷・関西へ、そして夫の故郷・九州へと、赤子をつれてハシゴ帰省しておったのでございます。

しかも、お盆の混雑を避けるため(あと私が実家でゴロゴロするため)、私とおタマだけ1週間先に関西へ出発することになっていたので、育児グッズをギッシリ詰めたバックパックを背負いベビーカーを押しお土産を持ち、一人(まあ二人ですけど)でバスや特急を乗り継いでの帰省とあいなりました。今となっては、サンダーバードの中でおタマを抱えながらどうやってベビーカーを畳んだのか、よく覚えていません。あ、でも道すがら、たくさんの人に助けていただいたのは覚えております。親切な人がたくさんいらっしゃって涙が出そうでした。その節は本当にありがとうございました。

 

そんなこんなで、ぶじに2週間の期間をなごやかに両実家で過ごし、さあ帰るぞ!という日の朝。おタマ、まさかの発熱。39度! あわわわわ。「色んなとこに行ったから、知恵熱かしらねー」なんて言いながら、ゆるめのスケジュールにしていたのをいいことに帰宅を延期し、九州のご実家でゆっくり休ませていただきました(ありがとうざいました!)。翌日おタマは無事に回復。いったん関西の実家にUターンし、1泊(ありがとう!)したのち北陸へ帰宅。長旅の荷物もすべて片付き、ようやくこれで一息…と思ったら、なんだか寒気が!えっ、いやいやいや、そんなはずは…と思って熱を測ったところ…

 

39度でした。

 

見事にうつりました、知恵熱。

私も母として初めての経験いっぱいしたからネー(棒読み)

 

まあ、帰ってきた翌日は、所用があっておタマを保育園に預ける予定だったので、このままゆっくり休ませてもらおう…。ということで、一昨日までダウンしておりました。

 

私がそんな調子でしたので、定時退社マンのナコ太さんに育児を全権委任し、半日ほどがんばっていただいたのですが、娘の寝かしつけが終わって一言…

 

「一人でおタマちゃんのお世話…思ってた以上に大変やった…」

 

と、まさに「orz」の姿勢でグッタリと電池切れしておりました。

うん、私への最大の褒め言葉ですな。平日だけでもワンオペ育児は大変です。

まあ、私はおタマが一日中寝てばかりの新生児期から少しずつ慣らして、今の手抜き育児(笑)の手法を確立してきているので、いきなりやることになったナコ太さんとは色々な面で事情が異なりますが。

とはいっても、ナコ太さんが日頃から家事&育児に関わってくれているお陰で、私が寝ている間もほぼ何も聞かれずに安心して休むことができました。ありがとです。一晩休んで風邪の症状も落ち着き、こうしていま元気にブログを執筆しております。

 

余談ですが、おタマを保育園(初めての一時保育)に連れていくのも、午前休をとってナコ太さんがやってくれました。

帰ってきたナコ太さん、(:_;)←こんな顔になっているので、話を聞いてみると。

 

ナ「(:_;)」

私「えっなに、どないしたん」

ナ「おタマちゃんが…」

私「おタマがどうした。預けてきたんでしょ」

ナ「預けたけど…」

私「何やねんな」

ナ「泣いてた…(:_;)」

私「……」

 

どうやら、預けるときに別れを惜しんでおタマがギャン泣きしたようなのですが、娘がかわいいあまり感情移入しちゃうナコ太さん。相変わらず、ガラスのハートの持ち主です。

保育園からの連絡によると、おタマは父との別れにしばらく泣いたあと、おむつを替えてもらったらケロっとしてオモチャで遊びはじめたそうです(父のほうが別れを引きずっていたやも…)。保育園あるあるですよねー。

 

おタマももう1歳。同じ月齢の子たちはママさんが復職して保育園に入る子が多いですが、私は育休を3年取得する予定なので(このへんの事情についてもまたゆっくり書けたらいいな)、保育園入園はまだまだ先です。が、私やおうちにベッタリになってしまわないよう、時々はこうして一時保育に預けるなどしていきたいと思っています。おタマも少しずつ、外の世界に慣れていってほしいな。保育園はそこそこ楽しかったらしく、給食もしっかりおかわりしたそうです(笑)。さすがおタマ。

 

と、こんな日々を過ごしておりましたが、勉強はしっかり続けていましたよ! むしろ実家にいる間は、雑念にとらわれず集中して勉強することができ、ありがたい限りでございました(夫の実家で勉学に勤しむ嫁…笑)。

次のスペイン語検定4級受検、そしてロシア語検定試験ТРКИ受検(こっちはちょっと弱気だけど…)に向けて、着々と準備を進めております。

 

で、すっかり忘れておったのですが、スペイン語検定5級の合格通知が届きました。

得点は? 合格率は? 全体の講評と模範解答は??

と、ワクワクしながら封筒を開けたのですが、

 

ぺらっ…

 

中身は、合格証書1枚のみでした。

 

………。

あっれー?

6級のときもそうだっけー??

いや、きっとそうでした。そのときは「まあ一番低い級だからな…」と思った記憶があるのですが…ひょっとして、全部の級、詳細情報なし?

いや、3級からは面接があるから、ひょっとして…??

 

うーん…謎です。

まあ、とにかく合格したから、よしとしましょう。

(何点とったかくらいは教えてほしいもんだけど…過去問も入手困難だし。)

 

4級対策については、必要語彙数約2000のうち8割方は頭に入ったかんじです(多分)。文法も、NHKラジオ「まいにちスペイン語中級編」で、接続法過去まで復習が進んでおります。

問題集および過去問を使った演習は、9月に入ってから。

10月末の試験まで、じっくり対策を続けますよー。

 

と言いつつ、当ブログでは次回より、引き続きロシア語の話をしていきますー。

チェブラーシカの字幕解説、続き! お楽しみに。

ではまた。

チェブラーシカの名前の秘密。〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その①〜

こんにちは。

生後11ヵ月になりました我が娘・おタマ、最近はおしゃべりが盛んです。

ごにょごにょ」「ぷぎゃ」「てぃこんてぃこん」と、色んな発音ができるようになってまいりました。こちらも負けじと「ごにょ!ごにょごにょ!?」とお返事し、会話を楽しんでおります。

娘がいちばん最初に発声できるようになった音が「パパパ」、その後「マンマ」「ダダダ」「ナンナン」と続き、最近はガ行やカ行の音も組み合わせて複雑な発声ができるようになったようです。

 

おタマの発声を言語学的に分析すると、調音点(音を出す部位)が唇→歯茎→軟口蓋(喉の手前)と口の奥へ向かっていき、調音法(音の出し方)も閉鎖音(破裂音ともいいます)から鼻音へと、複雑になっていっております。こういう言語獲得のプロセスを目の当たりにするのは、語学オタクとしてまことに楽しいものです。

「パパ」が「ママ」の発声より先だった悔しさも、「まあ鼻音より閉鎖音の方が発声しやすいしね…」と納得することができるわけです。笑。

 

さて、のっけからマニアックな話をしてしまいましたが、前回の続き。

チェブラーシカЧебурашка)のアニメを使った学習を進めてまいります。

私はDVDを買いましたが、YouTubeでも観ることができるので、ロシア語を学習中の方は参考にしていただければ。

著作権の問題があるのでリンクは貼りませんが、Чебурашкаで動画検索すればヒットするはずです)

 

今回はDVD収録順に、最初の作品"Крокодил Гена"(1969年製作、邦題「ワニのゲーナ」)のスクリプトを日本語に訳し、解説していきます。

ただ、私は翻訳の専門家ではなく、ロシア語力も中級にさしかかったレベルなので、わからないところがあったり、間違った訳をしたりといったこともあるかと思います。そのような場合は、コメントでご指摘をいただけるとありがたいです。

ちなみに、スクリプトインターネットで見つけたものを使用しますが、編集が少し違うためか、ところどころ日本で販売されているDVDとは異なる箇所があります。わかるものは頑張って聴き取ってみますが、わからなければ上記スクリプトをもとに書いていきますので、DVDの内容と違っているところはご容赦ください。

 

では、始めてみましょう。ロシア語原文と口語訳は青字で書いていきます。

 

 

まず、冒頭のシーン。チェブラーシカの記念すべき初登場シーンですね。舞台は野菜や果物を扱うお店。見切れていますが、看板には"ОВОЩИ-ФРУКТЫ"(野菜・果物)の文字が。

果物屋の主人、オレンジが詰められた箱を次々と開けていくと、中からとつぜん奇妙な生き物が現れます。

 

主人:Оранжес... апельсины.oranges… オレンジか。)

Опять чебурахнулся. Чебурашка какой!

(またばったり倒れた。まったく、(君は)チェブラーシカだな! )

Что же мне с тобой делать?(さあ、どうしようか?)

チェブラーシカ Не знаю.(わからない。)

[Закрыто. Ушёл в зоопарк.](閉まっています。動物園へ行っています。) 

 

オレンジに紛れて、なぜか箱の中に入り込んでいた謎の生き物。何度起こしてもフラフラ、バッタリと倒れてしまうその生き物に、主人は「ばったり倒れ屋さん」という意味のチェブラーシカという名前をつけます。

ところで、この「ばったり倒れる」という言葉。чебурахнулся(チェブラフヌールスャ)、過去形になっているので原形に戻すと"чебурахнуться"(チェブラフヌーッツァ)となりましょうか。気になったので辞書を引いてみましたが、載っていませんでした。ウェブで調べても、чебурахнутьсяという動詞は「チェブラーシカの映画に出てくる語」としかヒットせず、うーん…どういう意味だ? ひょっとして、造語? と、のっけからつまずいてしまいました。

 

あんまり気になったので、大学時代に知り合ったロシア人(日本語ぺらぺら!)の友人に連絡して聞いてみたところ、「オノマトペ的な感覚としてはわかるけど、日常的に使う語ではない」とのこと。

うーん、なるほど。「ちぇぶらふぬーるしゃ!」という響きが、なんかズコーっとすっ転ぶような感じに聞こえるのかな。わかるような、わからないような…。オノマトペの感覚って、日本語もそうですが、ネイティブじゃないとなかなかつかめなかったりしますものね。

 

というわけで、チェブラーシカ(長いので、以下「チェブ」と表記します)の名前の秘密がわかったところで、次です。

 

主人のせりふ"Что же мне с тобой делать?"、жеは直前の語を強調するはたらき。「いったい何をしようか」というニュアンスでしょうか。

мне с тобойは「君と私」、мнеがなぜか与格になっていて、動詞делатьが不定形になっているのがよくわかりませんが、「これからどうしようか…」と、チェブと一緒に困ってあげている主人の優しさがにじみ出たせりふのように思います。

最後の立て札の言葉"Ушёл в зоопарк."、ушёлは「去る」という意味の動詞уйтиの過去形で「動物園に行っているので、今はいません」となるわけですね。

 

とりあえずチェブの居場所を探しに、動物園へとやって来た二人。守衛さんに「オレンジ」と書いた紙を渡し(それで事情がわかるのか…?)、チェブと一緒に動物園で調べてもらいます。

 

主人:Вот!(ほら!と紙を渡す) 

守衛:Не... зтот не пойдёт - неизвестный науке зверь.(いや…これは、うまくいかない。なに科の動物かわからないんだ。)

Не знают, куда его посадить.(どこに入れたらいいのか、わからない。)

 

この"зтот не пойдёт"、пойдётの不定形пойтиは「歩き出す、動き出す」という意味ですが、どうもコトがうまく運ばない、という意味だと思われます。

неизвестныйは、「有名な」という意味のизвестныйに否定の接頭辞неがついて「知られていない」の意味。наукеは「科学」という意味のнаукаの前置格?ですが、「どの科に分類するか」くらいの意味でしょうか。チェブちゃんは一体どういう種類の動物なのか、動物園でもわからなかったのですね。

"куда его посадить"、посадитьは「座らせる」という意味の語で、「チェブをどの檻に入れたらいいか」ということですね。辞書を引くと、посадить в тюрьмуで「監獄に入れる」という意味になるんだとか。

 

動物園に入れなかったチェブ(このときの悲しそうな表情といったら!)、今度は主人に連れられて、ディスカウントショップ(看板には"УЦЕНЕННЫЕ ТОВАРЫ"「ディスカウント商品」の文字)へ。

 

ディスカウントショップ店長:Мне нравится этот зверь.(この動物、気に入ったよ。)

Он похож на бракованную игрушку.(捨てられたオモチャみたいだ。)

Будешь работать у нас - стоять в витрине привлекать внимание прохожих. Понятно?

(君は僕たちのところで働くんだ。ショーウインドウに立って、通行人の注意をひきつけるんだよ。)

チェブ:Да, понятно. А где я буду жить?(わかった。で、僕はどこに住むの?)

店長:Жить?(住む?)

チェブ:Да.(うん。)

店長:Да, хотя бы здесь.(そうだな、せめて、ここでも。(電話ボックスを指す))

Это и будет твой так сказать дом. Понятно?(ここが君の、いわゆる、家になるんだ。わかった?)

チェブ:угу.(うん。)

 

このディスカウントショップ(字幕では「リサイクルショップ」)の店長、チェブのことを「気に入った」と言っておきながら、「捨てられたオモチャみたい」と言い放ったり電話ボックスに住まわせたりと、ひどい態度です。ショーウインドウに立って…って、マスコットじゃないんだから。ぷんぷん!

 

と怒っても仕方ないので、気を取り直して解説。

 

мне нравитсяは「私は〜が気に入った」、基本の構文ですね。

похожは形容詞похожий(似ている)の短語尾男性形。на+対格で、「〜に似ている」となります。

бракованнуюはбракованный(拒絶された、除外された)の対格形ですね。チェブちゃん、こんなにかわいいのに、ここではB品のオモチャ扱いです。

будешь работатьは未来形。бытьの後に動詞不定形をつなげる形ですね。

стоять в витринеは「ショーウインドウに立つ。」витринеはвитрина(ショーウインドウ)の前置格です。

привлекать внимание прохожихで「通行人の注意を惹く」。прохожихはпрохожий「通行人」の複数生格。名詞ですが形容詞と同じ形なので、形容詞と同じ格変化をします。

  

ここで、 где я буду жить?(僕はどこに住むの?)というチェブの問いに対してхотя бы здесь.と答える店長。хотя быは「せめて、少なくとも」という意味の成句です。「まあ、これくらいでいいだろう」という店長のいい加減な考えがあらわれたせりふではないかと思います。だって、電話ボックスですものね。

次のせりふより"твой так сказать дом"、так сказатьは「いわゆる、言うなれば」というような意味なので、「これが君の、いわゆる、家みたいなものだ」とお茶をにごすような言い方になっています。

 

こんな扱いを受けても、健気にうなずいてみせるチェブ。

一体、これからどうなっちゃうの…?

次回、いよいよ本作の主人公「ワニのゲーナ」が登場!

 

というわけで、カメのようなゆったりペースですが、今日はこのへんで。本作は20分ほどの短い作品なので、少しずつゆったりと、しかし確実に、完走めざして頑張ってまいります。

では、また。

 

「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ。〜プロローグ〜

ママ友あるある 〜その3〜

ママさんを何と呼んでいいのかわからない。

 

私、「○○ちゃんママ」という呼び方がどうも苦手でして…。

「ママ」である自分も大事だけど、その前に三十数年間「私」として生きてきてるわけだしなあ。でも、娘の名前に加えて私の名前まで覚えてくださいと言うのも、おこがましい気がしたりして。うーん、難しい。

 

ちなみに、一緒に遊ぶママ友さんはみんな「マミちゃん」「マミさん」と呼んでくれています。ありがたいことです。

 

さて、今回もロシア語学習のお話。「チェブラーシカ」のDVDを使ってロシア語を学んでまいります。

「なぜDVDなのか?」と訊かれれば、私はこう答えます。

 

「英語学習が、それでうまくいったから。」

 

外国語を学ぶとき、入門から初級くらいまでは学習テキストを使って学べばよいですが、ある程度まで理論が身についたら、あとは生の素材を使って学習するのがいちばんだと思うのです。

 

学んだことばが、実際にどのように使われているのか?

似た意味の単語やフレーズが、どんなシチュエーションで使い分けられているのか?

 

学習テキストばかり使っていては、実地で役立つ会話力を身につけることが難しい…ということを、わたくし、英語学習で実感いたしました。というのも、高校まで必死こいて勉強していた「教科書の英語」が、留学先であまり役に立たなかった経験をしたのです(まったく役に立たなかったわけではないのですが…このあたりのことは、こちらの記事をご覧くださいな)。

 

慌てた私は、帰国してから英語のドラマや映画を使った学習を始めました。

私のやり方をまとめると、こんなかんじ。

 

①日本語字幕で、全体を通して観る。

②ストーリーが理解できたら、英語字幕をつけて観る。わからない語は辞書を引き、英語だけで理解できるようにする。

③英語字幕で何度も繰り返し観る。せりふを覚えるくらい、しつこく観る。

④字幕なしで観て、登場人物の言っていることがすべて理解できたら一丁上がり。

 

学習法には人それぞれ、向き・不向きがあると思うので、これが万能なやり方というわけではないと思います。私の場合、目よりも耳がいいので、リスニングにやや偏ったこの学習法がうまくいったのだといえるかもしれません。

視覚(見ること)・聴覚(聴くこと)・触覚(手を動かす事)のうちのどれが一番鋭いかで、自分に会った学習方法もおのずと変わってきますので、自分の適性を見極めることが大事ですね。

(※この理論は、私が大学のときに専門である応用言語学のゼミで習ったものです。また改めて、語学学習の理論についてはじっくり書きたいと思っています。)

 

で、私は上記の方法で学習を続けたところ、かなり自然な英会話の力をつけることができました。特によく観ていたのが、アメリカのシチュエーションコメディ"friends"。1話20分くらいで長さもちょうどいいですし、ニューヨークの若者がコーヒーハウスでダベっているシーンがほとんどなので、日常会話力をつけるにはもってこいです(笑)。コメディなので、単に観ていて楽しいし。この学習法を続けていたころ、TOEICで自己最高の950点(リスニングは満点)をマークしました。今はちょっと点数下がってますが。

 

話がそれました。ロシア語のことです。

独学で2年間ロシア語を学んできて、初級文法がひととおり終了し、日常会話もいけるくらいの語彙力もついてきたので、いよいよ何かロシア語の作品を鑑賞してみよう。というわけで、探してみました。

日本で観ることのできるロシア語の映像作品はとても少なく、しかもロシア映画となるとテーマが難解なものも多々あり、さてどうしようか…と思ったところで、チェブラーシカに出会ったわけです。

 

作品情報はこちら。

www.ghibli-museum.jp

 

1969〜83年に作られた映像ですが、作品全体に漂うなんともいえない哀愁と、主人公チェブラーシカの愛くるしい姿、一度観たら忘れられません。新しいバージョンもたくさん作られていますが、私はこの「元祖」の方がだんぜん好きです。

 

子ども向けのアニメなので語彙もそんなに難しくなく、ロシア語能力検定3級の私のレベルにぴったり。日本では「三鷹の森ジブリ博物館ライブラリー」からDVDが販売されており、さっそく購入しました。試しにざっと観てみたところ、いくらか聴き取れるフレーズがあったのがたいへん嬉しかったです。これぞ語学学習の醍醐味。外国語で作られた作品を、外国語のまま味わうことができるって、とても楽しいものです。

 

ただ、DVDの字幕は日本語のみで、ロシア語のスクリプト分析をすることができない。困っちゃった、そんなときに頼りになるのがgoogle先生。「субтитры чебурашка(字幕 チェブラーシカ)」でぐぐったところ、わりとすぐにスクリプトを載せているサイトを発見しちゃいました。うーん、便利な時代!

 

というわけで、これから少しずつ、チェブラーシカスクリプトを分析しながらロシア語学習を進めてまいります。

 

長くなっちゃったので、今日はこのへんで。次回から内容に入っていきます。

では、また。

ТРКИ対策の語彙集(多言語版)を買いました。

ママ友あるある 〜その2〜

自分の子より月齢の低い赤ちゃんのママさんに、先輩づらして「うちの子がこれくらいの時は〜」とか話していたら、実は上のお子さんがいらっしゃるベテランママさんだったことが判明したとき、なんだか無性に恥ずかしい。

 

こんにちは。ロシア語・スペイン語学習に奮闘中の新米かあさん、マミです。

もうすっかり夏ですね。スペイン語検定を受けてから、早いもので一ヵ月が経とうとしております。そろそろ次の目標を意識して、やることを増やしていこうかな。とか思いながら、今はゆる〜いペースでのんびりと学習を楽しんでいます。

 

語学学習は、楽しんでできるペースが大事。「やらなきゃいけない」と自分を追い込んで辛くなってしまうと、何のためにやっているかわからなくなってきます。これくらいのペースが心地いいなあ、少しずつでも前に進めて楽しいな、と思えるくらいがちょうどいいのです。

 

さて、今日は、かねてから話題にしていたТРКИ(外国人のためのロシア語試験)対策の話です。

来年の夏に第1レベルか、あるいは目標を下げて基礎レベルを受けることを決めた私。露検3級にも受かったことだし、次に向けてさっそく試験対策! 勉強するぞー!!

…と気合いを入れたものの、いきなり壁にぶち当たってしまいました。

 

ТРКИを受ける上での、最初にして最大の関門。

 

 

それは、情報の少なさです。

 

ロシア語能力検定試験(露検)を受ける時にも書いたのですが、ロシア語を学習しようと思うと、何をするにも情報が足りないのです。

一体、何をどのように勉強すればいいのか? 誰に習えばいいのか?

本屋さんに行けば、とりあえず初級向けのテキストはいくつか置いてあるので、入門〜初級の段階では独学でも何とかなります。が、中級レベル以上になると、途端に情報が少なくなってしまうのですね。

ましてや、日本で作られ、日本各地で実施している露検ならともかく(いやこれも教材の数はものすごく少ないんですが)、ロシア政府が直々に作成し、日本では東京にしか会場のないТРКИとなると、情報を共有してくれる受検者の数もぐっと減ってくるわけで。

もう、日本語だけで探そうとすると、情報はほぼ公式サイトにしかないと言っても過言ではありません。

 

ただ、ТРКИは世界中で実施している試験ですので、日本語にこだわらなければ、インターネットで試験対策情報を集めることはできます。教材も豊富にあるので、ネット書店で取り寄せればなんとか対策はできそうです。つくづく便利な時代を生きているものだなあ。インターネットのなかった時代だったら、それこそ専門の先生に習いに行くか、留学するくらいしか、中級より上のレベルに上がる手段はなかったかもしれません。

 

私は「育児しながら独学で」をコンセプトに学習を進めているので、なんとか家にいながらにしてロシア語の力をつけていきたいと思っています。

そして、同じように独学でロシア語を学ぼうとしている方の力になれれば、なおのこと嬉しいなあ…と思いながら、今後も手探りで見っけてきた情報をこのブログに載せてまいります。

 

もちろん、私のやり方がすべてではないので、「こんなのもあるよ!」というアドバイス的なコメントもいただけるとたいへん嬉しく思います。

 

では、さっそく情報を集めてみましょう。

まずは、日本でТРКИを実施している日本対外文化協会の公式サイトをチェック(というか、このサイトで初めてТРКИを知ったんですが)。ТРКИはロシアへ留学するときの語学力判定にも使われる試験で、入門、基礎、第1〜第4の6つのレベルがあります。

ざっくりとですが、語彙数や文法項目などから露検の難易度と比較してみると、こんなかんじでしょうか。

 

(易)露検4級<ТРКИ入門<露検3級<ТРКИ基礎<ТРКИ第1≒露検2級?(難)

 

※最後の露検2級に「?」をつけたのは、露検の2級以上を受けたことも問題を見たこともなく、レベルがつかみづらいためです。同様にТРКИの上のほうのレベルについても、習得語彙数6000とかになってくるため、もはや多すぎてよくわかりません(笑)。まだ視野に入れるレベルにも達していないということですね。

 

私は露検3級を先日取得しましたので、順当に行けばТРКИ基礎レベルを受けるべきなのでしょうが、色々な事情ですっとばして第1レベルを目指しています。

(そのあたりの事情についてはこちらの記事をどうぞ)

 

で、どうやって対策していくか。

ТРКИは、文法・語彙、読解、作文、聴解、会話の5分野で試験を受け、そのすべてで合格基準を満たさなければなりません。当然、バランスよく対策していくことになりますが、そうはいってもまず必要なのは語彙力です。読むも話すも書くも聞くも、ボキャブラリーがないと取り掛かることすらできません。逆に、語彙がある程度増えてくれば、映画や小説など色々な素材を使って学習の幅を広げることができるようになります。

 

というわけで、まずは第1レベルに必要な語彙を身につけよう。

 

ありがたいことに、日本対外文化協会のサイトには、ТРКИ対策教材をリストアップしたページがあります。ここの「第1レベル」「必須語彙集」欄をチェック。

長い書名ですが「Лексический минимум по русскому языку как иностранному」というものを購入することにしました。

 

ここで、ロシア関連の書籍を扱っている「ナウカ・ジャパン」というサイトに飛び、上の書名をコピペして検索。ありました。「外国語としてのロシア語彙ミニマム」という日本語タイトルがついていて少し安心したのも束の間、説明文は全てロシア語で書かれています。私のレベルでは手に負えないのでgoogle翻訳にかけるなどして、どうやら本当に第1レベルに必要な語彙を収録している単語集らしい…ということを確認、注文いたしました。

 

追記:

ロシア語学習者のエカテリーナさんより、ТРКИ関連書籍の購入方法についてコメントをいただきました。

ozon.ruというロシアの書店サイトから直接注文すれば、日本の書店で買うより半額以上もお得になることが多いのだとか!詳細については、コメント欄のリンク先をご覧ください。

 

 

ただ、懸念事項は一つ。

これ、何語で書かれているのだろうか?

 

単語集というからには、対訳がついているはず。でも、どの言語で訳がついているかは、説明文には書いていませんでした。英語…? まさか、ロシア語オンリーではあるまいな…?

うーん…博打。まあ、現物を見てみるしかあるまい。

 

届いたのは数日後。

ナウカジャパンさん、けっこう仕事が早かったです。ありがとうございます。

 

A4版くらいの大きさで、わりと存在感あります。

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で、中身はこんなかんじ。

 

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カメラが古いので画像が荒くて申し訳ないのですが、ロシア語の見出し語に、英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、中国語の訳が、見開き2ページにわたって書かれています。

 

こ、これはすごい。

語学オタクとしては、この見開きを見た瞬間に狂喜乱舞してしまいました。

まさかの多言語仕様!

スペイン語の勉強にもなるっ!!

 

しかも、最初のページにあった"ангина"という語。当然知らない言葉なのですが、英訳を見ると、

"quinsy"。

 

何それ?

 

で、スペイン語訳を見ると、

"angina"(ロシア語と同じ音)。

 

何それ??

 

さっぱりわからないので、英和辞典を引いたところ、

 

扁桃腺炎」だそうです。

 

…わかるかーい!!

 

扁桃腺炎。

最低限必要な2300語に収録されている語…。

まあ、ポピュラーな病気(?)では、ある…のだろうか?

 

と、こんなツッコミを入れながら、これから頑張って覚えていこうと思います。

 

見開き、約30語×約140ページ(70見開き)で、2000語と少し。

1週間に4ページのペースで覚えていけば、来年の春には終わるはず。そこから具体的な試験対策に入っていくつもりです。また、それまでの間にも、NHKラジオ「まいにちロシア語応用編」や「チェブラーシカ」のDVDなど身近な素材を使って学習を続けていきます。

 

ちなみにこの語彙集、巻頭の注意書きや凡例はロシア語で書かれています。品詞の名前や格などの文法用語もロシア語なので、こちらも勉強になりそう。

また、巻末には、ジャンル別に語彙をまとめ直したものや対義語・類義語集まであります。辞書代わりに活躍してくれそうです。

 

あと、もうひとつ。

ТРКИ対策本、日本語で書かれたものはほぼ皆無なのですが、日本対外文化協会が翻訳した手引書があるとのことでしたので、協会から直接取り寄せてみました。メールで注文、支払いは口座振込でした。

 

「合格へのステップ-Практические рекомендации для подготовки к сдаче теста по русскому языку как иностранному」 

というもの。

ただ、これはТРКИ対策について「こういうふうに勉強したらいいよ」とか「こういう参考書があるよ」という情報を紹介するもので、実際に学習する具体的な内容を記したものではありませんでした。「聴解を受けるときは先に問題文を読んで…」などなど、受けるときの心構えのようなアドバイスが多いです。各レベル別に参考文献が色々と載っているので、ТРКИ全体の説明書といってもいいかもしれません。作文と会話については、出題される文章のモデルも収録されていますので、これを使って学習するのはいいかもしれません。

 

何にしても、ТРКИを受ける数ヶ月前になったら、また改めて試験対策の問題集を取り寄せようと思っています。

 

では、今日はこのへんで。

次回からは、1970年代の愛くるしいアニメDVD「チェブラーシカ」を使った学習を少しずつ進めていきます。

 

日本人の働き方のヤバさ、公立学校教員の視点から。〜その②〜

こんにちは。

さっそく昨日の記事の続きを…といいたいところですが、とんでもないニュースを発見してしまったので、こちらを先に言わせてください。

 

夏休み16日に?母親からは賛否 | 2017/7/15(土) 19:43 - Yahoo!ニュース

 

〈以下、記事からの引用〉

吉田町教委の教育改革…町立小中学校の教員の多忙化を解消し、授業の準備時間などを確保することで質の高い教育を提供するのが狙い。夏休みを中心に長期休業を大幅に減らして授業日数を増やし、1日当たりの授業時間数を減らすのが特徴。2017年度の夏休みは24日だが、18年度は16日程度に短縮する方向で検討を始めた。

 

えーっと、夏休みを大幅に減らし、授業を増やすという動きだそうです。

まずこのニュースを見たとき、私は「うわぁ…更に先生が忙しくなるのか…」と暗澹たる気持ちになったのですが、本文には「教員の多忙化を解消(略)するのが狙い」とあります。

 

まったくもって意味不明です。

 

授業のない夏休み期間は、教員にとって、定時で帰れる数少ないチャンスです。

授業がないことで、昼間の時間を使ってゆっくりと書類仕事を片付けたり、普段できない教材研究をしたり、研修を受けに行ったりと、変な言い方ですが、勤務時間を使って仕事することができるのです。イレギュラーな生徒指導案件(生徒のケンカとか、いじめとか)が勃発する心配もありません。夏休みバンザイ、です。授業期間中には取得しづらい有給休暇を取れるチャンスでもあります。

それなのに、これまで夏休みだった期間に授業を詰め込むとなると、上に書いたような仕事をまた勤務時間外にやらねばならないことになります。教員の長時間労働を助長する施策に他なりません。

 

様々な事情で夏休みを縮める必要があるのなら、検討することは結構ですが、そこにもっともらしく「教員の負担軽減」などとウソっぱちを書かないでいただきたいものです。

 

 

さて、前置きが長くなりました。

日本の教員の働き方のヤバさについて、話をしています。

昨日は、授業準備以外にしなければならない業務の多さについて語りました。今日は、部活動と教員の待遇についての話、そしてこのメチャクチャな現状を打開するためのハチャメチャな解決策を示してみます。

 

②休日が部活動や地域の奉仕活動で潰される

 

教員のお仕事の中には、昨日書いた様々な業務とは別に、言わずと知れた部活動がありますね。この部活動、平日は18時頃(夏季)までやることが普通です。試合前になると、延長して18時30分終了になったりもします。教員の勤務終了時間は16時45分なので、部活動の監督をしているとそれだけで時間外労働になっちゃうわけですが、特に手当は出ません。

手当が出ないなら監督する必要ないじゃないか…と思われるかもしれませんが、部活動中に生徒が事故やケガ、トラブルなどに遭った場合、顧問が監督責任を問われます。実際には、部活をしている生徒を放っておいて職員室で仕事をしている先生も多いですが、私は自分の監督下にいる生徒がケガをしたり、いじめが発生したりするのが怖くて、常に部活に張り付いていました。ですが、これも教員による自主的な行動とみなされ、勤務にはあたらないわけです。責任が発生するのに、勤務ではない。頭がこんがらがってきます。

 

話がそれましたが、休日の部活について。休日に実施する部活動については「部活動手当」がつきます。なーんだ、お給料出るんだ…と安心してはいけません。これは自治体によりますが、この部活動手当には上限があります。だいたい3000円くらいのところが多いようで、昨年12月に「上限を3600円にする」というニュースが出て話題になりました。

手当が増えて嬉しい? とんでもないです。これは、「1日に、どれだけ長く働いても3600円しか出さない」ということなのです。部活動を1日中やったり、生徒を試合に連れていったりする場合、朝から晩まで12時間つきっきりということもままありますが、こういう日の場合、時給300円になる計算です。雀の涙どころか、ミジンコの涙くらいの額ですね。最低賃金などどこ吹く風です。

 

こういった、いわゆる「ブラック部活」問題に対しては、「部活顧問を拒否できる権利を!」という署名運動(クリックすると署名サイトに飛びます。詳しくは後述)があったり、「休日には部活をやらない」という考え方が広まってきたりしています。嬉しいことです。ただ、それでもまだ、保護者からの要望があったり、これまでの慣例を破れないなどの理由で、多くの教員がこの問題に悩まされています。

 

「ブラック部活」解決策の一つとして、長年実施されている「外部コーチ制」や「複数顧問制」というものもあります。文字通り、部活を専門にみてくれるコーチを配属したり、各部活に顧問を複数配置したりして、顧問の負担を軽減しようというものです。

しかし実際には、こういった制度が形骸化してしまっている現実があります。私が配属された中学校で、上記の制度を2つとも採用しているところがありましたが、実際には「外部コーチが、教員に部活に来ることを強制する」「複数顧問がいても、片方の顧問が自主的にずっと部活に参加しているため、(特に上下関係があったりすると)もう片方の顧問も休みづらい」「逆に、一切部活に来ない顧問がいて、もう片方の顧問が負担をすべて担わざるを得ない」など、いびつな状況が発生していました。特に外部コーチ制は、アルバイト扱いで勤務可能日数にも上限があり、つまるところ待遇が悪いため、ボランティア感覚で来ている暇なおじさんみたいなコーチばかり集まってしまい(失礼…まじめにやっている人もいますが)優秀な人材が集まり辛いというのが実情のようです。まあ、これも自治体によるでしょうけれど。

 

この他にも、地域でお祭りがあれば見回りをし、夏休みには夜間パトロール、地域の古紙回収事業への参加など、無償で労働を求められることがとても多く、こういったことに休日をどんどん潰されていきます。

 

③上記のように仕事量が多いにもかかわらず、残業代はゼロ

 

はい。ここまで、教員の重〜い業務負担について書きました。最後にお給料の話をします。

結論から言うと、教員に残業代はありません。どれだけ夜遅くまで残って働いても、基本的には、8時15分から16時45分までのお給料しか出ません。

 

「基本的には」と書いたのは、例外があるからです。教育公務員には、「教職調整額」という特殊手当があります。かいつまんで言うと、教員は特殊なお仕事で、例外的に残業することがあるから、あらかじめ基本給に上乗せして支払われる手当です。

 

その額は、基本給の4%。

 

繰り返します。4%です。

1日の勤務時間に換算すると、18.6分

これ以上の手当は、支払われることがありません。

つまり、いくら超過勤務があっても、教員は17時4分には帰れるだろうという前提のもとで、決められた制度です。この18.6分分の調整額を支払うことで、いくら残業しても、教員の労働力は定額使い放題。これ以上のお給料が支払われなくても「自主的に」遅くまで残って仕事をしてくれる、とっても便利な存在だと思われているわけです。

 

もうひとつ付け加えると、上記の「教職調整額」については、その対象となる時間外労働の内容が限定されています。

以下、中央教育審議会の文書(クリックすると全文が見られます)より引用します。

 

①教育職員については、正規の勤務時間の割振りを適正に行い、原則として時間外勤務を命じないものとすること。

②教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすること。
イ 校外実習その他生徒の実習に関する業務
ロ 修学旅行その他学校の行事に関する業務
ハ 職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務
ニ 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

 

つまり、

1、実習や修学旅行などの特別な行事

2、職員会議

3、非常災害や緊急事態

 

これ以外の時間外勤務は、してはならない、命じてはならないと、文部科学省が明記しているのです。

ですが、これまでに書いてきた通り、実際に発生する時間外労働はほとんど上記以外のものです。日本の公立学校教員たちは、このように想定されていない時間外労働を、業務命令ではなく自主的に、好きこのんでやっているから、手当を支払うに値しないと判断されているのです。

 

以上、2回に分けて書いてきました。日本の公立学校の教員の働き方のヤバさについて、少しでも知っていただけたなら幸いです。

自分の経験について、勢いに任せてずいぶん赤裸々に書いてしまいました。公務員の守秘義務違反にはあたらないと思うのですが、私はまだ在職中ですので、バレるとまずいかもしれませんね。わはは。まあ本当にあったことを正直に書いただけですので、悔いはありません。

 

さて、ここで終わってしまうと、ただの一教員のグチに終わってしまうので、現状を打開するための解決策を以下に提示しておきます。

 

この「教員の長時間労働」を解決する手段。

ものすごく極端な、それでいてシンプルな手段をここに提示します。

 

それは、教員が、勤務時間におさまらない仕事を一切やらないこと

 

「あいつら好きで居残って残業しているんだから、残業代払う必要なんてアリマセーン」と言われるのなら、もう本当に残業なんかせずに、16時45分にみんな帰っちゃえばいいんです。

 

部活? そんなの知りません。業務命令じゃないんだし。

アンケート? 知りません。こなせない量の仕事を振るのが悪いんだから。

授業? 生徒が帰ったあとの45分間しか、準備に充てませんよ。ろくに準備ができなくたって、勤務時間が終われば家に帰ります。生徒の前で教科書をただ読むだけの授業にすれば、準備なんかいらないんだし、ね。

 

こうやってみんなが、与えられた時間でできる仕事しかしなくなれば、当然のように、学校は荒れます。授業の質も下がり、日本の子どもたちの学力も下がりますね。何とかしなければならない。ここで、行政がまともな判断をするのであれば、教員の待遇を上げなければならない、ということになるわけです。教員や事務職員の数を増やし、残業をしたときはきちんと手当をつけ、勤務時間内だけでも充分なパフォーマンスが出せるように制度を変えていかなければならない。

 

ただ、太字で書いてしまったのですが、これを実際にしたところで、行政がまともな判断をしてくれるかどうかがわかりません。そして、いわゆる「世間様」がこの現状を見て「教員がまともな仕事をしていない!」「給料泥棒!」というようなバッシングをしてしまいかねない(というか、現時点でもこういった言葉が頻繁に聞かれます。悲しいことです)。ここが、日本の「働き方」に対する考え方の歪みだと思うのです。

 

そして何より、全国の教員たちが上に書いたような強硬手段に出ることができないのは、目の前の生徒を放っておけないからだと思うのです。自分たちの待遇改善を求めて行動を起こせば、その皺寄せは生徒が被ることになる。自分がいま担当している生徒たちに、どうやって賢くなってもらうか、生きる力・考える力をつけて社会に出てもらうか、それだけを考えて教員になったのです(そうでない人も、いるかもしれませんが…)。だから、勤務時間外だろうが、無茶なスケジュールだろうが、いい授業をつくるために毎日遅くまで残って、働いているのです。

 

私は、このような状況のことを「生徒を人質にとられている」と表現します。

 

そして、その生徒のために無茶な働き方をすること、朝早くから夜遅くまで休みもなく働くことが「美しい」とされる世の中。「先生なら、それくらいして当たり前でしょ」。よく言われる言葉です。ですが、その「当たり前」のために、多くの教員が毎月100時間を超える時間外労働を余儀なくされ、私生活を犠牲にせねばならず、ひいては精神疾患や過労死に追い込まれているのが現状なのです。

 

「先生がきちんと働けていないのなら、待遇を上げなければならない」。

 

世界では当たり前の考え方ですが、これが日本ではあまり共有されていないこと。

このことが、最も大きな問題だといえるかもしれません。

 

さて、夢も希望もないようなことをつらつらと書いてきましたが、嬉しい動きもあります。

全国の教員たちが立ち上がって、待遇改善に声を上げ始めているのです。

2つの署名活動があります。私も微力ながら参加していますが、以下にリンクを貼っておきます。

 

部活問題 対策プロジェクト

「教員にも、部活動顧問に参加しない権利を」という趣旨のプロジェクト。教員の負担だけでなく、強制的に入部させられる生徒側の負担にもスポットを当てています。

 

教職員の働き方改革推進 プロジェクト · Change.org

こちらは「教職員の時間外労働に上限規制を設けてほしい」という趣旨のものです。

 

こういった動きがあるのは、本当に喜ばしいことですし、忙しいなかでこのようなプロジェクトを立ち上げてくださった先生がおられるという事実に、本当に頭が下がる思いです。

もし、このブログを読んでくださっているあなたが、この記事に少しでも共感してくださったなら、上記プロジェクトにも応援の手を差し伸べていただければと思います。

 

たいへん長くなりましたが、教員の働き方について、私が思うことを述べてきました。

 

一応ことわっておきますが、これまでに書いた学校現場での事例はあくまで私の経験にもとづく描写です。学校によって、自治体によって、地域によって学校の方針は変わってきますので、「こんな学校ばかりじゃないよ」という意見があれば、それはもっともだと思います。ただ、こういう現場もあるんだということを、わかっていただきたかったのです。

 

さて、ものすごく真面目な話になっちゃいましたが、次回からはまた、お気楽にロシア語学習の話をしていきたいと思います。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 

では、またお会いしましょう。