かあさんは雨女

語学と育児、その他いろいろ。

名前だって変幻自在。〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その②〜

こんにちは。

語学オタクの新米(娘も1歳になったし、そろそろ新米も卒業…?)かあさんが、ロシア語とスペイン語と英語を楽しく学んでおります当ブログ。

今回は、DVD「チェブラーシカ」のスクリプトを使ったロシア語学習、第2回です。

(第1回の記事はこちら。)

 

とつぜん現れた「正体不明」の生き物、チェブラーシカ。電話ボックスを住処に、リサイクルショップの見せ物(!)としての仕事を始めようというところまでが、前回の内容でした。今回は場面が変わり、ワニのゲーナの登場です。

 

舞台は動物園。ワニの檻にワニさんが座っております。

 

ナレーション:В городе жил крокодил по имени Гена.(町に、ゲーナという名のワニが住んでいました。)

А работал в зоопарке. Крокодил.(動物園で、ワニとして働いていました。)

 

ひとつだけ、по имени 〜で、「〜という名前の」。

これ以外は、基本の構文なので、特に注釈はいらないと思います。

 

余談ですが、ロシア語って語順が自由ですねえ。上の一文目では、「町に、住んでいた、ワニが、名前を、ゲーナという」みたいな順番になっています。主格、前置格など、文章の中での単語の役割が格で表現できちゃうので、英語のように「主語が最初にこないと意味わかんない」という事態にならずに済むわけです。主格になっている単語を主語だと考えればいいわけですからね。格変化を覚えるのが大変! なロシア語ですが、考えようによっては語順に縛られず、自由に言いたいことを表現できちゃう言語だなあ、と改めて感じます。

 

さて、「動物が動物園で働いている」というのもユニークな表現ですが、終業時刻を報せるものらしいチャイムが鳴るやいなや、ワニのゲーナはコートを着て帰り支度を始めます。

 

えっ、服着るの?

それに二足歩行してますけど??

 

動物園の門には、ライオン、クマなど、色々な動物がお洋服を着て次々と現れ、スタスタと2本の足で家路へと向かいます。うーん、動物園での動物らしい様子は「お仕事」で、おうちでは人間と同じような生活をしているようですね。こういう不思議な世界観が、なんともユーモラスで魅力的な作品です。

 

さて、家に帰り着いたゲーナ。

しばらく退屈そうに色んなおもちゃをいじったあと、おもむろに便せんを取り出して何事か書きつけはじめます。

 

ゲーナ:Молодой карока... нет. Кракодил хочет завести себе друзей.Точка.

(わかい、カロコ…いや、クラコジル(ワニ)が、ともだちを欲しがっています。まる。)

 

ゲーナ、家でひとりは退屈だから、ともだちが欲しかったんですね。募集の紙を作っているようです。

завести себе друзейという表現が耳慣れないと思ったのですが、辞書によると、завестиは「連れてくる、導く」というような意味だそうです。公的文書(?)だから、三人称を用いて「ともだちを自分自身に連れてきたがっています」と、少し距離を置いた表現にしているのでしょうか。

друзейはдруг(友だち)の複数対格形。活動体なので生格と同じ形ですね。

точкаは文の終わりに打つ点、いわゆるピリオドのこと。言いながら書くのがかわいいです。

一枚書き終わると、次の紙に取り掛かるゲーナ。どうやら、町中にこの紙を貼ってまわるつもりのようです。

 

ところ変わってチェブラーシカの住処である電話ボックス。ひとりぼっちで、まわるコマをじーっと見つめるチェブの寂しげなロングショットのあと、電話ボックスのドアに友だち募集用紙が貼られているのを見つけます。チェブはゲーナと友だちになれるのかな?

 

そしてまた場面転換。こんどは悲しそうにすすり泣く犬が登場。迷い犬でしょうか。かわいい女の子・ガーリャが歩み寄ります。

  

ガーリャ:Не плачь. Пойдём со мной.(泣かないで。私と行きましょう。)

 

платьは、動詞плакать(泣く)の単数命令形。不規則変化です。

完了体動詞пойтиの一人称複数形пойдёмで、「行きましょう」という勧誘の形になります。

勧誘の形にしたいのが完了体動詞なら一人称複数形、不完了体動詞なら不定形を使います。私はいつもごっちゃになるので、不完了体が不定形、「不・不」で覚えています。

 

犬ちゃんと友達になったガーリャ。ゲーナの友だち募集文を見つけ、ゲーナのおうちに向かいます。

 

ガーリャ:Это вам нужны друзья?(友だちを欲しがっているのは、あなた?)

ゲーナ:Друзья! Мне!(友だち! 私だよ!)

ガーリャ:Галя.(ガーリャです。)

ゲーナ:Гена. Кроколил.(ゲーナ。ワニだよ。)

ガーリャ:У вас есть молоко?(ミルクはありますか?)

ゲーナ:Конечно, есть!(もちろん、ありますよ!)

 

初めて会う相手なので、вам, нужныと複数形(=丁寧形)を使って会話しています。

下から2つめのу вас есть〜という構文、NHKの「テレビでロシア語」講座にも頻繁に出てきた形でして、初めてこのDVDを観たときに聴き取れたのが嬉しかったなあ。молоко(ミルク)も基本単語ですね。

 

 

ガーリャ:Покоримте Тобика.(トービクにあげてください。)

ゲーナ:Тобик!(トービク!)

 ガーリャ:Я пока приберу - у вас токой беспорядок.(私は今のところ、そうじするわね —こんなに散らかっているもの。)

 

покормитеという語の不定形は恐らくпокормитьなのでしょうが、手許の辞書には載っていませんでした。ただ、кормить(餌や食事を与える)という語があるので、「ちょっと〜する」という意味になる接頭辞поをつけて「ちょっとあげる」となるのではないかと思います。

покормите Тобика(トービクにあげる)、Тобикという犬の名前が対格に変化しています。固有名詞も平気で格変化するロシア語の妙。いつも思うのですが、初めて聞いた名前が格変化していて、よくパッと元の名前を類推できるなあ。慣れなんだろうなあ。

приберуはприбрать(整頓する、きれいにする)の一人称単数形。

беспорядокは「混沌、散らかっていること」だそうです。ハッキリ言うものですね。

 

そこへ訪ねてくるチェブラーシカ。道すがら、花なんか摘んじゃったりして(でも結局持っていかなかった…このあたりの描写も細かい)。ゲーナの家のドアをノックします。

 

ゲーナ:Кто там?(誰ですか?)

チェブ:Это я - Чебурашка.(ぼくです…チェブラーシカです。)

ゲーナ:Чебурашка...チェブラーシカ…)

ガーリャ:Кто вы такой?(あなた、いったい誰なの?)

チェブ:А я не знаю.(わからないの。)

 

このКто (Что) 〜 такой?という構文、「〜とは、一体?」というニュアンスが出る便利な文です。一回聞いてもわからなかったり、詳細の説明を求めたりするときに使えますね。

 

ガーリャ:Вы, случайно, не медвежонок?(あなた、ひょっとして、小熊じゃないの?)

チェブ:Может быть, не знаю я.(そうかもしれない。ぼくには、わからない。)

ゲーナ:Сейчас, сейчас, посмотрим. Так, «Че»... чай, чемодан, чебуреки...

(今、ちょっと見てみよう。えーと、「チェ」…チャイ(お茶)、チェマダン(スーツケース)、チェブレキ…)

Странно, никаких Чебурашек нет.(おかしいな。どんなチェブラーシカも載っていない。)

 

случайноは「ひょっとして、偶然に」。случаться(起こる、巡り合わせる)に通じる語でしょうか。

медвежонокは「小熊」。ふつうの熊はмедведьです。余談ですが、ロシアの元大統領メドベージェフ(медведев)さんや、フィギュアスケーターのメドベージェワ(медведева)さんの名字は、この「熊」から来ているそうですね。日本の名前でいうと「熊田さん」みたいな感覚でしょうか。

может бытьで「〜かもしれない」、これも便利なフレーズ。

сейчасは「今」という意味の語ですが、ロシア映画など観ていると、「ちょっとまって、いま〜するから」というニュアンスを出すのに、よく"сейчас, сейчас"という表現が使われているように思います。

律儀に辞書で「チェブラーシカ」を調べるゲーナですが、どうやら載っていないようです。ちなみに「チェブレキ」はクリミア・タタールの料理чебурек(チェブレク)の複数形で、味付けした羊のひき肉の揚げ餃子のようなものだそうです。おいしそうです。

ЧебурашекはЧебурашкаの複数生格形。「辞書にない」という否定の構文なので、否定生格になるのはわかるのですが、なぜ複数形なのでしょうか。Чебурашкаを一般名詞ととらえて、「たくさんあるはずのチェブラーシカが一つも載っていない」ということなのかしら。

никакихはникакой(どんな〜も)の変化形。Чебурашекに合わせて複数生格になっています。

 

チェブ:Значит, значит, вы не будете со мной дружить?(ってことは、てことは、あなたたちは僕と友だちにならないってこと?)

ガーリャ:Почему? Будем, будем! Я научу тебя вязать на спицах.(どうして?なりましょう、なりましょう!私はあなたに、編み針で編む方法を教えるわ。)

ゲーナ:А я - пускать мыльные пузыри.(では私は、石けんでシャボン玉を作ってみせよう。)

 

значитはзначить(意味する)の三人称単数形ですが、慣用的に「ということは〜」という意味でよく用いられます。

дружитьは「友だちになる」という意味の動詞ですね。

научуの不定形はнаучить(教える)。вязать на спицахで(編み針を使って編み物をする)となります。道具を使う表現ですが、с+造格ではなく、на+前置格なのだなあ。

пускатьという表現も辞書には見当たらないのですが、ぐぐってみると「動かす、放つ」というような意味がヒットします。мыльные пузыри(せっけんで作るシャボン玉、複数形)を作って放つ、というニュアンスにふさわしい動詞なのでしょうね。

 

ぶじに友だちをつくることができたチェブラーシカ。よかったね。

ところが、このあと、いじわるばあさんシェパクリャクの登場!

さあ、どうなる!?

 

と、今日のところは、ここまでにしておきます。

次回をお楽しみに〜。

近況報告&合格報告。

こんにちは。たいへん長らくごぶさた致しました。

8月ということで、ひょっとするとお察しいただいていたかもしれませんが、実家に帰省しておりました。

ということで、今日はちょっとした近況報告回です。ロシア語関連のお話はまた後日。

スペイン語の話は、最後のほうにちょこっとあります)

 

さて、帰省準備に取り掛かる前にもう一回くらいブログ更新できるかな? と思っていた私ですが、どうにもバタバタしてしまい…。というのも、私どもが現在住んでいる北陸地方から、まずは私の故郷・関西へ、そして夫の故郷・九州へと、赤子をつれてハシゴ帰省しておったのでございます。

しかも、お盆の混雑を避けるため(あと私が実家でゴロゴロするため)、私とおタマだけ1週間先に関西へ出発することになっていたので、育児グッズをギッシリ詰めたバックパックを背負いベビーカーを押しお土産を持ち、一人(まあ二人ですけど)でバスや特急を乗り継いでの帰省とあいなりました。今となっては、サンダーバードの中でおタマを抱えながらどうやってベビーカーを畳んだのか、よく覚えていません。あ、でも道すがら、たくさんの人に助けていただいたのは覚えております。親切な人がたくさんいらっしゃって涙が出そうでした。その節は本当にありがとうございました。

 

そんなこんなで、ぶじに2週間の期間をなごやかに両実家で過ごし、さあ帰るぞ!という日の朝。おタマ、まさかの発熱。39度! あわわわわ。「色んなとこに行ったから、知恵熱かしらねー」なんて言いながら、ゆるめのスケジュールにしていたのをいいことに帰宅を延期し、九州のご実家でゆっくり休ませていただきました(ありがとうざいました!)。翌日おタマは無事に回復。いったん関西の実家にUターンし、1泊(ありがとう!)したのち北陸へ帰宅。長旅の荷物もすべて片付き、ようやくこれで一息…と思ったら、なんだか寒気が!えっ、いやいやいや、そんなはずは…と思って熱を測ったところ…

 

39度でした。

 

見事にうつりました、知恵熱。

私も母として初めての経験いっぱいしたからネー(棒読み)

 

まあ、帰ってきた翌日は、所用があっておタマを保育園に預ける予定だったので、このままゆっくり休ませてもらおう…。ということで、一昨日までダウンしておりました。

 

私がそんな調子でしたので、定時退社マンのナコ太さんに育児を全権委任し、半日ほどがんばっていただいたのですが、娘の寝かしつけが終わって一言…

 

「一人でおタマちゃんのお世話…思ってた以上に大変やった…」

 

と、まさに「orz」の姿勢でグッタリと電池切れしておりました。

うん、私への最大の褒め言葉ですな。平日だけでもワンオペ育児は大変です。

まあ、私はおタマが一日中寝てばかりの新生児期から少しずつ慣らして、今の手抜き育児(笑)の手法を確立してきているので、いきなりやることになったナコ太さんとは色々な面で事情が異なりますが。

とはいっても、ナコ太さんが日頃から家事&育児に関わってくれているお陰で、私が寝ている間もほぼ何も聞かれずに安心して休むことができました。ありがとです。一晩休んで風邪の症状も落ち着き、こうしていま元気にブログを執筆しております。

 

余談ですが、おタマを保育園(初めての一時保育)に連れていくのも、午前休をとってナコ太さんがやってくれました。

帰ってきたナコ太さん、(:_;)←こんな顔になっているので、話を聞いてみると。

 

ナ「(:_;)」

私「えっなに、どないしたん」

ナ「おタマちゃんが…」

私「おタマがどうした。預けてきたんでしょ」

ナ「預けたけど…」

私「何やねんな」

ナ「泣いてた…(:_;)」

私「……」

 

どうやら、預けるときに別れを惜しんでおタマがギャン泣きしたようなのですが、娘がかわいいあまり感情移入しちゃうナコ太さん。相変わらず、ガラスのハートの持ち主です。

保育園からの連絡によると、おタマは父との別れにしばらく泣いたあと、おむつを替えてもらったらケロっとしてオモチャで遊びはじめたそうです(父のほうが別れを引きずっていたやも…)。保育園あるあるですよねー。

 

おタマももう1歳。同じ月齢の子たちはママさんが復職して保育園に入る子が多いですが、私は育休を3年取得する予定なので(このへんの事情についてもまたゆっくり書けたらいいな)、保育園入園はまだまだ先です。が、私やおうちにベッタリになってしまわないよう、時々はこうして一時保育に預けるなどしていきたいと思っています。おタマも少しずつ、外の世界に慣れていってほしいな。保育園はそこそこ楽しかったらしく、給食もしっかりおかわりしたそうです(笑)。さすがおタマ。

 

と、こんな日々を過ごしておりましたが、勉強はしっかり続けていましたよ! むしろ実家にいる間は、雑念にとらわれず集中して勉強することができ、ありがたい限りでございました(夫の実家で勉学に勤しむ嫁…笑)。

次のスペイン語検定4級受検、そしてロシア語検定試験ТРКИ受検(こっちはちょっと弱気だけど…)に向けて、着々と準備を進めております。

 

で、すっかり忘れておったのですが、スペイン語検定5級の合格通知が届きました。

得点は? 合格率は? 全体の講評と模範解答は??

と、ワクワクしながら封筒を開けたのですが、

 

ぺらっ…

 

中身は、合格証書1枚のみでした。

 

………。

あっれー?

6級のときもそうだっけー??

いや、きっとそうでした。そのときは「まあ一番低い級だからな…」と思った記憶があるのですが…ひょっとして、全部の級、詳細情報なし?

いや、3級からは面接があるから、ひょっとして…??

 

うーん…謎です。

まあ、とにかく合格したから、よしとしましょう。

(何点とったかくらいは教えてほしいもんだけど…過去問も入手困難だし。)

 

4級対策については、必要語彙数約2000のうち8割方は頭に入ったかんじです(多分)。文法も、NHKラジオ「まいにちスペイン語中級編」で、接続法過去まで復習が進んでおります。

問題集および過去問を使った演習は、9月に入ってから。

10月末の試験まで、じっくり対策を続けますよー。

 

と言いつつ、当ブログでは次回より、引き続きロシア語の話をしていきますー。

チェブラーシカの字幕解説、続き! お楽しみに。

ではまた。

チェブラーシカの名前の秘密。〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その①〜

こんにちは。

生後11ヵ月になりました我が娘・おタマ、最近はおしゃべりが盛んです。

ごにょごにょ」「ぷぎゃ」「てぃこんてぃこん」と、色んな発音ができるようになってまいりました。こちらも負けじと「ごにょ!ごにょごにょ!?」とお返事し、会話を楽しんでおります。

娘がいちばん最初に発声できるようになった音が「パパパ」、その後「マンマ」「ダダダ」「ナンナン」と続き、最近はガ行やカ行の音も組み合わせて複雑な発声ができるようになったようです。

 

おタマの発声を言語学的に分析すると、調音点(音を出す部位)が唇→歯茎→軟口蓋(喉の手前)と口の奥へ向かっていき、調音法(音の出し方)も閉鎖音(破裂音ともいいます)から鼻音へと、複雑になっていっております。こういう言語獲得のプロセスを目の当たりにするのは、語学オタクとしてまことに楽しいものです。

「パパ」が「ママ」の発声より先だった悔しさも、「まあ鼻音より閉鎖音の方が発声しやすいしね…」と納得することができるわけです。笑。

 

さて、のっけからマニアックな話をしてしまいましたが、前回の続き。

チェブラーシカЧебурашка)のアニメを使った学習を進めてまいります。

私はDVDを買いましたが、YouTubeでも観ることができるので、ロシア語を学習中の方は参考にしていただければ。

著作権の問題があるのでリンクは貼りませんが、Чебурашкаで動画検索すればヒットするはずです)

 

今回はDVD収録順に、最初の作品"Крокодил Гена"(1969年製作、邦題「ワニのゲーナ」)のスクリプトを日本語に訳し、解説していきます。

ただ、私は翻訳の専門家ではなく、ロシア語力も中級にさしかかったレベルなので、わからないところがあったり、間違った訳をしたりといったこともあるかと思います。そのような場合は、コメントでご指摘をいただけるとありがたいです。

ちなみに、スクリプトインターネットで見つけたものを使用しますが、編集が少し違うためか、ところどころ日本で販売されているDVDとは異なる箇所があります。わかるものは頑張って聴き取ってみますが、わからなければ上記スクリプトをもとに書いていきますので、DVDの内容と違っているところはご容赦ください。

 

では、始めてみましょう。ロシア語原文と口語訳は青字で書いていきます。

 

 

まず、冒頭のシーン。チェブラーシカの記念すべき初登場シーンですね。舞台は野菜や果物を扱うお店。見切れていますが、看板には"ОВОЩИ-ФРУКТЫ"(野菜・果物)の文字が。

果物屋の主人、オレンジが詰められた箱を次々と開けていくと、中からとつぜん奇妙な生き物が現れます。

 

主人:Оранжес... апельсины.oranges… オレンジか。)

Опять чебурахнулся. Чебурашка какой!

(またばったり倒れた。まったく、(君は)チェブラーシカだな! )

Что же мне с тобой делать?(さあ、どうしようか?)

チェブラーシカ Не знаю.(わからない。)

[Закрыто. Ушёл в зоопарк.](閉まっています。動物園へ行っています。) 

 

オレンジに紛れて、なぜか箱の中に入り込んでいた謎の生き物。何度起こしてもフラフラ、バッタリと倒れてしまうその生き物に、主人は「ばったり倒れ屋さん」という意味のチェブラーシカという名前をつけます。

ところで、この「ばったり倒れる」という言葉。чебурахнулся(チェブラフヌールスャ)、過去形になっているので原形に戻すと"чебурахнуться"(チェブラフヌーッツァ)となりましょうか。気になったので辞書を引いてみましたが、載っていませんでした。ウェブで調べても、чебурахнутьсяという動詞は「チェブラーシカの映画に出てくる語」としかヒットせず、うーん…どういう意味だ? ひょっとして、造語? と、のっけからつまずいてしまいました。

 

あんまり気になったので、大学時代に知り合ったロシア人(日本語ぺらぺら!)の友人に連絡して聞いてみたところ、「オノマトペ的な感覚としてはわかるけど、日常的に使う語ではない」とのこと。

うーん、なるほど。「ちぇぶらふぬーるしゃ!」という響きが、なんかズコーっとすっ転ぶような感じに聞こえるのかな。わかるような、わからないような…。オノマトペの感覚って、日本語もそうですが、ネイティブじゃないとなかなかつかめなかったりしますものね。

 

というわけで、チェブラーシカ(長いので、以下「チェブ」と表記します)の名前の秘密がわかったところで、次です。

 

主人のせりふ"Что же мне с тобой делать?"、жеは直前の語を強調するはたらき。「いったい何をしようか」というニュアンスでしょうか。

мне с тобойは「君と私」、мнеがなぜか与格になっていて、動詞делатьが不定形になっているのがよくわかりませんが、「これからどうしようか…」と、チェブと一緒に困ってあげている主人の優しさがにじみ出たせりふのように思います。

最後の立て札の言葉"Ушёл в зоопарк."、ушёлは「去る」という意味の動詞уйтиの過去形で「動物園に行っているので、今はいません」となるわけですね。

 

とりあえずチェブの居場所を探しに、動物園へとやって来た二人。守衛さんに「オレンジ」と書いた紙を渡し(それで事情がわかるのか…?)、チェブと一緒に動物園で調べてもらいます。

 

主人:Вот!(ほら!と紙を渡す) 

守衛:Не... зтот не пойдёт - неизвестный науке зверь.(いや…これは、うまくいかない。なに科の動物かわからないんだ。)

Не знают, куда его посадить.(どこに入れたらいいのか、わからない。)

 

この"зтот не пойдёт"、пойдётの不定形пойтиは「歩き出す、動き出す」という意味ですが、どうもコトがうまく運ばない、という意味だと思われます。

неизвестныйは、「有名な」という意味のизвестныйに否定の接頭辞неがついて「知られていない」の意味。наукеは「科学」という意味のнаукаの前置格?ですが、「どの科に分類するか」くらいの意味でしょうか。チェブちゃんは一体どういう種類の動物なのか、動物園でもわからなかったのですね。

"куда его посадить"、посадитьは「座らせる」という意味の語で、「チェブをどの檻に入れたらいいか」ということですね。辞書を引くと、посадить в тюрьмуで「監獄に入れる」という意味になるんだとか。

 

動物園に入れなかったチェブ(このときの悲しそうな表情といったら!)、今度は主人に連れられて、ディスカウントショップ(看板には"УЦЕНЕННЫЕ ТОВАРЫ"「ディスカウント商品」の文字)へ。

 

ディスカウントショップ店長:Мне нравится этот зверь.(この動物、気に入ったよ。)

Он похож на бракованную игрушку.(捨てられたオモチャみたいだ。)

Будешь работать у нас - стоять в витрине привлекать внимание прохожих. Понятно?

(君は僕たちのところで働くんだ。ショーウインドウに立って、通行人の注意をひきつけるんだよ。)

チェブ:Да, понятно. А где я буду жить?(わかった。で、僕はどこに住むの?)

店長:Жить?(住む?)

チェブ:Да.(うん。)

店長:Да, хотя бы здесь.(そうだな、せめて、ここでも。(電話ボックスを指す))

Это и будет твой так сказать дом. Понятно?(ここが君の、いわゆる、家になるんだ。わかった?)

チェブ:угу.(うん。)

 

このディスカウントショップ(字幕では「リサイクルショップ」)の店長、チェブのことを「気に入った」と言っておきながら、「捨てられたオモチャみたい」と言い放ったり電話ボックスに住まわせたりと、ひどい態度です。ショーウインドウに立って…って、マスコットじゃないんだから。ぷんぷん!

 

と怒っても仕方ないので、気を取り直して解説。

 

мне нравитсяは「私は〜が気に入った」、基本の構文ですね。

похожは形容詞похожий(似ている)の短語尾男性形。на+対格で、「〜に似ている」となります。

бракованнуюはбракованный(拒絶された、除外された)の対格形ですね。チェブちゃん、こんなにかわいいのに、ここではB品のオモチャ扱いです。

будешь работатьは未来形。бытьの後に動詞不定形をつなげる形ですね。

стоять в витринеは「ショーウインドウに立つ。」витринеはвитрина(ショーウインドウ)の前置格です。

привлекать внимание прохожихで「通行人の注意を惹く」。прохожихはпрохожий「通行人」の複数生格。名詞ですが形容詞と同じ形なので、形容詞と同じ格変化をします。

  

ここで、 где я буду жить?(僕はどこに住むの?)というチェブの問いに対してхотя бы здесь.と答える店長。хотя быは「せめて、少なくとも」という意味の成句です。「まあ、これくらいでいいだろう」という店長のいい加減な考えがあらわれたせりふではないかと思います。だって、電話ボックスですものね。

次のせりふより"твой так сказать дом"、так сказатьは「いわゆる、言うなれば」というような意味なので、「これが君の、いわゆる、家みたいなものだ」とお茶をにごすような言い方になっています。

 

こんな扱いを受けても、健気にうなずいてみせるチェブ。

一体、これからどうなっちゃうの…?

次回、いよいよ本作の主人公「ワニのゲーナ」が登場!

 

というわけで、カメのようなゆったりペースですが、今日はこのへんで。本作は20分ほどの短い作品なので、少しずつゆったりと、しかし確実に、完走めざして頑張ってまいります。

では、また。

 

「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ。〜プロローグ〜

ママ友あるある 〜その3〜

ママさんを何と呼んでいいのかわからない。

 

私、「○○ちゃんママ」という呼び方がどうも苦手でして…。

「ママ」である自分も大事だけど、その前に三十数年間「私」として生きてきてるわけだしなあ。でも、娘の名前に加えて私の名前まで覚えてくださいと言うのも、おこがましい気がしたりして。うーん、難しい。

 

ちなみに、一緒に遊ぶママ友さんはみんな「マミちゃん」「マミさん」と呼んでくれています。ありがたいことです。

 

さて、今回もロシア語学習のお話。「チェブラーシカ」のDVDを使ってロシア語を学んでまいります。

「なぜDVDなのか?」と訊かれれば、私はこう答えます。

 

「英語学習が、それでうまくいったから。」

 

外国語を学ぶとき、入門から初級くらいまでは学習テキストを使って学べばよいですが、ある程度まで理論が身についたら、あとは生の素材を使って学習するのがいちばんだと思うのです。

 

学んだことばが、実際にどのように使われているのか?

似た意味の単語やフレーズが、どんなシチュエーションで使い分けられているのか?

 

学習テキストばかり使っていては、実地で役立つ会話力を身につけることが難しい…ということを、わたくし、英語学習で実感いたしました。というのも、高校まで必死こいて勉強していた「教科書の英語」が、留学先であまり役に立たなかった経験をしたのです(まったく役に立たなかったわけではないのですが…このあたりのことは、こちらの記事をご覧くださいな)。

 

慌てた私は、帰国してから英語のドラマや映画を使った学習を始めました。

私のやり方をまとめると、こんなかんじ。

 

①日本語字幕で、全体を通して観る。

②ストーリーが理解できたら、英語字幕をつけて観る。わからない語は辞書を引き、英語だけで理解できるようにする。

③英語字幕で何度も繰り返し観る。せりふを覚えるくらい、しつこく観る。

④字幕なしで観て、登場人物の言っていることがすべて理解できたら一丁上がり。

 

学習法には人それぞれ、向き・不向きがあると思うので、これが万能なやり方というわけではないと思います。私の場合、目よりも耳がいいので、リスニングにやや偏ったこの学習法がうまくいったのだといえるかもしれません。

視覚(見ること)・聴覚(聴くこと)・触覚(手を動かす事)のうちのどれが一番鋭いかで、自分に会った学習方法もおのずと変わってきますので、自分の適性を見極めることが大事ですね。

(※この理論は、私が大学のときに専門である応用言語学のゼミで習ったものです。また改めて、語学学習の理論についてはじっくり書きたいと思っています。)

 

で、私は上記の方法で学習を続けたところ、かなり自然な英会話の力をつけることができました。特によく観ていたのが、アメリカのシチュエーションコメディ"friends"。1話20分くらいで長さもちょうどいいですし、ニューヨークの若者がコーヒーハウスでダベっているシーンがほとんどなので、日常会話力をつけるにはもってこいです(笑)。コメディなので、単に観ていて楽しいし。この学習法を続けていたころ、TOEICで自己最高の950点(リスニングは満点)をマークしました。今はちょっと点数下がってますが。

 

話がそれました。ロシア語のことです。

独学で2年間ロシア語を学んできて、初級文法がひととおり終了し、日常会話もいけるくらいの語彙力もついてきたので、いよいよ何かロシア語の作品を鑑賞してみよう。というわけで、探してみました。

日本で観ることのできるロシア語の映像作品はとても少なく、しかもロシア映画となるとテーマが難解なものも多々あり、さてどうしようか…と思ったところで、チェブラーシカに出会ったわけです。

 

作品情報はこちら。

www.ghibli-museum.jp

 

1969〜83年に作られた映像ですが、作品全体に漂うなんともいえない哀愁と、主人公チェブラーシカの愛くるしい姿、一度観たら忘れられません。新しいバージョンもたくさん作られていますが、私はこの「元祖」の方がだんぜん好きです。

 

子ども向けのアニメなので語彙もそんなに難しくなく、ロシア語能力検定3級の私のレベルにぴったり。日本では「三鷹の森ジブリ博物館ライブラリー」からDVDが販売されており、さっそく購入しました。試しにざっと観てみたところ、いくらか聴き取れるフレーズがあったのがたいへん嬉しかったです。これぞ語学学習の醍醐味。外国語で作られた作品を、外国語のまま味わうことができるって、とても楽しいものです。

 

ただ、DVDの字幕は日本語のみで、ロシア語のスクリプト分析をすることができない。困っちゃった、そんなときに頼りになるのがgoogle先生。「субтитры чебурашка(字幕 チェブラーシカ)」でぐぐったところ、わりとすぐにスクリプトを載せているサイトを発見しちゃいました。うーん、便利な時代!

 

というわけで、これから少しずつ、チェブラーシカスクリプトを分析しながらロシア語学習を進めてまいります。

 

長くなっちゃったので、今日はこのへんで。次回から内容に入っていきます。

では、また。

ТРКИ対策の語彙集(多言語版)を買いました。

ママ友あるある 〜その2〜

自分の子より月齢の低い赤ちゃんのママさんに、先輩づらして「うちの子がこれくらいの時は〜」とか話していたら、実は上のお子さんがいらっしゃるベテランママさんだったことが判明したとき、なんだか無性に恥ずかしい。

 

こんにちは。ロシア語・スペイン語学習に奮闘中の新米かあさん、マミです。

もうすっかり夏ですね。スペイン語検定を受けてから、早いもので一ヵ月が経とうとしております。そろそろ次の目標を意識して、やることを増やしていこうかな。とか思いながら、今はゆる〜いペースでのんびりと学習を楽しんでいます。

 

語学学習は、楽しんでできるペースが大事。「やらなきゃいけない」と自分を追い込んで辛くなってしまうと、何のためにやっているかわからなくなってきます。これくらいのペースが心地いいなあ、少しずつでも前に進めて楽しいな、と思えるくらいがちょうどいいのです。

 

さて、今日は、かねてから話題にしていたТРКИ(外国人のためのロシア語試験)対策の話です。

来年の夏に第1レベルか、あるいは目標を下げて基礎レベルを受けることを決めた私。露検3級にも受かったことだし、次に向けてさっそく試験対策! 勉強するぞー!!

…と気合いを入れたものの、いきなり壁にぶち当たってしまいました。

 

ТРКИを受ける上での、最初にして最大の関門。

 

 

それは、情報の少なさです。

 

ロシア語能力検定試験(露検)を受ける時にも書いたのですが、ロシア語を学習しようと思うと、何をするにも情報が足りないのです。

一体、何をどのように勉強すればいいのか? 誰に習えばいいのか?

本屋さんに行けば、とりあえず初級向けのテキストはいくつか置いてあるので、入門〜初級の段階では独学でも何とかなります。が、中級レベル以上になると、途端に情報が少なくなってしまうのですね。

ましてや、日本で作られ、日本各地で実施している露検ならともかく(いやこれも教材の数はものすごく少ないんですが)、ロシア政府が直々に作成し、日本では東京にしか会場のないТРКИとなると、情報を共有してくれる受検者の数もぐっと減ってくるわけで。

もう、日本語だけで探そうとすると、情報はほぼ公式サイトにしかないと言っても過言ではありません。

 

ただ、ТРКИは世界中で実施している試験ですので、日本語にこだわらなければ、インターネットで試験対策情報を集めることはできます。教材も豊富にあるので、ネット書店で取り寄せればなんとか対策はできそうです。つくづく便利な時代を生きているものだなあ。インターネットのなかった時代だったら、それこそ専門の先生に習いに行くか、留学するくらいしか、中級より上のレベルに上がる手段はなかったかもしれません。

 

私は「育児しながら独学で」をコンセプトに学習を進めているので、なんとか家にいながらにしてロシア語の力をつけていきたいと思っています。

そして、同じように独学でロシア語を学ぼうとしている方の力になれれば、なおのこと嬉しいなあ…と思いながら、今後も手探りで見っけてきた情報をこのブログに載せてまいります。

 

もちろん、私のやり方がすべてではないので、「こんなのもあるよ!」というアドバイス的なコメントもいただけるとたいへん嬉しく思います。

 

では、さっそく情報を集めてみましょう。

まずは、日本でТРКИを実施している日本対外文化協会の公式サイトをチェック(というか、このサイトで初めてТРКИを知ったんですが)。ТРКИはロシアへ留学するときの語学力判定にも使われる試験で、入門、基礎、第1〜第4の6つのレベルがあります。

ざっくりとですが、語彙数や文法項目などから露検の難易度と比較してみると、こんなかんじでしょうか。

 

(易)露検4級<ТРКИ入門<露検3級<ТРКИ基礎<ТРКИ第1≒露検2級?(難)

 

※最後の露検2級に「?」をつけたのは、露検の2級以上を受けたことも問題を見たこともなく、レベルがつかみづらいためです。同様にТРКИの上のほうのレベルについても、習得語彙数6000とかになってくるため、もはや多すぎてよくわかりません(笑)。まだ視野に入れるレベルにも達していないということですね。

 

私は露検3級を先日取得しましたので、順当に行けばТРКИ基礎レベルを受けるべきなのでしょうが、色々な事情ですっとばして第1レベルを目指しています。

(そのあたりの事情についてはこちらの記事をどうぞ)

 

で、どうやって対策していくか。

ТРКИは、文法・語彙、読解、作文、聴解、会話の5分野で試験を受け、そのすべてで合格基準を満たさなければなりません。当然、バランスよく対策していくことになりますが、そうはいってもまず必要なのは語彙力です。読むも話すも書くも聞くも、ボキャブラリーがないと取り掛かることすらできません。逆に、語彙がある程度増えてくれば、映画や小説など色々な素材を使って学習の幅を広げることができるようになります。

 

というわけで、まずは第1レベルに必要な語彙を身につけよう。

 

ありがたいことに、日本対外文化協会のサイトには、ТРКИ対策教材をリストアップしたページがあります。ここの「第1レベル」「必須語彙集」欄をチェック。

長い書名ですが「Лексический минимум по русскому языку как иностранному」というものを購入することにしました。

 

ここで、ロシア関連の書籍を扱っている「ナウカ・ジャパン」というサイトに飛び、上の書名をコピペして検索。ありました。「外国語としてのロシア語彙ミニマム」という日本語タイトルがついていて少し安心したのも束の間、説明文は全てロシア語で書かれています。私のレベルでは手に負えないのでgoogle翻訳にかけるなどして、どうやら本当に第1レベルに必要な語彙を収録している単語集らしい…ということを確認、注文いたしました。

 

追記:

ロシア語学習者のエカテリーナさんより、ТРКИ関連書籍の購入方法についてコメントをいただきました。

ozon.ruというロシアの書店サイトから直接注文すれば、日本の書店で買うより半額以上もお得になることが多いのだとか!詳細については、コメント欄のリンク先をご覧ください。

 

 

ただ、懸念事項は一つ。

これ、何語で書かれているのだろうか?

 

単語集というからには、対訳がついているはず。でも、どの言語で訳がついているかは、説明文には書いていませんでした。英語…? まさか、ロシア語オンリーではあるまいな…?

うーん…博打。まあ、現物を見てみるしかあるまい。

 

届いたのは数日後。

ナウカジャパンさん、けっこう仕事が早かったです。ありがとうございます。

 

A4版くらいの大きさで、わりと存在感あります。

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で、中身はこんなかんじ。

 

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カメラが古いので画像が荒くて申し訳ないのですが、ロシア語の見出し語に、英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、中国語の訳が、見開き2ページにわたって書かれています。

 

こ、これはすごい。

語学オタクとしては、この見開きを見た瞬間に狂喜乱舞してしまいました。

まさかの多言語仕様!

スペイン語の勉強にもなるっ!!

 

しかも、最初のページにあった"ангина"という語。当然知らない言葉なのですが、英訳を見ると、

"quinsy"。

 

何それ?

 

で、スペイン語訳を見ると、

"angina"(ロシア語と同じ音)。

 

何それ??

 

さっぱりわからないので、英和辞典を引いたところ、

 

扁桃腺炎」だそうです。

 

…わかるかーい!!

 

扁桃腺炎。

最低限必要な2300語に収録されている語…。

まあ、ポピュラーな病気(?)では、ある…のだろうか?

 

と、こんなツッコミを入れながら、これから頑張って覚えていこうと思います。

 

見開き、約30語×約140ページ(70見開き)で、2000語と少し。

1週間に4ページのペースで覚えていけば、来年の春には終わるはず。そこから具体的な試験対策に入っていくつもりです。また、それまでの間にも、NHKラジオ「まいにちロシア語応用編」や「チェブラーシカ」のDVDなど身近な素材を使って学習を続けていきます。

 

ちなみにこの語彙集、巻頭の注意書きや凡例はロシア語で書かれています。品詞の名前や格などの文法用語もロシア語なので、こちらも勉強になりそう。

また、巻末には、ジャンル別に語彙をまとめ直したものや対義語・類義語集まであります。辞書代わりに活躍してくれそうです。

 

あと、もうひとつ。

ТРКИ対策本、日本語で書かれたものはほぼ皆無なのですが、日本対外文化協会が翻訳した手引書があるとのことでしたので、協会から直接取り寄せてみました。メールで注文、支払いは口座振込でした。

 

「合格へのステップ-Практические рекомендации для подготовки к сдаче теста по русскому языку как иностранному」 

というもの。

ただ、これはТРКИ対策について「こういうふうに勉強したらいいよ」とか「こういう参考書があるよ」という情報を紹介するもので、実際に学習する具体的な内容を記したものではありませんでした。「聴解を受けるときは先に問題文を読んで…」などなど、受けるときの心構えのようなアドバイスが多いです。各レベル別に参考文献が色々と載っているので、ТРКИ全体の説明書といってもいいかもしれません。作文と会話については、出題される文章のモデルも収録されていますので、これを使って学習するのはいいかもしれません。

 

何にしても、ТРКИを受ける数ヶ月前になったら、また改めて試験対策の問題集を取り寄せようと思っています。

 

では、今日はこのへんで。

次回からは、1970年代の愛くるしいアニメDVD「チェブラーシカ」を使った学習を少しずつ進めていきます。