英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!その⑤ 〜「ミッフィーのぼうけん」10月8日放送分〜
こんにちは。
スペイン語検定4級受検まで残り3週間を切り、ちょっと自分を追い込んでいる、マミです。
現在、ブログでは英語ディクテーションのみを定期的に行っていますが、これがスペイン語学習のちょうどいい息抜きになっています。(語学学習で語学学習の息抜きをする…末期のオタクですね。でも楽しいからいいのです。)
本当言うと、チェブラーシカ(ロシア語)も早く再開したい…スペイン語の話もしたい…録りためたBSのドキュメンタリー番組(NHKの「BS世界のドキュメンタリー」がおすすめ)も面白いし…時間がいくらあっても足りません。そんな中で、ゴロゴロとスマホをいじったりもしていて、一体いつ育児してんねん、お前。と自分にツッコミを入れています。
いや、育児もしていますよ。1歳の娘・おタマは、積み木を5個積めるようになりました。して欲しいことを「ごてぃご」という独自の言語で私や夫に依頼することもできるようになり、ますます成長が目覚ましいです。読んでほしい絵本を持ってきては、「ごてぃご」。スイッチを入れてほしいおもちゃを持ってきては、「ごてぃご」。うーん、かわいいですね。
さて、前置きが長くなりました。今週もやります、「ミッフィーのぼうけん」。
今回、実は最初に観たとき「なんやこれ…さっぱりわからへん」と焦ったのですが、劇中劇で「赤ずきんちゃん」が出てきて、その英訳"Little Red Riding Hood"や劇中のせりふ(恐らくイギリス人にとっては定番のフレーズ)が耳慣れないだけでした。固有名詞や決まったフレーズがわかれば、英語はもっと身近になりますね。
では、さっそくいってみましょう。
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
「ダン、おおかみになる」10月8日(日)放送分
ミッフィーのおうちに、お友だちの男の子・ダンがやって来ます。
(ちなみにこのダンという子、姿はミッフィーにそっくりだし、声も高いし、公式設定を見るまでは女の子だと思い込んでおりました…。)
Miffy: Hi, Dan.(こんにちは、ダン。)
Dan: Hi, Miffy. Are you ready for the picnic? I brought a picnic basket.
(やあ、ミッフィー。ピクニックの準備はできているかい?ピクニックバスケットを持ってきたよ。)
Miffy: And Mommy is making sandwiches. But they're not ready yet.
(ママがサンドイッチを作っているの。でも、まだできていないのよ。)
Dan: What should we do until they are?(できるまでの間、何をすればいいかな?)
Miffy: I know! We can put on a play for Mommy and Daddy.
(わかった! 私たち、ママとパパのために劇をすればいいわ。)
Dan: That's a great idea!(いいアイデアだね!)
Miffy: Come on.(こっちよ。)
"put on a play"で「劇をする」というイディオム。のっけから、これを知らなくてつまずきました。
まあ、このフレーズ自体は聴き取れなくても、次の展開を見れば何をしているかはわかるのですが、この次のシーンでは固有名詞の連発。これが何を言っているかさっぱりわからず、検索に次ぐ検索で何とか理解しました(苦笑)。たいへん勉強になったパッセージです。
Miffy: Right. Umm… Oh, we can be Little Red Riding Hood and the Big Bad Wolf.
(そうね、うーん…ああ、私たち、赤ずきんとビッグ・バッド・ウルフ(オオカミ)になれるわ。)
We already have a picnic basket for Red Riding Hood to take to her grandmother.
(私たち、赤ずきんがおばあさんのところに持っていくピクニックバスケットを、もう持っているんだもの。)
Dan: Oh, you can wear this for Red Riding Hood.(ああ、これを赤ずきんの衣裳として着ればいいよ。)
Miffy: And you can be the Big Bad Wolf.(それで、あなたはビッグ・バッド・ウルフね。)
Dan: Yeah! I'd love to be wolf.(イエーイ! 僕、オオカミになってみたい!)
"Little Red Riding Hood"は、有名なおとぎ話「赤ずきんちゃん」のこと。英語のネイティヴスピーカーなら聞いただけでピンとくるわけですが、いきなり"riding hood"と言われても、学習者にとっては何のことかわかりませんね。
そもそも、なぜ"riding hood"…? 何かに乗るのだろうか?
と思って調べたところ、赤ずきんちゃんのあの「ずきん」、どうやら乗馬用のフードがもとになっているようなのですね(諸説ありますが)。防災ずきんじゃなかったんだ…(いや、それもおかしいけど…笑)。
"the Big Bad Wolf"というのも、西洋の物語によく出てくる「悪いオオカミ」を表す定番フレーズのようです。「3匹の子豚」や「7匹の子やぎ」に出てくるのもそうですね。ディズニーのキャラクターとして「ビッグ・バッド・ウルフ」という固有名詞にもなっているようで、今回も特定のキャラクターのようなものとして言ったせりふなのかな? と思い、頭文字を大文字にしてみました。
そして、お部屋の赤いカーペットを「ずきんにしちゃおうよ!」と提案するダン。…ほこりとか、大丈夫? と、いらぬ心配をしてしまう主婦、私(笑)。
Miffy: You'll be a brilliant wolf. But we need to practice some words too.
(あなたは素晴らしいオオカミになれるわ。でも、いくらかせりふも覚えなきゃ。)
Dan: Words? What words? Can't I just growl?(せりふ? 何のせりふ? 唸るだけじゃいけないの?)
Miffy: In story, the wolf pretends to be Grandmother. Remember?
(物語の中では、オオカミはおばあさんに変装するのよ。覚えていない?)
Dan: Oh, yes!(ああ、そうだね。)
Miffy: Red Riding Hood says, "What big eyes you have!". And the wolf says?
(赤ずきんが、「なんて大きな目でしょう!」って言うの。それで、オオカミは何て言う?)
Dan: Umm…(うーん…)
Miffy: "All the better to see you with."(「お前をよく見るためさ」よ。)
ここで出てくる"words"というのは、「言葉」というよりも劇の「せりふ」のことですね。せりふと言えば、英語では"lines"かと思っていたのですが、lineは「行」、wordは「単語」なので、"words"の方が単純なイメージでしょうか。
ダンのせりふ、"Can't I just growl?"ですが、"growl"は「(動物が)うなる」という動詞。「せりふなんか覚えなくても、うなってるだけじゃいけないの?」ということですね。ちなみに"growl"は「うなり声」という名詞にもなる便利な単語です。
そして今回のハイライト(?)、"What big eyes you have!"と"All the better to see you with."という劇中劇のせりふ。
日本人が「おばあさんの目は、どうしてそんなに大きいの?」「おまえをよく見るためさ。」というやり取りを聞けばすぐに「赤ずきんちゃんだ!」とわかり、「お腰につけたきびだんご」と聞くだけで桃太郎を想起し、荒磯に波が打ち寄せる映像を見たらすぐに「東映のオープニングだな」と理解するように(?)、イギリスやアメリカの人にとってもすぐにピンとくるフレーズなのでしょうね。
"all the better to ...(動詞)"で「…にふさわしい」というイディオム。「大きな目」は「おまえをよく見るため」、「大きな耳」は「おまえの声をよく聞くため」、「大きな口」は「おまえを食べるため」にふさわしいものだ、と繰り返す表現なのですね。
Dan: Do we have to do the words?(せりふ、やらなきゃいけないの?)
Miffy: That's the best part of the story, when the wolf says...?
(物語のいちばん面白いところじゃない。オオカミが…?)
Dan: Umm…(うーん…)
Miffy: "All the better to eat you with."(「お前を食べるためさ」でしょ。)
Dan: But what if I don't remember what to say when people are watching me?
(でも、人(お客さん)が見ているときに、何て言うか忘れちゃったらどうしよう?)
Miffy: Umm… you can have a costume so you feel more like the wolf, and forget all about the people watching.
(うーん…衣裳を着れば、もっとオオカミになった気分になれるわ。そうすれば見ている人のことなんて全部忘れるわよ。)
Dan: OK.(わかった。)
ダン、せりふを覚えるのに自信がない様子。うん、わかる、わかる(笑)。
二行目のミッフィーのせりふ、日本語の構造上訳し辛いのですが、本来ならば、
That's the best part of the story, when the wolf says "All the better to eat you with."
(「お前をよく見るためさ」とオオカミが言うのが、物語のいちばん面白いところなのよ。)
と言うべきところ。ここでは、後ろのオオカミのせりふ"All the better to eat you with."を、オオカミ役のダンに続けて言わせるよう促しているわけです。が、日本語に訳してしまうと、オオカミのせりふが文の先頭に来てしまうので、訳すのが難しいということなのでした。
"What if...?"は、「…したらどうしよう」という不安を表現するのによく使われる構文ですね。
さて、即席の幕を張って舞台を作り、お芝居の準備が整ったようです。
Father&Mother: Oh!(おお!)
Mother: Special seats and everything.(特別席ね。)
Dan: "All the better… to see you with…","All the better… to see you with…"
(「お前を…よく見るためさ…」、「お前を…よく見るためさ…」)
What if I forget my words while your mommy and daddy are watching?
(君のママとパパが見ている中で、せりふを忘れちゃったらどうしよう?)
Miffy: Just take a deep breath. And pretend no one's watching. OK.
(深呼吸して。誰も見ていないと思いこむの。いいわね。)
パパとママが、劇を観に来ました。
ママのせりふ、"Special seats and everything."ですが、座席があるだけなのに"and everything"とはこれいかに、と思ってしまいそうですね。"〜and everything"で「〜などなど、〜のようなもの」という意味があるので、「特等席、って感じかしら」とぼかした言い方をしているのでしょうか。あるいは、「特等席を準備してくれて、他にも色々(舞台作りとか)やってくれたみたいね」というニュアンスもあるのかもしれません。
"pretend 〜"で「〜のふりをする」ですが、ここで使われているように「自分で自分に〜と思い込ませる」という意味でも使う事ができます。
Mother: Shush! It's starting.(シーッ! 始まるわ。)
Miffy: "I am Little Red Riding Hood."(「私は、赤ずきんちゃん。」)
Dan: "And I'm a wolf!"(「そしておれは、オオカミだ!」)
"Where are you going, little girl?"(「どこに行くのかい、お嬢ちゃん?」)
Miffy: "I'm taking this picnic to my grandmother."
(「このバスケットを、おばあさんのところに持っていくの。」)
Dan: "I'll get to her grandmother's house and take that picnic basket." ...Miffy!
(「おばあさんの家に行って、バスケットをちょうだいしよう。」…ミッフィー!)
Miffy: Yes?(なに?)
Dan: We don't have anyone to be Grandmother!(おばあさんをやる人がいないよ!)
Miffy: Oh, no!(ああ、大変!)
ダン、心配していたわりには、けっこうノリノリでやっています。
ところがトラブル発生。役者が足りない! やる前にわかりそうなもんだけどね!(笑)
Mother: I'll do it.(私がやるわ。)
Miffy: Thanks, Mommy.(ママ、ありがとう。)
Mother: "I'm Red Riding Hood's grandmother."(「私は赤ずきんのおばあさんだよ。」)
Dan: "Growl!"(「ガオー!」)
Mother: "Oh, a wolf!"(「あら、オオカミ!」)
Father: Oh, no! Run!(大変だ! 逃げろ!)
ぶっつけ本番でエキストラ出演を申し出るママ、役者に力いっぱい声援を贈るパパ。ステキだなあ。こういう親でありたいなあ。
Miffy: "Hello! Grandmother! Where are you?"(「こんにちは、おばあさん! どこにいるの?」)
Dan: "Hello, Red Riding Hood. Here I am."(「やあ、赤ずきん。私はここだよ。」)
Miffy: "My, what big eyes you have!"(「まあ、なんて大きな目なの!」)
Dan: "All the better to see you with." Yes!(「おまえをよく見るためさ。やった!)
Miffy: "And what big teeth you have!"(「そして、なんて大きな歯なの!」)
Dan: "All the better to eat you with!"(おまえを食べるためさ!)
Miffy: "Oh, no! A wolf!"(「まあ!オオカミだわ!」)
ここが「赤ずきんちゃん」の、ミッフィーによれば、「一番おもしろいところ」。定番フレーズが飛び交います。
ダン、心配していたせりふがちゃんと言えて、思わずガッツポーズ!
Miffy: Dad, we don't have anyone to be the Woodcutter who saves Red Riding Hood.
(パパ、赤ずきんを助けてくれる木こり役をする人がいないわ。)
Father: I'll be the Woodcutter. "Be gone, wolf!"
(私が木こりになろう。「あっちへ行け、オオカミめ!」)
Miffy: "Thank you, Woodcutter. You saved me! The end."
(「ありがとう、木こりさん。私を助けてくれたのね。おしまい。」)
もはや確信犯のミッフィー、パパに木こり役を依頼。パパも劇に参加できて楽しそうですな。
この"Be gone!"というのも、物語などでよく使われるフレーズでしょうか。「ここから立ち去れ!」ということですね。
Mother: Oh, well done. What a lovely play!(ああ、良くできたわね。なんていい劇だったの!)
Father: Well done, you two.(良かったよ、二人とも。)
Miffy: Dan, you were great. Did you do what I say and pretend no one was watching?
(ダン、上手だったわ。私が言ったとおりにしたの? 誰も見ていないと思い込むって。)
Dan: I didn't have to. No one was watching. Everyone was in the play!
(そんな必要なかったよ。誰も見ていなかったもの。みんな劇をしていたんだから!)
Miffy: You're right!(本当ね!)
誰も見ていないふりをしなくても、みんなが劇に出ていて本当に誰も見ていなかったんだから、緊張しなかったよ! というダンのせりふでみんなが笑って、おしまい。
ティクテーション、回数を重ねるごとに慣れてきました。
最近は、NHK worldの英語音声のみの番組(BS1で時々放送しています)もよく録画して観ているのですが、字幕がついていなくても、内容をすんなり理解できることが増えてきて嬉しいです。一般向けの情報番組などだと、難しい語彙を使わないように配慮されているので、かえってフィクションより理解しやすかったりするのですね。
こんなに色々な教材に触れることができるのは育休中の今くらいなので、他の学習と両立させながら、スキマ時間でちょいちょいと楽しく英語をやっております。
次もまた、更新は1週間後になるやもしれません。
いつものように、無理なくマイペースに続けていきます。またお会いしましょう〜。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!その④ 〜「ミッフィーのぼうけん」10月1日放送分〜
こんにちは。
先週は「ミッフィーのぼうけん」お休みでしたね。
その間にロシア語やらスペイン語やら、他の話題をアップしようかと思っていたのですが、今月末に迫ったスペイン語検定4級の準備が佳境に入っており、なかなか時間がとれませんでした。
先週あたりから「スペイン語検定対策4級問題集」を使って対策を始めたのですが、思っていた以上に「接続法」に手を焼いています。直接法過去、接続法現在、接続法現在完了、接続法過去、接続法過去完了…うーん、使い分けが難しい〜。
とはいえ、今日は英語で「ミッフィー」をディクテーションする回ですので、スペイン語の話はまた改めて。
その前にひとつだけ、スペイン語の小ネタ。
スペイン語で「しゃぶる」という意味の動詞、chupar(チュパール)が「そのまんまやんけ〜」なかんじでお気に入りです。活用をあえて平仮名で書くと…
「ちゅぽ、ちゅぱす、ちゅぱ、ちゅぱもす、ちゅぱいす、ちゅぱん」。
かわいいですね。
閑話休題。
今日も「ミッフィー」の英語、がんばって聴き取りました。いつものように、ちょこちょこと解説もつけています。訂正・ご指摘などは、コメント欄にてどうぞ。
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
「ミッフィーのアイスクリーム」10月1日(日)放映
ミッフィーと犬のスナッフィーが遊んでいるところに、くまのボリスのアイスクリーム屋台(移動販売?)がやって来ます。
Miffy: Ready, Snuffy? Catch!(いい、スナッフィー? キャッチして!)
Boris: Ice cream! Ice cream! Who wants a cool and yummy ice cream?
(アイスクリーム! アイスクリーム! 冷たくて、おいしいアイスクリームが欲しい人?)
Miffy: Me! please!(私! くださいな!)
Boris: Hello dear, Miffy! You're my first customer today. (hic) Oops! That sounded like…(hic)
(こんにちは、ミッフィー。君は今日最初のお客さんさよ。(ヒック)おっと! 今の音は…(ヒック))
Miffy: Hiccups.(しゃっくりね。)
ボリス、のっけから、しゃっくり(hiccups)を連発。しゃっくりの音って、英語でどう表記するんだ…? とネットで調べたところ、幾つかパターンがある中で"hic"が最も有力なようだったので、本稿ではそちらを採用します。
Boris: Exactly what I was going to say. Now, one ice cream for miffy coming right (hic) up! Here we go!(hic)
(まさにそれを言おうとしていたんだよ。さあ、ミッフィーにアイスクリーム一つ、おまちどお…(ヒック)さま! さあどうぞ!(ヒック))
Miffy: Oh, Snuffy!(あら、スナッフィー!)
Boris: Oh well, I guess that one was for Snuffy(?). Let's try again.
(ああ、これはスナッフィーのだったようだね。もう一度やろう。)
ボリス、しゃっくりの弾みで、アイスを落としてしまいました。これじゃあ商売になりませんね。
coming right upという表現は「今まさにやって来る」というときに使われます。「アイスがミッフィーのところにやって来るよ!」ということで、つまり「アイスお待ちどおさま!」となるわけですね。
最後のボリスの台詞が速かったので自信ないのですが、落としたアイスはスナッフィーにあげたんだよ、とボリスは開き直っているようです。
Boris: Sorry, Miffy.(ごめんよ、ミッフィー。)
Miffy: That's OK, Boris.(いいのよ、ボリス。)
何度やっても、しゃっくりが邪魔をしてアイスをうまく渡せません。
Boris: Go away, silly hiccups! I can't serve ice creams like this.
(消えろ、ばかなしゃっくりめ! こんなんじゃ、アイスを出せないよ。)
Miffy: I know. I could help you, Boris.
(わかったわ。私があなたを手伝うわ、ボリス。)
Boris: Oh, would you, Miffy? That would be (hic) ever so kind.
(ああ、そうしてくれるかい、ミッフィー? それは(ヒック)とても親切なことだね。)
Miffy: One ice cream for me coming up! There! Umm…yummy.
(私に、アイスクリームをひとつ! ほら! うーん…おいしい。)
Miffy: No, Snuffy. You've had enough.(だめよ、スナッフィー。あなたは充分食べたでしょ。)
ボリスの"I can't serve ice creams"という表現ですが、アイスクリームって複数形にできる(可算名詞)んだ…ということを初めて知りました。a cup of coffee, a piece of cakeのように単位が前につくものだと思っていましたが、辞書(ジーニアス英和辞典)にもきちんと例文で"Two ice creams, please."と載っていましたよ。
さて、ボリスの代わりにアイスクリームを自分で入れたミッフィー。ですが、ボリスが引き続きしゃっくりに悩まされているのを見て…。
Miffy: You know, Boris, I can look after your ice cream stall until your hiccups are gone.
(ねえ、ボリス、私、あなたのしゃっくりが止まるまで、アイスクリーム屋台の店番をしようか。)
Boris: Really? Thank you, Miffy. That would be a great (hic) help.
(本当? ありがとう、ミッフィー。それはすごく(ヒック)助かるよ。)
Miffy: You sit down here and relax. And I'll run the ice cream stall.
(あなたはここに座って休んでて。私がアイスクリーム屋台をやるから。)
"look after"は「世話する、気をつける」で"take care of"の類義表現ですね。ここでは「(ボリスの代わりに)屋台の面倒を見る」ということになります。
ところで「アイスクリームの屋台」という言葉、最初は"ice cream store"かと思ったのですが、storeはどちらかというと、しっかりした建物に入ったお店をさす語でした。ボリスがやっているような移動式の屋台、露店は"stall"と表現するほうが適切ですね。この2語、特にイギリス英語だと発音だけで区別するのが難しいです。
Miffy: Who wants some ice cream? Cool and yummy!
(アイスクリームが欲しい人はいますか? 冷たくておいしいですよ!)
Melanie: Me, please, Miffy.(私、欲しい、ミッフィー。)
Miffy: One ice cream for Melanie coming right up!(メラニーにアイスクリーム一つ、お待たせ!)
ところで、今回、アイスクリームにお金を払っている人が皆無なんだけど大丈夫かしら…。と、いらんところに気づいてしまう私です。
Melanie: Hi, Boris!(こんにちは、ボリス!)
Boris: Hi, Melanie! (hic)(やあ、メラニー!(ヒック))
Miffy: He's got hiccups. I'm helping him until they're gone.
(ボリス、しゃっくりをしているの。止まるまで、私が彼を手伝っているのよ。)
Melanie: Thank you. I know how to cure your hiccups, Boris. You have to stand on one leg.
(ありがとう。私、しゃっくりを止める方法を知っているわ、ボリス。片足で立って。)
Boris: Like this?(こうかい?)
Melanie: Yeah, good! And now, rub your tummy.(いいわ!そして、お腹をさするの。)
Miffy: That's it, Boris!(がんばって、ボリス!)
「しゃっくりを止める」は"stop"ではなくて"cure"を使うのですね。治療する、というわけ。
しゃっくりを止める方法と言えば、水をお椀の反対側から飲むとか、息を止めるとか聞いたことがありますが、「片足で立ってお腹をさする」というのは…。メラニーのオリジナルでしょうか? それともイギリスでは定番なのかしら。
"That's it."は色々な場面に使える表現で、辞書にも「その通り」「おしまい」「いよいよ始まるぞ」「万事OKだ」など様々な訳が載っています。この場面では、片足立ちで頑張っているボリスを「そうそう、その調子!」と励ますのに使われていますね。
で、ボリスは頑張ったのですが、転んでしまっただけで結局しゃっくりは治りません。
Melanie: Well, it always works for me.(うーん、私はいつも(この方法で)うまくいくんだけど。)
Boris: It was worth a try. (hic) Thanks anyway, Melanie.
(やってみる価値はあったよ。(ヒック)いずれにせよ、ありがとう、メラニー。)
Melanie: Bye!(バイバイ!)
Miffy: Bye, Melanie.(バイバイ、メラニー。)
動詞"work"には「働く」の他に、何らかの方法が「うまくいく」、薬などが「効く」という意味もあります。
"worth a try"で「やる価値がある」ですね。「だめもとでも、とりあえずやってみようよ」という時などにも使われます。
Boris: Ah… if only I could stop (hic) hiccuping for long enough (hic) to have an ice cream.
(ああ…アイスクリームをひとつ持つ間だけでも、しゃっくりを止められればなあ。)
Miffy: Don't worry, Boris. Oh!(心配しないで、ボリス。あっ!)
"if only..."で、「〜でありさえすれば…」と残念な気持ちを表します。アイスクリームをひとつ売ることすらできないボリス、悔しそうですね。
そこへ、ミッフィーの伯母のアリスがやってきます。屋台のラッパをパフパフと鳴らして、伯母さんを驚かすミッフィー。
Alice: Oh!(あら!)
Miffy: Ice creams!(アイスクリームよ!)
Alice: Miffy! You gave me a bit of a shock there!(ミッフィー! びっくりしたじゃないの!)
Miffy: I'm looking after Boris's ice cream stall.(ボリスのアイスクリーム屋台を手伝っているのよ。)
Alice: So, I see. But where is Boris?(そう、わかったわ。でもボリスはどこ?)
Miffy: He's got the hiccups. He can't get rid of them no matter what he tries.
(彼はしゃっくりをしているの。何をやっても止めることができないのよ。)
Alice: Hm, well have you tried…?(うーん、これは試してみた…?)
アリス伯母さんの"a bit of a shock"という言葉、直訳すると「ほんの少しのショック」ですが、"a bit of a…"を使って反語的に「ものすごく、大した」という意味をあらわすこともあります。日本語でも、本当に素晴らしいものに対して「これはちょっとすごい」と言ったりしますよね。
"no matter what …"で、「たとえ何を〜しても」。同様に、"no matter how"(どんなに〜しても)、"no matter who"(誰が〜しても)など、他の疑問詞を使うこともできます。
アリス伯母さん、しゃっくりを止めるための秘策をミッフィーに伝授しているようですね。
Miffy: One ice cream for aunt Alice coming up.(アリス伯母さんにアイスクリーム一つ!)
Alice: Hello, Boris.(こんにちは、ボリス。)
Miffy: Oh, I can't reach! Can you help me, Boris?(ああ、届かない!手伝ってくれない、ボリス?)
Alice: Oh yes, well, could you?(ああ、そうね、やってくれるかしら?)
Miffy: It's right to the bottom(?). (ちょうど底のほうなの。)
Boris: Of course, Miffy.(もちろんだよ、ミッフィー。)
アイスの箱の底に手が届かない(ふりをする)ミッフィー。
最後のミッフィーのせりふ、"right at the bottom"(底のほうにある)なのか、"right to the bottom"(底のほうに向かって)なのかがはっきりしませんでした。どちらでも意味が通じるような気がしますが…?
ボリスがアイスの箱に気を取られている隙に、ミッフィーは大きな音でラッパを鳴らします。びっくりしたボリスの手からアイスが吹っ飛び、アリス伯母さんのコーンにジャストミート!(笑)
Boris: Oh!(うわあ!)
Alice: Speedy service, Boris!(スピーディーなサービスね、ボリス!)
Boris: Miffy! What did you do that for? You gave me a fright.
(ミッフィー! なんでこんなことしたんだい? 怖かったよ。)
ボリスの"What did you do that for?"という台詞ですが、この場合の"for"は「〜のために」と目的を表すものなので、直訳すると「何のためにそんなことをしたの?」つまり「なぜやったの?」という表現になるわけです。
"fright"は「恐怖、驚き、おびえさせるもの」とあるので、怖いくらい驚かせるもの、という日本語にないニュアンスを含んだ語です。
Miffy: No, I gave you shock. Just like aunt Alice said.
(ううん、あなたにショックを与えたの。アリス伯母さんが言ったみたいにね。)
Alice: That's right. A big shock is good for getting rid of hiccups.
(そうよ。大きなショックは、しゃっくりを止めるのにいいのよ。)
Boris: No hiccups? No hiccups! No hiccups!(しゃっくりが止まった? しゃっくりが止まった!)
Miffy: And that means…?(ということは…?)
Boris: Oh, yes. Ice cream!(ああ、そうだ、アイスクリーム!)
しゃっくり、無事に止まりましたね。
びっくりするとしゃっくりが止まる、というのは日本でも聞きますが、万国共通なのでしょうか。
満を持して、アイスクリームを… あんたが食べるんかーい!! とボリスにツッコミを入れる関西人(私)。
Miffy: Oh, Snuffy! You've eaten too much ice cream. Now you got hiccups!
(あら、スナッフィー! アイスクリームの食べすぎね。今度はあなたがしゃっくりしてる!)
Alice: Oh no! Snuffy!(あらまあ、スナッフィー!)
犬もしゃっくりをするものなのかしら。というオチがついて、今回はおしまいです。
さて、無事に4回目が終了しました。
最近は、冒頭でも言ったとおりスペイン語の学習が立て込んでおりますが、スペイン語の検定対策についても何か書いていけたらいいな、とは思っています。とはいえ、「無理しないこと」が最優先。ミッフィー(英語)とチェブラーシカ(ロシア語)も少しずつ続けていきつつ、ゆったりとしたペースで更新していこうと思います。
今後とも、どうぞ、よしなに。
では、また近いうちにお会いしましょう。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!その③ 〜「ミッフィーのぼうけん」9月17日放送分〜
こんにちは。
1歳1ヵ月になった娘・おタマが少しずつ言葉を理解するようになり、楽しくってつい色んな芸(?)を仕込んでしまう新米かあさん、マミです。
「パチパチ」と言えば拍手してくれますし、「何歳?」と聞けば指でぎこちなく「1」を作ってくれます。「いないいないばあ」も、してもらうよりするほうが得意。「いないいない」が言えなくて「んまんまんま…ばぁ〜」になってしまうのもご愛嬌。
最近は「バンザーイ」を覚えました。私が言うのに合わせて「ばばーい」と言いながら元気いっぱいに両手を挙げてくれます。可愛さが振り切れていますね。
さて、そんな親バカ全開の私ですが、今日は英語の回でした。遅くなりましたが、ちゃんとやりますよ。日曜の「ミッフィーのぼうけん」をディクテーションします。
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
今回はちょっと難易度高かったです。ご指摘や訂正はコメント欄にてどうぞ。
「ミッフィーときんぎょ」9月17日(日)放映
のっけから、なぜか金魚鉢を持って歩いていくミッフィー。呼び止めるナレーションです。
Narrator: Hello, Miffy. Are you taking that goldfish for walk?
(やあ、ミッフィー。金魚を散歩に連れていくのかい?)
Miffy: Ha-ha, don't be silly. You don't take fish for walk. This is Bubbles(?). I'm looking after him for Dan.
(ハハハ、ばかなこと言わないで。お魚を散歩に連れて行ったりしないわ。これはバブルス。ダンのために、お世話をしているの。)
Narrator: Oh, so, where are you taking him?
(ああ、それじゃ、どこへ連れていくの?)
Miffy: To the playground. I'm bringing him with me to make sure he stay safe.
(遊び場よ。彼(バブルス)が安全に過ごせるかどうか見守るために連れていくの。)
Narrator: That's very thoughtful of you, Miffy. Just be careful with him.
(それは思いやりのあることだね、ミッフィー。気をつけてね。)
Miffy: I will.(そうするわ。)
犬や猫ではなく、金魚のお世話を頼むなんて、律儀なことです。
ダンというのは、ミッフィーの友だちの男の子。ビジュアルはミッフィーにそっくりですが、耳がちょっと違います。そのダンが金魚の飼い主というわけ。
look after〜で「〜の世話をする」。金魚さんの名前のスペルはBubblesで合っているのかわかりませんが、himと言っているのでオスのようですね。
Miffy: Hi, Melanie. Hi, Grunty.(こんにちは、メラニー。こんにちは、グランティ。)
Melanie: Hi, Miffy.(こんにちは、ミッフィー。)
Grunty: Miffy! Catch!(ミッフィー! キャッチして!)
Miffy: Oh!(ああ!)
Grunty: Oops, sorry, Miffy.(あっ、ごめんね、ミッフィー。)
Miffy: It's alright, Grunty. But be careful with Bubbles.
(大丈夫よ、グランティ。でもバブルスに気をつけてね。)
Grunty: I will.(気をつけるわ。)
広場では、友だちのメラニーとグランティが遊んでいます。
ボール遊びをしているところに金魚なんか連れてったら、そりゃそうなるで…というシーンですね。"Be careful.""I will."のやり取りが、さっきのナレーションとミッフィーのやり取りの「被せ」みたいになっています。
Melanie: You should put him down somewhere out of the way.
(どこか、(ボールの来ないところに)降ろすべきね。)
Miffy: OK.(わかった。)
Grunty: Let's see how high we can fly the ball. Here(Hiya?)!
(どれくらい高くボールを飛ばせるかしら? それ!)
Miffy: Oh! Got it! Higher!(ああ! 捕まえた! もっと高く!)
Melanie: Got it. Even higher!(捕まえた。もっともっと高く!)
Grunty: Oh, miss!(あっ、失敗。)
Miffy: Bubbles!(バブルス!)
somewhere out of the wayというのが、どういう解釈をすればいいのか少し自信がないですが、恐らく「ボールの通り道(the way)を離れた(out of)ところ」ということではないかと思います。
グランティがボールを投げたときの掛け声、人にものを渡すときの"here"なのか、単に意味の無い掛け声なのかもよくわかりませんでした。外国語だと、このような掛け声やオノマトペをどのように綴るのかがちょっと難しいですね。
金魚鉢をせっかく離れたところに置いていたのに、ボールが飛んでいってやっぱり危ない目にあうバブルス。かわいそう…(笑)。
Melanie: Sorry, Miffy. That was my fault.(ごめんね、ミッフィー。私の失敗だわ。)
Grunty: Maybe the playground isn't the safest place for goldfish after all.
(遊び場は結局、金魚にとって一番安全な場所じゃないみたいね。)
Miffy: You're right, Grunty. I'd better take him home. Bye!
(その通りね、グランティ。家に連れていくのがよさそうだわ。バイバイ!)
Melanie/Grunty: Bye, Miffy.(バイバイ、ミッフィー。)
グランティが的を射たことを言ってくれて、ミッフィーは早々と退散。
"would better do"は「〜するのがよい」という意味で、他人に対して使うと「〜しなさい」と指示する表現になります(主に目下の人に対して使われます)。ミッフィーは自分自身の行動に対してこのフレーズを使い、「バブルスを連れて帰った方がよさそうね」と言っています。(この"would better do"、前回も出てきていました。)
Miffy: Hey, Snuffy. Be careful! Oh, all right. Just one throw. There!
(あら、スナッフィー。気をつけて! ああ、わかった。1回投げるだけね。それ!)
家に向かう道すがら、今度は犬のスナッフィーがじゃれてきます。
木の枝を投げてもらって嬉しいスナッフィー、思わずミッフィーに飛びつきますが…。
Miffy: Careful, Snuffy! Sorry, Snuffy. Looking after fish is harder than I thought.
(気をつけて、スナッフィー! ごめんね、スナッフィー。魚のお世話って、思っていたより大変だわ。)
ミッフィー、金魚のお世話がうまくいかず、しょんぼりとおうちに帰ります。
Mother: Miffy! Miffy? Miffy bug(?). Did you not hear me calling? Dinner's ready.
(ミッフィー! ミッフィー、かわいいミッフィー。呼んでいるのが聞こえなかったの?夕飯ができたわよ。)
Miffy: Sorry, Mommy. But I don't want to let go of Bubbles. Every time I did, something terrible really happens!
(ごめんなさい、ママ。でも私、バブルスを置いていけないの。そうするたびに、何か恐ろしいことが本当に起こるのよ。)
Mother: Oh…(あら…)
Miffy: The only way I can be sure Bubbles is safe is to not put him down till morning.
(バブルスが安全だって確信できるただ一つの方法は、朝まで彼を置いておかないことなの。)
最初のせりふ、ママがミッフィーを呼びかけるときに使った語について。
英語では、恋人や夫婦、親子などの間で、愛情をこめて相手を呼ぶときの表現がたいへん多彩です。日本人でも薄々知ってる(?)honeyやdarlingの他に、海外ドラマなどを観ていると、sweetie, sugar, pumpkinなどなど、実に多彩な食べ物の名前で呼び合っていたりします。たぶん「食べちゃいたいくらい可愛い」という愛情の現れなのでしょうね。
で、このママのせりふも何かそういう愛情表現の一種なのだろうけれど、よくよく聞いてみると、どうやらbugと言っているらしい。…虫? と思って色々調べたところ、辞書には載っていなかったのですが、こちらのサイトでbug, sugar bug, love bugという表現が見つかりました。虫は虫でも、ladybug(てんとう虫)のように、ちんまりと可愛らしい虫さんのような我が子…ということなのでしょうか。わかるような、理解しがたいような。上記のサイトには、他にもnoodleとかbeanとかpotatoとか…、結局、なんでもいいんかい! とツッコミを入れたくもなりますが、自分のお気に入りを探して呼んであげるといいようですね。
Mother: Hmm… So does Dan hold Bubbles all the time to keep him safe?
(うーん…じゃあ、ダンは彼(バブルス)を安全にしておくために、いつも抱えているの?)
Miffy: Hm… He keeps Bubbles on the shelf in his bedroom. We can do the same!
(うーん…彼は、ベッドルームの棚の上にバブルスを置いているわ。同じことをすればいいのね!)
Miffy: There you go. It will be nice and safe there. Thank you, Mommy.
(これでいいわ。そこは居心地が良くて安全ね。ありがとう、ママ。)
Mother: You're welcome. Now, come and have some dinner.
(いいのよ。さあ、来て夕飯を食べましょう。)
Miffy: Um…(うーん…)
Mother: It's your favorite.(あなたの好物よ。)
Miffy: Carrot stew!? Yay!(にんじんのシチュー?やった!)
ママが核心を突いたことを言います。まじめに四六時中金魚を抱えていたミッフィー、ようやく真実に気づいたようです。ちょっとズレたところがあっても、こういう責任感が強くてまっすぐなところが、ミッフィーの魅力ですよね。
Father: And they all lived happily ever after. The end. Night-night, Miffy.
(そして、彼らはいつまでも幸せに暮らしました。おしまい。おやすみ、ミッフィー。)
Miffy: What about Bubbles, Daddy?(バブルスには、パパ?)
Father: Oh, night-night, Bubbles.(ああ、おやすみ、バブルス。)
Miffy: Night-night, Daddy.(おやすみなさい、パパ。)
寝る前の日課なのでしょう、ミッフィーに絵本を読んであげているパパ。
この"They all lived happily ever after."という表現は、「彼らはいつまでも幸せに暮らしました。めでたし、めでたし」というおとぎ話の定型表現ですね。このフレーズを見ると、私はいつもディズニー映画"Enchanted(邦題:魔法にかけられて)"を思い出すのですが、語り始めると長くなるので割愛! 英語の勉強にと思い、せりふを全部洗い出して分析した思い出の作品です。映画に使われる英語の解説なんかも、いつかやりたいなあ。
「おやすみなさい」の表現としては、言わずと知れた"Good night."の他にも、ここに出てきた"Night-night."とか"Nighty-night."というものがあります。
さて、翌朝。ミッフィーがバブルスに餌をやっていると、ダンが訪ねてきます。
Dan: Morning, Miffy. How's Bubbles?(おはよう、ミッフィー。バブルスはどう?)
Miffy: Hi, Dan. He's fine. I'll just get him. Here he is.
(こんにちは、ダン。彼は元気よ。いま連れてくるわね。さあ、どうぞ。)
Dan: Oh, hello, Bubbles. I knew you were doing great job, Miffy. I told everybody what a great pet sitter you are(?).
(ああ、こんにちは、バブルス。君はいい仕事をしてくれると思っていたよ、ミッフィー。僕はみんなに、君がどんなにすばらしいペットシッターかを教えたんだ。)
Miffy: Everybody?(みんな?)
ダンのせりふが速くて聴き取りづらかったのですが、ミッフィーのペットシッターとしての資質をみんなに吹聴したみたいですね。余談ですが、babysitter(ベビーシッター)という語はスペースを空けずに1語で表現できるのに対し、pet sitterは2語のままになっています。使われる頻度の違いでしょうか。
噂を聞きつけて、早速くまのボリスが訪ねてきます。ライトニング(稲妻)という、仰々しい名前のペットを飼っているようですが…?
Boris: Hello, Miffy. Dan said you'd be the perfect person to look after my pet. Lightning. Just for one night.
(こんにちは、ミッフィー。ダンが、君は僕のペットのお世話をするのに完璧な人物だって言っていたよ。ライトニングだ。1晩だけでいい(から、世話してほしい)。)
Miffy:Lightning? I don't know… Oh! That one then(?).(ライトニング? どうしよう… ああ! これならいいわ。)
Boris: Thanks, Miffy. See you tomorrow.(ありがとう、ミッフィー。また明日ね。)
Miffy: Bye, Boris.(さよなら、ボリス。)
Dan: Bye.(さよなら。)
Miffy: Bye, Dan. Bye, Bubbles.(さよなら、ダン。さよなら、バブルス。)
大人のボリスが、子どもであるミッフィーの家にアポ無しで来ていきなりペットを預けていくとは、いい度胸だ…と思ってしまうのですけれど(笑)。私が保護者だったらちょっと怒ると思う…、と、余談はさておき。
ライトニングというのは、カメさんの名前なのでした。それなら大丈夫かな?
Narrator: Miffy? Are you going to take Lightning for walk too?
(ミッフィー? 君はライトニングも散歩に連れていくの?)
Miffy: No. I got the perfect bedside table to keep him on.
(いいえ。彼を置いておくのに完璧なベッドサイドテーブルがあるの。)
Narrator: Let's think that's probably best.(たぶん、それが一番いいだろうね。)
賢いミッフィーは、ペットを連れて歩くのではなく、居場所を作ってあげるということを学んだのでした。めでたし、めでたし。
さて、これで3回目が終わりました。
ディクテーションシリーズを始める前は、せりふを全部書き取るなんて難しいかな? と思っていたのですが、いざ始めてみるとなかなか楽しいです。アニメを最初に通して観たときは、毎回「これが一言一句聴き取れるのか…?」と不安に思ったりもしますが、何度も繰り返して聞いているうちにピッタリくる英語に思い当たったときの快感といったら! 病みつきになりそうです(笑)。今後も無理のないペースでやっていきます。
さて、スペイン語検定の時期も近づいてきて、このところ少し立て込んでいます。次回は連続でミッフィーをやることになるかもしれません。いずれにせよ、近いうちにまたお会いしましょう。
建てて建てて… 建て終わった! 〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その⑥〜
こんにちは。
秋が少しずつ、深まってきていますね。北陸でも、特に夜は冷えるようになってきました(そういえば台風も来てますねー)。我が家の1歳児おタマ、見事に鼻風邪を引いております。
1週間くらいずっと、水バナを垂らしてズビズビ言っておりまして、本人は特に気に留める様子もなく遊んでいるのですが、お世話をする側としてはやはり気になるので、折に触れて鼻吸い器で鼻水を吸い取りまくっております。
この「鼻吸い器」、乳幼児の鼻に管を突っ込んで思いっきりバキュームできるようになっている代物なのですが、やられる方はたまった物ではないらしく、いつも全力で嫌がって転げ回ろうとするのを押さえるのに苦労します。
本人がティッシュで上手に「ちーん」できるようになれば、だいぶ楽なんでしょうけれど…。
のっけから鼻水の話などしてしまいました。
今日は、人形アニメ「チェブラーシカ」を使ったロシア語学習、第6回目をお送りします。
前回までの記事はこちら。
チェブラーシカの名前の秘密。〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その①〜
名前だって変幻自在。〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その②〜
いたずらで宣戦布告?〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その③〜
独りぼっちの誰かのために。〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その④〜
バナナではなく、スイカの皮を。〜「チェブラーシカ」でロシア語を学ぶ その⑤〜
友だちがいない人のために、「友だちの家」建設をがんばってきたゲーナ達。いよいよ、完成です。
ナレーション:прошло десять дней, и домик был готов.
(10日が過ぎ、家ができました。)
прошлоは「通り過ぎる、経過する」という意味の動詞пройтиの中性形過去ですね。
деньという語は数詞десять(10)の要求で、複数生格днейになっています。
готовは、「用意できた、準備できた」という意味の形容詞готовыйの短語尾男性形です。
しかし、たった10日で家を建ててしまうとは…。
やるな、ゲーナ組…!!
きれいな絵で飾られた家には、"домик друзей(友だちの家)"の文字。
完成のセレモニーでしょうか、ゲーナがテープカットをすると、上からお花が降ってきます。どうやら、いたずらばあさんのシャパクリャクが仕込んだようです。
お花にはカードが添えられていて、筆記体で少し読み辛いですが"Привет от Шапокляк!(シャパクリャクより、あいさつ!)"と書かれています。
приветという語は、それだけで「こんにちは」というあいさつに使われますが、名詞として「あいさつ」という意味ももっています。
いじわるばかりしていたシャパクリャクですが、皆とお近づきになりたいようです。いじらしいですね。
ゲーナ:Сейчас Чебурашка скажет вам речь.
(では、チェブラーシカがあなた達にスピーチをします。)
チェブ:Мы строили - строили, и, наконец, построили! Ура!!!
(僕たちは、建てて、建てて… そしてついに、建て終わりました! やったー!!)
「話す」という意味の動詞скажитьに、「スピーチ」という意味のречьを付けて「スピーチをする」と言うことができるんですね。
このチェブラーシカのせりふは、完了体と不完了体の違いを学ぶのにとてもいい例だと思います。
「建てている」という、進行している状況をあらわすのが、不完了体のстроить。
「建て終わった」、つまり完了した状態をあらわすのが、完了体のпостроить。
наконецは「ついに、ようやく」という意味でよく使われる語ですね。
ура!!は、「やったー!」「ばんざい!」という喜びや興奮を表現するのに使われる語ですが、何も知らずにいきなり「ウルァーー(巻き舌)!!」と言われたら、日本人としてはビックリしちゃいそうですね(笑)。知識って大事です。
ゲーナ:А сейчас, мы будем зописывать всех, кому нужны друзья.
(では、私たちは友だちが必要な人(の名前)を、全て書き留めます。)
キリン:Зачем записывать, мы уже все подружились.
(なぜ書き留めるの、私たちもう皆、友だちになったじゃない。)
おじさん:Да-с, мы действительно подружились... на стройке.
(そうですよ、本当に、私たちは仲良くなりましたね… (家を)建てることで。)
всех, кому нужны друзьяは、関係代名詞ктоの与格形комуが使われていて、「その人に友だちが必要だという人、すべて」という意味になります。
再帰動詞подружитьсяは「友だちになる」。
おじさんが言っている"да-с"が気になりました。調べてみると、да-сударьの略で、сударьとは目上の人を敬意を込めて呼ぶ語。つまり、"да-с"は英語でいうと「イエッサー」「イエス、マム」みたいな意味になるんだそうです。目上の人相手というわけではないでしょうが、礼儀正しい人なのかな? と思い、敬語で訳してみました。
友だちをつくるために友だちの家を建てたけど、友だちの家を建てる作業の中で友だちができてしまった…という、矛盾(?)が起きてしまいました。
チェブ:Что же это получается - строили мы строили, и всё напрасно?
(これはどういうこと、僕たちは建てて建てて、そして全部、むだになったの?)
ガーリャ:И совсем не напрасно, это же вы их подружили.
(全く、むだなんてことないわ。あなたたち、彼らを友だちにしたんだから。)
А здесь будет жить Чебурашка.
(それで、ここには、チェブラーシカが住む(といい)わ。)
Ведь он живет в телефонной будке. Правилино?
(ほら、彼、電話ボックスに住んでるのよ。でしょ?)
ゲーナ:Правилино.(そうだね。)
получитьсяは「〜という結果になる、判明する」。"Что полутилось?"で、「何が起こったの?」という意味でよく使われるフレーズです。
вы их подружилиで、「彼ら(キリンさんやおじさんたち)を友だちにする」。このподружитьは手許の辞書に載っていませんでしたが、恐らくдружитьの完了体で「(誰かと誰かを)友だちにする」という意味ではないかと思います。そういえば、先ほど再帰動詞のподружиться(友だちになる)という語が出てきましたね。
ведьは「ほら、わかるでしょう?」と相手に呼びかけるときによく使われます。
チェブ:Нет, давайте отдадим этот дом детскому садику.
(ううん、この家を譲って、幼稚園にしようよ。)
А я там буду работать игрушкой, если меня возьмут - я же неизвестно кто.
(で、僕はそこでおもちゃとして働くよ、もし僕を雇ってくれたらだけど…僕、正体不明の誰かだけど。)
отдадимは、不規則変化動詞отдать(返す、譲る、捧げるなど)の一人称複数形。人称変化のパターンとしては、基本の動詞датьと同じですね。
ここで、私自身の復習も兼ねて、датьの人称変化をおさらいしておきましょう。
дать- дам, дашь, даст, дадим, дадите, дадут
うーん、いつ見ても、変な活用です。でもよく使う語なので、しっかり覚えておきたいですね。
детскому садикуは、「幼稚園」детский садикの与格形。私は「幼稚園」といえばдетский садだと思っていましたが、дом(家)がдомик(小さな家)になるのと同じ理屈で、「小さな幼稚園」としてдетский садикという語が使われているのだと思います。
работать игрушкой、работать+造格形で「〜として働く」なので、「おもちゃとして働く」ということ。なんだかへんな感じですが、愛らしいチェブラーシカは確かに、おもちゃとして愛でてもらうことが適任であるような気もします。
ただ、チェブは「正体不明」と動物園に入れてもらえなかったことを気にしていて、"если меня возьмут..."なんて言っています。еслиは「もしも〜なら」、возьмутは「取る、連れていく」という意味のвзятьの三人称複数形なので、「彼ら(幼稚園関係者)がもし、僕を連れていってくれるなら…」という弱気な発言なのです。
неизвестноは、「有名な」という意味の副詞известноに否定の接頭辞неがついているので、「誰も知らない」となります。
ゲーナ:Как это - неизвестно кто? Очень даже известно.
(何だって、正体不明の誰か? とても有名ですらあるのに。)
ガーリャ:Мы за тебя попросим.(私たち、あなたのために、お願いするわ。)
みんな:И мы. И мы тоже попросим.(私たちも。私たちも、お願いしよう。)
дажеは「〜さえ、〜すら」という意味なので、「正体不明なんてとんでもない! むしろ有名だよ!」というニュアンスを表現する語となります。
за+対格形で、「〜を守って、〜のために」。チェブラーシカのために、この家に住めるよう皆で嘆願しよう、ということですね。попроситьは「頼む」という意味の完了体動詞。完了体は、現在形を使うと「これから〜する」という未来の行動を表すことになるので、ここでは「私たちがこれから頼みに行こう」という意味で使われています。
皆が、チェブラーシカのために、動いてくれると言っています。
どこにも行くところがなくて、電話ボックスに住むしかなかったチェブラーシカ。捨てられたオモチャみたい、なんて言われて、ひとりぼっちだったチェブラーシカ。優しい友だちがたくさんできて、良かったね。(号泣)
最後にゲーナが、離れところからこっそり見守るシャパクリャクばあさんを発見します。
シャパクリャク、チェブに何やら書かれた紙を渡しました。
ゲーナ:Смотрите!(ごらん!)
手紙:Я больше не буду. Шапокляк.(私、もう、(いたずらを)しません。シャパクリャク。)
смотритеは「見る」という意味の動詞смотритьの複数命令形です。
большеは、元は「大きい」という意味の形容詞большойの比較級で「より大きい」という意味の語ですが、ここから転じて「これ以上は、もう」という意味でも使われます。
(余談ですが、あの有名なボリショイ劇場Большой Театрの名前は「大きな劇場」という意味ですね。)
Я больше не буду.は、直訳すると「もう、これ以上、しません」という意味になり「何を?」と聞き返したくなりますが、シャパクリャクがこれまでしたことを振り返ると「いたずら」以外にないわけで(笑)、これ以上言う必要がないので省略されています。
いたずらでゲーナ達を困らせてやろうと思っていたシャパクリャク、仲良くなったみんなの姿を見て、自分も仲間になりたいと素直に思えたようです。
なんとも微笑ましい終わり方です。万事解決して、めでたしめでたし。
(ま、この後のエピソードを見ると、これからもバンバンいたずらしまくっているシャパクリャクさんですが…。)
さて、ここまでで、上映時間20分のショートフィルム"Крокодил Гена(ワニのゲーナ)"の訳と解説が終わりました。
チェブラーシカのDVDには、「ワニのゲーナ」を含めて、全部で4つのエピソードが収録されています。
今までどおりカメのようなスピード&更新頻度ですが、これらのエピソードを完全制覇すべく、少しずつ前に進んでいきたいと思います。次のエピソードは、ずばり"Чебурашка(チェブラーシカ)"。不器用ながらも、人の訳に立ちたい! と、チェブラーシカが奮闘します。私もロシア語を学ぶ誰かの役に立つべく、というか主に自分自身のためですが、これからも奮闘してまいります。
では、次回は恐らく、9月17日(今日だわ)放送の「ミッフィーのぼうけん」の英語解説をする回になると思います。
またお会いしましょう。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!その② 〜「ミッフィーのぼうけん」9月10日放送分〜
こんにちは。
この度、ママ友さんとベビー達が我が家に遊びに来ることになったのですが、もはや我が家が「私や娘や夫がダラダラ、ゴロゴロするための場所」と化してしまい散らかり放題でして、どこから片付ければいいのか見当もつかない新米かあさん、マミです。
おタマを出産して以来一年間、何とか「先方のおうちにお邪魔する」「子連れカフェの開拓という名目で外食する」「子育て支援センターに行く」等々の手口(?)を用いて「我が家にママ友が来る」という選択肢を回避してきたのですが…。
いや、迷惑だと言ってるんじゃないんですよ。仲良くしてくださるママ友さんがいるのはとっても有り難いことですし、家でゆっくりおしゃべりに興じるのもステキですし、うちに来ていただくのは全くもって、やぶさかではないのです。
…そう、片付いてさえいれば!
ま、いい機会と思って、少しずつ掃除していきたいと思います。こういうことでもないと片付かないしね(汗)。
さて、今日は毎週恒例(にしていきたい)、日曜放映の「ミッフィーのぼうけん」の英語を書き起こすディクテーション大会、第2回でございます。
※この「ディクテーション」シリーズの詳細や注意事項については、下記リンクをご覧ください。
英語リスニング・ディクテーションチャレンジ!〜「ミッフィーのぼうけん」より〜
今回はかなり聴き取れたような手応えがありますが、それでも間違いはあると思いますよ(へんな自信)。ご指摘・ご訂正はコメント欄にてお願いいたします。
「ミッフィー おともだちをたすける」9月10日(日)放映
のっけからミッフィー、すごい勢いで走っていきます。呼び止めるナレーション。
この世界では、当然のように「天の声と会話をする」ということが起こりますが、メタフィクションというやつですね。
Miffy: Wheeee!(びゅーん!)
Narrator: Oh my word! You are in a hurry, Miffy?(おやまあ、急いでいるのかい、ミッフィー?)
Miffy: I've got to get to Barbara's shop. To buy tomatoes for Mommy's stew.
(バーバラのお店に行かなきゃいけないの。ママのシチューのためにトマトを買うのよ。)
Narrator: Oh, that's very helpful. But do you have to go so fast?
(それはいいお手伝いだね。でも、そんなに速く行かなきゃならないの?)
Miffy: Yeah, it's a surprise for Daddy. So it's really important to be super fast!
(うん、パパへのサプライズなの。だから、とっても速く行くことが本当に重要なの!)
"Oh my word!"は"Oh my god!"の代わりによく使われ、驚きを表すフレーズ。
サプライズ晩ごはんの食材を調達するという、重要な任務を帯びて頑張るミッフィーですが…。
道中、おともだちの子豚のグランティに出くわします。何か困っている様子。
Grunty: Come…on! Oh!(うーん…! ああ!)
Miffy: Hi, Grunty!(こんにちは、グランティ!)
Grunty: Miffy! I need you to help!(ミッフィー! 手伝いが必要なの!)
Miffy: I'm sorry, Grunty. I can't stop. I'm on an important mission.
(ごめんね、グランティ。私、止まれないの。大事な任務があるのよ。)
Grunty: I'm on an important mission too! My kite's stuck. I can't put it down by myself!
(私だって大事な任務があるわ! 私のタコが引っ掛かって動かないの。一人じゃ降ろせない。)
"my kite's stuck"という表現ですが、ここで使われているstickという動詞は「突き刺す、くっつける、突っ込む」と様々な意味をもっています。ここでは受け身の形で「動けなくなる、行き詰まる」という意味として使われていますね。「引っ掛かって動かない」という状態のことを一語で表現できるなんて、便利。ちなみにstickには、ここから派生して「困らせる、だます、欺く」という意味まであるそうですよ。
Miffy: Um…I'd like to help, but I promised Mommy I wouldn't stop for anything.
(うーん…手伝ってあげたいけど、ママに寄り道しちゃダメって約束したのよ。)
Grunty: But…(でも…)
Miffy: Sorry, Grunty… Maybe someone else will come along soon. Bye!
(ごめんね、グランティ… きっと他の誰かがすぐ来てくれるわ。じゃあね!)
Grunty: Oh… How am I supposed to get it down now? Uh…oh! Ouch!
(ああ…どうやって降ろせっていうんだろう? うーん… ああ! 痛い!)
あらら、ミッフィーは自分の任務を優先させてしまいましたね。
"be supposed to do"で、「〜することになっている、〜するはずである」。
ミッフィーが立ち去ってしまい、凧を木から降ろせる手段がなくなってしまったので、「どうやって降ろせっていうのよ! もう無理じゃないの!」と反語的表現として用いられています。
急いでバーバラのお店に駆け込んだミッフィー、バーバラは踏み台に乗って何かしていますが、かまわず話しかけます。
Miffy: Hi, Barbara! I need some tomatoes quickly please.
(こんにちは、バーバラ! トマトを急ぎでお願い。)
Barbara: Whoooa… Hi, Miffy! I'll be with you in a moment.
(わあああ… こんにちは、ミッフィー! 少し待ってね。)
Miffy: Oh… I promised Mommy I'd be as fast as I can.
(ああ… ママに、できるだけ速くって約束したの。)
Barbara: Oh, well, if it's a promise, that's another matter.
(ああ、そうね、約束なんだったら話は別ね。)
"I'll be with you in a moment."というせりふですが、"be with you"というのは「あなたのそばにいる」という意味ではなく、「あなたの要求に応える」というニュアンスで用いられていますね。すぐトマト用意するねー、くらいの意味。
ミッフィーが急いでいると知ったバーバラ、迅速にトマトを用意してくれました。
Miffy: Hmm, they look juicy. Thank you, Barbara.
(うーん、ジューシーね。ありがとう、バーバラ。)
Barbara: No problem. Friends always help out if they can, right?
(いいのよ。友だちは、できるならいつも助け合うもの。でしょ?)
Miffy: Umm… right. Umm….
(うーん…。そうね。うーん…)
Barbara: There's something wrong, Miffy? I thought you'd be halfway home right now.
(何かあったの、ミッフィー? まだこれから家に帰らなきゃならないでしょ?)
helpという語は単独でも「助ける、手伝う」の意味になりますが、会話では"help out"というイディオムでよく使われますね。
最後の"I thought you'd be halfway home right now."は、直訳すると「今は、あなた(ミッフィー)は家まで半分の道のりにいると思っていた。」となります。ミッフィーは家とお店の間を往復しなければならなくて、お店にいる時点でまだ家まで半分の道のりが残っているんだから、急がなくてもいいの?と聞いているわけですね。
(もう帰り道の途中かと思っていたわ、あなたまだ店にいたのね、という驚きのせりふにも解釈できますが…、どっちなのでしょう?)
友だちのあり方について痛いところを突かれたミッフィーは、行き道での出来事をバーバラに話しはじめます。
Miffy: Umm… I was in such a rush to get here, I didn't stop to help Grunty.
(うーん… 私、ここに来るのにとても急いでいたから、グランティを助けるために立ち止まらなかったの。)
Barbara: Did she need your help?(彼女はあなたの助けを必要としていたの?)
Miffy: Yes, her kite was stuck in the tree, but I promised Mommy I wouldn't stop for anything.
(うん、彼女のタコが木に引っ掛かったの。でも私、寄り道しないってママと約束していたの。)
"stop to help Grunty"というフレーズ。前回、「"forget to do"と"forget doing"の違い」の話をしましたが、stopという動詞にも次のような使い分けがあります。
stop to do=〜するために立ち止まる
stop doing=〜することをやめる
後ろにto不定詞を使うか、ing形を使うかで、全く違う意味になってしまう例ですね。気をつけましょう。
Barbara: I'm sure your mommy wouldn't mind you stopping, if it was to help someone who needed it.
(きっとママは、あなたが立ち止まっても気にしなかったと思うわ。それが助けを必要とする誰かを助けるためならね。)
Miffy: Umm… you're right, Barbara. I should go and help Grunty.
(うーん…そうね、バーバラ。 私、グランティを助けに行かなくちゃ。)
Barbara: Bye Miffy.(さよなら、ミッフィー。)
Miffy: Bye!(さよなら!)
mindという動詞には「気にする、嫌だと思う」という意味があり、"mind 〜(人) doing …"で「〜が…するのを嫌がる」となります。「〜してもいい?」と聞きたいときには"Would you mind 〜?"という表現がよく使われます。
友だちは、やっぱり助け合わなきゃ! と決意したミッフィーですが、バーバラが台に乗って何やらグラグラしているのが気になるようです。
Barbara: Whoooa…(わああ…)
Miffy: Would you like some help, Barbara?(手伝おうか、バーバラ?)
Barbara: Hmm… Yes, please, Miffy.(うーん… そうね、お願い、ミッフィー。)
ミッフィー、バーバラの乗っている台を支えて、助けてあげることができましたね。
Barbara: Lovely. Thank you, Miffy. And that didn't take too long, did it?
(バッチリよ。ありがとう、ミッフィー。そんなに時間はかからなかったでしょう?)
Miffy: No, but I beg to go super fast now(?). Bye!
(そうね、でもすごく急いで行かなきゃ。さよなら!)
Barbara: Bye!(さよなら!)
Boris: Bye, Miffy! (さよなら、ミッフィー!)
Barbara: Oh, Boris!(ああ、ボリスったら!)
ミッフィーのせりふがよく聴き取れなかったのですが、「急がなきゃ」という意味のことを言っていたのはわかったので、I beg to 〜(〜したいと請う)かな…? でもbegを使うのは大げさなような…? と、少しモヤモヤしています。
(追記)ここは"I'd better do〜"=「〜するのがよい」の構文だったのではないかと、後日思い当たりました。そのときには既に録画を消去してしまっていたので確かめようがないですが…。
バーバラのパートナーのボリスがせっかく積んだ缶を倒してしまうというオチがつきましたが、ミッフィーは無事に帰路につくことができました。
Miffy: Grunty! Grunty!(グランティ、グランティ!)
Grunty: What? Am I in your way? I thought we were supposed to be friends.
(何? 私、あなたの邪魔だったかしら? 私たち、友だちだと思っていたのに…)
Miffy: We are friends, Grunty. And I should have stopped and helped you the first time.
(私たちは友だちよ、グランティ。私、最初に立ち止まってあなたを助けるべきだったわ。)
Grunty: You mean…(ってことは…)
Miffy: Yes! I'm going to help you now! Let's get that kite down.
(そうよ! こんどは手伝ってあげる! タコを降ろしましょう。)
Grunty: Yippee! Thanks, Miffy. On three. One… two… three!
(わーい! ありがとう、ミッフィー。3つ数えるね。1、2、3!)
Miffy: It's moving!
(動いてる!)
グランティの"Am I in your way?"というフレーズが、何ともイギリス的な皮肉に見えてしまいますね。「私、あなたの道を塞いでいたかしら?」「あなた様がお通りになるのに、邪魔してごめんなさいね」的な意味が込められているような(考え過ぎ?)。
ここでも"be supposed to"が使われていて、「友だちってことになっていたと思ったのに…」と少し距離をおきながらも、無念そうなニュアンスが伝わります。
ミッフィーの" I should have stopped …"というせりふ。「〜すればよかった」と後悔の念を表すとき、"should have 〜(過去分詞)"の構文がとっても便利です。
「3つ数えるうちに…」、西部のガンマンが使いそうなせりふですが(笑)、"On three."という表現はよく耳にします。
ミッフィーは無事に、グランティのことも助けてあげられました。良かった、良かった。
Grunty: Thanks for helping, Miffy!(手伝ってくれてありがとう、ミッフィー!)
Miffy: You're welcome, Grunty. Would you like to come back for dinner? I'm sure Mommy won't mind. We're having tomato stew.
(どういたしまして、グランティ。うちに夕飯を食べに来ない?ママもいいって言うと思うわ。トマトシチューを食べるの。)
Grunty: Oh, yes, please. Let me tell Poppy on your way. What are you waiting for? Hurry, Miffy!
(ああ、お願いするわ。途中でポピーに伝えさせてね。何を待ってるの? 急いで、ミッフィー!)
ポピーというのは、グランティの母親? 保護者? 吹き替えでは「ポピーおばさん」となっていましたが、公式サイトにも詳しい情報はありませんでした。
"What are you waiting for?"、直訳すると「何を待っているの?」ですが、「早く、早く! もたもたしないで!」というニュアンスでよく使われるフレーズです。
グランティも招待して、ミッフィーのおうちでトマトシチューの夕飯タイムです。
Father: Ummm…oh, delicious! What a treat to come home to!
(うーん… ああ、美味い! 家に帰ってくるって素晴らしいな。)
Mother: All thanks to Miffy. She's been very helpful today, and not just to me.
(すべてミッフィーのおかげよ。今日はたくさんお手伝いしてくれたの。私にだけじゃなくてね。)
Grunty: Yes. Thank you Miffy!(そうよ! ありがとう、ミッフィー!)
Miffy: Your welcome.(どういたしまして。)
"What a treat to come home to!"について。これは定型表現としてよく使われるフレーズのようです。treatという語には「楽しみ、楽しみを与えてくれるもの(催し)」という意味があり、近年日本でも浸透してきたハロウィーンの決まり文句"Trick or treat!"にも出てきますね(この場合は、楽しみを与えてくれるアイテム=お菓子、ということ)。このパパのせりふは、「家に帰ってきたら、家族が素晴らしいごちそうや催しを用意してくれていた」という感動を表現する感嘆文です。
Mother: Now, oh, there's enough for one more helping. Anyone?
(さて、あら、もう1杯分は充分のこっているわ。誰か(おかわりが欲しい人)?)
Father: Oh, no, I'm full.(ああ、いや、私はお腹いっぱいだ。)
Miffy: Me too.(私も。)
Grunty: I could probably be managing another bowl.(私、たぶんあと1杯は食べられるわ。)
Mother: Of course. There you are.(もちろんよ、どうぞ。)
Grunty: Friends always help out if they can, right?(友だちはいつも助け合うもの、でしょ?)
Miffy: Oh, Grunty!(ああ、グランティったら!)
ママが言っている"one more helping"というのは、「もう1杯のシチュー」ということ。helpという語には「助ける、手伝う」のほかに「給仕する、よそう」という意味もあるのです。このエピソードのテーマが「人助け」なので、helpingが余って困って(?)いるママをグランティがhelpする、という意味で掛詞的に使われています。
グランティはおかわりすることを"managing another bowl"と表現していますが、manageには「うまく扱う、対処する」という意味があります。おかわりすることを大事な任務みたいに言っているのがおかしいですね。
食いしん坊キャラの、憎めないグランティのせりふでオチがついて、おしまい。
さて、今回も解説の部分が長くなってしまいました。もう少し簡潔にいきたい気もする…。まあ、今後方針が変わっていくかもしれませんが、ゆるりとやっていきます。
次回はロシア語。チェブラーシカ・1つめのエピソード、まとめです。
また近いうちにお会いしましょう。